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2006/05/11(木)
人生の終わりに
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夜、用事もかねて祖母の見舞いに親戚の家まで車を走らせてきた。 祖母は義理の関係ではあるが、20年以上付き合えば本当の祖母のようだ。 今はもう96才。あの世とこの世を行ったり来たりしている。 今自分の人生の終演を静かに迎えようとしているが、 特に病気という訳でもなく人間としての細胞が枯れきるのを静かに待っている。 そんな最期を待てるような人生を歩みたいものだ。
祖母が声にならない声で、私の手を握りながら言った言葉・・ 「おまん、いい女だねゃ」 祖母は以前から口癖のように言ってくれるが、今日は特に心に響いた… その言葉が本当だとしたらこんなに嬉しいことはない。 そしてもう一度祖母の口から聞くことができるだろうか…
道中暗闇の道の横は田んぼ。 もう蛙の合唱が始まっている。 あまり美的ではないが、季節を感じるのには十分である。 少しつめたい風が心地よいので車の窓を開けようとしたが、 車内のお気に入りの香りをとばしたくなかったので窓を開けるのをやめた。 そのかわり音量を上げてNSP「冬の時代」を聴き入る。
夕立のあとで ♪苦しいときに頼りたい 女(ひと)ががひとりいたはずさ あなたにとって重荷でも 何故にきずかぬふりで 誰でも心に 描いている夢がある かなうはずのない夢を抱いて生きる♪
春なのに冬の時代を聴き、初夏に繋がる「夕立あとで」を聴く。 このアンバランスが何故かとても良かった。
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