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2007/01/05(金)
「高半」・・越後湯沢の温泉旅館
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旅館独自の源泉を持つ温泉旅館「高半」に一泊で行ってきた。 泉質の良さは言うまでもない・・
それ以上にここは、川端康成が小説「雪国」を執筆した旅館なのだ。
国境の長いトンネルを抜けると そこは雪国であった
この有名な冒頭で始まるこの小説は、主人公島村と芸者駒子の悲恋物語である。 成就せぬ恋愛を書いたこの物語は、川端康成の実体験。 駒子にも「松栄」さんというモデルがいる。 小説の舞台も湯沢の「高半」である。 二人の愛と自然の美しさを、川端流言葉の巧みさで表現しているこの小説の力はあまりにも素晴らしい・・
旅館内には当時の部屋がそのまま残っていて、思わず川端康成と松栄さんの姿に思いを馳せてしまう。
雪国という閉ざされた白い環境の中で、生まれ、燃えたであろう二人の愛の形は今となれば想像するしかない。 小説という形で残され愛の姿… 二人が亡くなっても尚愛の形だけが残り、後生の人に感動を与えてくれる。
♪愛には 様々な形がある♪
今も昔も様々な形の愛に人は悩み、どうにか処理してきたのだろう… 二人の愛はすでに二人だけのものではなく、「雪国」を読んだ人全てのものになった。 そんな風に「愛」を形に残した川端康成の心を想像して、雪の街を眺めてきた。
「雪国」・・・もう一度感じながら読み返してみようと思う。
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