|
2007/10/16(火)
ひとりあるき
|
|
|
文明堂のカステーラ。
良く聞く名だ。 ゆえに、それを良く知っていると思っているが、 そんな事はないのだ。
はたして、僕は食した事があるのだろうか?
それなりの年月(としつき)を生きてきたから、 1度や2度くらいは食べた事はあるのだろうが、 はっきりとした記憶がない。
そんな時に、ただ一点、気になる事があるといえば、 その「味」は、 「文明堂のカステーラ」という輝かしい名に、 ふさわしいのか? という以外には無い。
ただでさえ、名前のイメージが先行してしまっている。 「美味しい」というだけでは、 頭の中ので想像してしまっている、 極上の美味しさには達する事は不可能だ。
「なんだ、こんな程度か」 などと落胆するのは目に見えている。
もはや、カステラを食した時、 その味が「文明堂のカステーラ」の名に ふさわしいと感じる事ができる可能性は、 限りなく低いのだ。
人生なんて、そんな物。 はじめから期待しなければ、 がっかりする事もない。
ただ、淡々(たんたん)と、食せば良いのだ。 いや、というより、食べ物を口に運び、 噛み砕き、消化する為に、飲み込む。
これで良いのだ。 ただの「作業」だと思えば、 無駄な感情が発生する事も避けられるだろう。
僕は心に決め、感情を乾かし、 その、決められた作業を開始する為、
目の前の「文明堂のカステーラ」を口に運ぶ。
ふさわしい! 文明堂、最高!!
よこち
|
|
|
|