|
2006/04/21(金)
書くネタがなかった(笑) byゆえ
|
|
|
酷使蝶に会ったらね、たった一つだけどうしても叶えて欲しいお願いをするの
そうすると、ある日突然願いが叶うんだよ
でもね、悪戯好きの酷使蝶は
願いを聞き入れる代わりに、相応の代価を払わないといけないの
願った人の何より一番大切なものを持って逝ってしまうんだ
だからね、酷使蝶に会ってもお願いなんてしちゃいけないよ?
アナタの一番大切なものも持って逝かれちゃうよ
酷使蝶-コクシチョウ-
私には大切な恋人がいました。 それはそれは綺麗な人で私には勿体ないというほどに。 けれど神様はイジワルなもので、彼女には昔から重い持病がありました。 その病気のせいで彼女は時々癇癪を起こし、私はどのように接したらいいのか分からなくなるのです。 彼女の口癖は「どうせ私は直ぐに死ぬわ」でした。 その言葉を聞く度に私は、自分の非力さにどうしようもない苛立ちと嫌気と彼女との距離を感じました。 人々は言いました。
『もういいだろう』
『お前はよくやったよ』
『このままではアナタが壊れてしまうわ』
『彼女のことは忘れろ』
きっと周りの人は彼女が私を傷付けている光景に見えるのでしょう。 けれど私は思うのです。
彼女は悪くない。 病気だって生まれ持ったものであって、今更どうすることもできないのだ。 何より悪いのは、そんな彼女の心を理解し、癒してあげることのできない自分自身。
私は初めて彼女から病気のことを宣告されたとき、これは運命だと思いました。 言葉は悪いかもしれないけれど、神から生を授かって生きていくのが私達の宿命であって、そこに何かしら障害が立ち向かうのはそれもまた神に与えられた宿命なのです。 私達は生まれるときに自分の出生を選ぶことなど出来ないのです。 全ては神のみぞ知る運命なのですから。 だから私は彼女の運命を受け入れ、それでも尚彼女の傍にいたいと思いました。
「もう此処には来ないで」
しかし彼女の考えは違ったようです。
「ここにいてはいけませんか?」
「アナタは何も解っていない。私の事なんてなにも」
「私はこんな病気になんてなりたくなかった。どんどん弱って終いには死ぬわ。でもね、アナタはそこでただジッと弱っていく私を見いているだけなのよ。何もすることなんて出来ない。死に逝く私を見てそんなに楽しいの?さぞかし滑稽かしら?」
私は何も直ぐに言い返すことができませんでした。 弱っていく自分を私に見られる事がこんなにも苦痛に感じていたなんて。 それに私は気付いてあげられなかった。 ただ愛しい人の傍にいたいと思う気持ちで何も見えなくなっていたのです。 本当にヒドイ恋人だと今更ながらに思っては、彼女への罪悪感で締め付けられるのです。
私はどうすればいいのか解らなくなりました。 出て行けと言う彼女を無理にでも説得するべきか、それともやっぱり離れるべきなのか。 暫く部屋に沈黙が流れていきました。
「ごめんなさい。今日の私はおかしいわね。今日は・・・帰ってくれる?」
「・・・いや、何も出来なくてごめんね。」
私は逃げるようにその場を立ち去りました。
うちに戻っても何もする気力がありません。 ただベッドに横たわり、浮かんでくるのは彼女の顔と良くないことばかり。 今何をしているだろうか? また悲しい思いをしているのだろうか? それとも・・・私がいない方が幸せなのだろうか?
いろんなものがこみ上げては吐き出すことも出来ず胸に蓄積され、鉛のように重く固まってゆくのです。 息をするのも重く感じられるけれど、全てを一時的に忘れて楽になりたい。 そう思い、私は眠りにつくことにしました。
この前書いた小説。 続きは・・・しらん。 画像はHPの素材でございます。
|
|
|
|