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2006/08/30(水)
馬鹿は…
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「………………」 「何だよ、ヤンロン? 人の顔じろじろ見て」 (いつもより、頬の赤みが強い…。目の潤み具合もいつもと違う。それに対して、唇はいつもより乾いている…) 「ヤンロンってば!」 「マサキ、これをくわえてみろ」 「ん? 電子体温計? 何でこんなモン…」 「良いから、早くしろ」 「へいへい。ん〜、36.9度ってアレレ? いつもよりちょっと高い?」 「やれやれ、やはりな。馬鹿は風邪をひかんと言うが、あれは大きな間違いだ。人である以上…否、生物である以上、不調というものと無縁の生を送ることは出来ん。馬鹿とて例外ではない。ただ、馬鹿は風邪を引いたことに気付かんだけだ」 「んがっ! 何だよ、それ! それじゃまるで俺が馬鹿みたいじゃん!」 「みたい、ではなく、その通りだ」 「ムキッ!」 「今日一日大人しくしていろ。こじらせると厄介だ」 「えぇ〜、微熱くらいで大袈裟だろ?」 「何なら説教で強制的に大人しくさせるという手もあるが?」 「う…、ほ、ホントに寒気してきた。お…大人しくしてます」 「ふむ、年長者の言に素直に従うのはよい傾向だな。さて、こう言う時は消化の良いものを食さねばならん。少し待っていろ。リンゴでも剥いてきてやる」 「えへへ…」 「何だ?」 「こんなふうにヤンロンが優しくしてくれるなら、時々風邪ひくのも良いかな〜って」 「馬鹿を言ってないで大人しく寝ていろ。……ランシャオ」 「お呼びでございますか、ご主人様?」 「僕が席を立っている間、マサキを頼むぞ」 「お任せ下さい」 「ヤンロン、いくら何でも過保護すぎ。大丈夫だって、俺そこまでガキじゃねえんだから」 「お前はまだまだ子共だ。では頼むぞ、ランシャオ」 「行ってらっしゃいませ、ご主人様」 「ちぇ〜。ホントにもう、ヤンロンの奴。あ、ランシャオ、ランシャオ」 「何でございますか、マサキ殿?」 「つっかまえた♪」 「????」 「────ッ!!!!!」 「わ〜、やっぱランシャオって暖かいなvv」 「…………………………(他意はない! マサキに他意はない!)」 「………ご主人様………(呆)」
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肩は凝るし、前頭葉ぼんやりするし、微妙に吐き気するしで、何となく体温はかってみたら、いつもより多めでした。 はかるまで、自分が熱あるって気付かなかった……。
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