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2006/12/27(水)
迷わない夜。<後編>
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無理して牛丼を食べなかった夜。 満たされなかった夜。 迷わないと誓った夜。
その日から数日後。 チャンスは巡ってくる。
深夜に空腹になってしまった。 僕はそれをチャンスと呼んだ。
この時、どうするかなんて考えない。 イエローをでたビートル号は、牛丼屋に走り出す。
ビートル号を走らせている僕の頭の中には、 チーズ牛丼を注文する事も決まっている。
牛丼やの駐車場で目に飛び込んできたのは 「新発売、クリームシチュー牛丼」の垂れ幕。
僕は迷わない。
席に着く。 「ご注文が決まったらお呼びください」 とお水を持ってきた店員が言い終わると同時に、 僕は言う。 「クリームシチュー牛丼一つ」 こう言いながら、 「チーズをトッピングでさらにおいしさUP」 の文字を発見し、すかさず、 「チーズトッピングで」
突然のメニュー変更、及び、チーズトッピング。 まったく迷わなかった。
圧勝。
食欲も、達成感も、全てに満足した帰り道。 ふと、心がおかしい事に気が付く。 「こんなに迷わないでよかったのだろうか?」
その夜、僕は迷わない事に迷った。
よこち
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