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2007/09/04(火)
かかわった時間とか結果とか、そんなの関係なしに、無条件で誇れる事もある
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僕のGT−Rのコクピットから隣を見ると、 ヤツは余裕の笑みを浮かべ、V8の破壊的なエンジン音を轟かせる。
それに答えるように、ヤツの破壊的なエンジン音とは対照的な、 研ぎ澄まされたようなGT−Rのエキゾーストを僕は響かせる。
必要なのは、スタートの合図だけだ。
☆☆☆☆☆
せまい街だが、簡単ではない。
仲良くやっていたつもりが、いつのまに大きく2つの勢力に別れ、 気が付けば、僕は1つの勢力の中心にいた。
本当に大変だったのは、2つに分かれてからだった。 それこそ初めは、くだらない争いも絶えなかったし、 意地の張り合いの連続だった。
誰が速いか? それが全てなのだ。
それでも、時間をかけて分かった事があった。
もう1つの勢力の中心である、V8のヤツ。
ヤツは、僕の力を認めているし、 僕もヤツの力を認めている。
昔のようなくだらない争いは無くなった。 良きライバル。 そんな関係になりつつあった。
しかし、争いが無くなったといっても、 ケジメを着ける事がある。
誰が1番速いのか?
今日。 僕とヤツの勝負の日。
大勢の仲間が見守る中、 お互いに、最高のマシンに乗り込み、 スタートラインに並ぶ。
僕は嬉しいのだ。 勢力とか、仲間とか、そんなのは関係ない。
ヤツとの純粋な勝負が僕を白熱させる。 負ける要素は1つも無し。
僕のGT−Rのコクピットから隣を見ると、 ヤツは余裕の笑みを浮かべ、V8の破壊的なエンジン音を轟かせる。
それに答えるように、ヤツの破壊的なエンジン音とは対照的な、 研ぎ澄まされたようなGT−Rのエキゾーストを僕は響かせる。
必要なのは、スタートの合図だけだ。
☆☆☆☆☆
「起きて!」
「・・・・」
「起きて!!
「!?」
もう、うすうす気が付いている人もいると思うが、 もちろん夢の話である。
「なんだ、夢か」 と、すぐ理解できた僕であったが、 もう、そんな事はどうでも良いのだ!
僕に今、必要なのはスタートの合図だけ。 もう止まれない。
運よく、まだ僕は半分眠っているような状態。 よし。このまま睡眠にもどれば、きっと勝負できるハズだ!
僕は眠る事に集中する。
オレは負けない。 必ず勝つ自信はある。 ヤツも僕を待っている!
必要なのは、スタートの合図!!
「起きて!」 「起きて!!起きて!!」
「起・き・て・ね。(超激怒)」
僕の状況なんて知る訳ないからね。 そりゃ、全力で起こされるよね。普通。 で、起きなきゃ最後は怒られるって。
起床した後、僕は説明する。
「どうせ勝ってたでしょ」 と、言われる。
ですよね。
幻の友と勝負よ。 僕はそれを胸に誇る。
よこち
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