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2013/06/11(火)
夢の話
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ただそれだけ。
最初は刑事の様な仕事をしている人達の紹介。 皆変な人ばかり。 良い人達ではない、むしろ悪い人達とか、異常者ばかり。 全員体のどこかに悪い部分があって、性格も変。 眼帯をしているへらへらした若い男は快楽犯の変質者。 むすっとした小太りの女性は内臓の欠けた元ストーカー。 片手の指が無い細くて綺麗な子は、カニバリズム犯罪者。 明るくて片脚のおじさんは、妻を殺したことがある人。 そういう人達の集めてある場所。 そういう人達が、異常犯罪者を探して捕まえる機関。
やがて、一人ずつ死んでいく。 自殺だったりもするけど、それも結局殺されている。 段々人が減って、でも周りからはあまり真剣にしてもらえなくて。 結局減ればいいと思われてる人達だから、助けが無い。 そのうちに、もう残りは二人だけになってしまう。 お互いに犯人だと思っているけれど、仲間が他にいないから言いだせない。
ところがやがて、犯人らしき人物が現れて、追い詰める。 けれど姿を現したのは影の薄かった上司で。 自分達を撃とうとした上司を、一人が撃ち殺す。 倒れた上司に駆け寄ると、上司は指さして「ほら」と笑う。 振り向けば最後の一人がこちらに銃を向けている。 撃てないでいる間に、撃ち殺されてしまう。
最後の一人、犯人が銃を自分の頭に向ける。 けれどガチャリと音がして、壊れてしまっていた。 彼は仕方が無いと言う様な顔をして出ていく。
やがて廃屋に住み着いた犯人は、こっそり遊びに来る子供と話をしている。 何日もかけて、変な人達の一生を全部、その子に聞かせる。 楽しそうに嬉しそうに、少年が話を聞く。 「ね、楽しそうだろう?」 「うん、とっても!」 これでお話は終わりで、もういなくなるから、明日から来るなと言いきかされた少年は出ていく。 それを満足そうな笑顔で見送る犯人の手には、修理された銃。 場面は引いていき、陽の光のあたる古い一軒家になる。 犯人の住みついた廃屋の、古くなった木材の色、禿げた塗料、雑草の緑。 タン、と軽い音がして、静まり返る。 窓の割れ目から噴き出した埃が、陽の光にキラキラ光っている。
気付くと私は、真っ暗な映画館の席、中央より少しスクリーン寄りに一人で座っている。 画面にはまだキラキラ光る埃と廃屋。 良い死の話だったと、私は思う。 ふと、周りの席に黒い影で出来た人型が沢山いるのに気付く。 ああ、今まで見ていたおかしな人達なんだなと感じる。 そのことにとても安心した。 すぐ隣にある影が、犯人。 綺麗に死ぬ為だけに、酷いことをしたけど、それでも綺麗に死んだ人。 それを私に見せてくれた人。 とても深い親しみと、羨望みたいなものを感じた。
そこで終わり。 実話怪談系の本を読んだりすると、こういう厨い夢を見ることがある。 途中で視点が体験から鑑賞に変わったことを思い出す。 途中までは、私も参加者だったのかもしれない。 じゃあ、あそこにいた影は全部元仲間だったのかも。 私も自分達の死の映画を見ている影の一部分だったのかも。 道理で、とても安心した気持ちで目が覚めた。
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