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2010/10/01(金)
茨木 のり子の詩
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亡くなってから4年経つが いまだ人を引き付けて止まないらしく お墓参りに訪れる人が後を絶たないという。 その茨木 のり子の詩を。
六月
どこかに美しい村はないか 一日の仕事の終わりには一杯の黒麦酒 鍬を立てかけ 籠を置き 男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか 食べられる実をつけた街路樹が どこまでも続き すみれいろした夕暮は 若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか 同じ時代をともに生きる したしさとおかしさとそうして怒りが 鋭い力となって たちあらわれる
- 詩集「見えない配達夫」より -
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