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2006/05/22(月)
虜
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「遠足のしおり」 そこには、描かれている事は、 夢でいっぱいだった。
遠足の季節になると、 「○○遠足のしおり」を渡された。
目的地、集合場所、スケジュール。 持って行く物リスト。 たくさんの「これからやって来る遠足」の 手がかりが描かれている。
昼食は何かな。 ここでお土産を買おう。 この乗り物には絶対のりたい。 ここは自由行動だ!
「おやつ」の予算上限指定。 予算内で何を持っていくのか?センスが試される。
その「しおり」を見れば、 夢の予定を立てるのは容易だった。
当日が近づくにつれ、天気予報が気になった。 予報どおり前日から雨が降りだした時、 誰もが切実に奇跡を願った。
「しおり」に描かれている、雨天の予定変更場所には、 ほとんどの場合、行きたくないのだ。 「しおり」には、まれに悲しい現実も描いてある。
僕らは遠足のしおりがクチャクチャに劣化するまで、それを見た。 それを見るほどに思いはつのる。
僕らは「しおり」に支配された。
しかし、そんな圧倒的権力をもつ「しおり」でも、 俗世間でいう、バナナは「おやつ」扱いか「お弁当」扱いかという最大の問題は、 解決できなかった。
「遠足のしおり」 そこには、描かれている事は、 夢でいっぱいだった。
よこち
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