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2013/07/06(土)
ルーベンスを見に行く
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半世紀以上の人生の中で、心の底から感動した小説や童話がいくつある。
私の人生の中で一番最初に感動したのが「フランダースの犬」だ。 幼稚園年長児の時とはっきり記憶している。 当時ABCブックという月刊の童話本があり、「D」の章DOGに当たる話に「フランダースの犬」が選ばれていた。
その絵本はくすんだグリーン系のの彩色。深い絵。 何回も読んだので、今でもしっかり頭の中に仕舞われている。
話の中に何回も出てくる「ルーベンス」という言葉。 主人公ネロが見たかった「ルーベンス」の絵とはどんな絵なのだろう・・ ずっと、ずっと思い続けてきた。
大人になってから、画集やテレビの放送でルーベンスを知ることになるが、絵画も音楽と同じライブにかぎる。
そのルーベンスの絵を、今日やっと肌で感じることができた。 肌の質感、陰影、瞳のハイライト、聖書を元にした図柄、構図のまとまり。 胸に迫るものがある。
ルーベンスが生きた時代は、これらの絵を見ることを許された人々は限られた人々だったことだろう・・ 今は、こうして日本の一般庶民の私が見ることができる。 歴史の流れがありがたい。
一通り見終わり、やはり思いはフランダースの犬へと帰る。 ネロが最後にルーベンスの絵を見て天に昇っていくシーンを思い出す。 一目見ることができて、幸せに包まれて俗世を離れて行ったのだと確信した。
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