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2006/05/24(水)
魚になって2
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学生の頃長期の休みには、三宅島の民宿でアルバイトをするのが常だった。 貧乏学生は「稼ぎながら遊ぶ」しかなかったのだ。
今から考えるとものすごい日々だった。 早朝港に着くお客さんを出迎える事から一日が始まり、民宿の仕事をしながら合間を縫って遊ぶ。 夜遅く帰ってきても、また朝の4時半にはお出迎えに出かけるのだ。 今ならとうてい体がついていかないような生活・・ 若いと言うことはすごい事だ。
三宅島の海が懐かしい・・ 透明度が高く、碧い海の底に魚が泳いでいるのがよく見えた。 海面を跳ねるトビウオの群れは目に焼き付いている。 トコブシが解禁な頃には少しだけ潜って採ったものだ。 潜りは得意ではないので短い時間だが、魚になった気分。 碧い海の中では人間を忘れ、太古に還る。 魚の時代だ。 魚になって・・ 魚になって・・
♪もしかしたら僕を待っていたの 約束なんてしなかったけれど 乗り遅れた君の青春は どれほど泣いても呼び戻せないんだ♪
太古の昔まで戻らなくてもいいけれど、 三宅島にいたあの頃に戻れるなら、戻ってみたい… 別な道を選んでいたならどんな展開が待っていたのだろう。
美しかった三宅島は今はもう無い… 海は今でも碧いのだろうか? 私という魚の影はまだ三宅島の海を泳いでいるのだろうか? それとも海洋を泳いで、別な海で泳いでいるのだろうか…
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