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2006/04/30(日)
出口
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天気は良いものの、まだ2月。寒い。 彼女は店の中にあるストーブに自然と近づく。
すると大柄な男の人は、色々な雑誌をもってきてくれた。 「こんなかんじ?こっちは?」
ピンとこない。
「私の乗りたいバイクを造って下さい。」と彼女は言い放った。 彼女にすら分からないのに・・
再び沈黙。雑誌をめくる微かな音。 「どんな・・・」
そこへ「ただいま〜」と、もうひとり男の人が来た。 女の客が一人いる、という普段ないこの状況に「おっ・・」とためらいにも似た声。 軽く驚きの男の人はどうも社長さんらしい。
「こんにちは〜。」「ちは〜。」 そんな挨拶をかわす。 すると、大柄な男の人が一部始終社長さんに話した。
ぼそぼそと話す社長さんは「ちょうど、そのバイクのカスタムがしたかった!」 と、彼女に言った。 それも、偶然な出来事のようだったが彼女にとってはどうでも良い事だった。 とにかく救ってほしかった。
しばらく3人で悩む。「どんな・・・」
すると、社長さんが思い出したかのように、紙を持ってきた。 その紙はハイテクすぎるバイクが3台プリントされているものだった。
「これ、どお?」と、社長さん。
彼女には、やはりピンとこなかったが、なんとなく近い気がした。 いや、じわじわと気持ちが高ぶってきた。 コレかな・・?
そう感じた彼女は 「コレでお願いします。詳しいことはおまかせで。」と言った。 ・・・決定・・・?
彼女のバイクのベースとなるカスタムが決まった。
つづく
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