|
2010/04/27(火)
都条例 長文
|
|
|
「2次元児童ポルノ規制条例で東京都」 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100426/crm1004261824023-n1.htm 都の発表した回答も見に行きました。 曖昧な部分は、全く改善されていないと言っても過言ではありません。 「子供にとって特に悪質なもの」が何なのかを定義出来ていない。 「性交類似行為」や、描写の線引きも曖昧です。 「裸の二人が折り重なる」がセーフなら、どこからアウトなのか。 自慰がアウトで、じゃあ全裸で胸を揉んだらセーフ? 明らかにセックスしていても、性器描写が無くて着衣だったらセーフ? 擬音語がアウトなら動作線は? 「実社会では社会的に許されない悪質な性行為について、読者の性的好奇心を満たすため、あたかも楽しいこと、社会的に許されることであるかのように描」いているかどうか、どれだけ楽しそうに見えるかを、どうやって判断する? 「どうしようv」みたいなお花のトーンが飛ぶような台詞一つで、「これは人間的な深い悩みを表しています」と作者が言えば、それを誰が否定できる? 子供の誤った認識を正す義務を保護者に課すことは盛り込まないの? 何を目的として書くかなんて、作者にしか分からないこと。 「性行為の描写がメインとなっている」かどうか、ページ数や割合で決めるのは如何なものかと。
「みだりに」を「正当な理由なく」に言い換えても、「正当」の定義が無い。 「ストーリー性が低い」なんて、特に外部から判別出来ないですよね。 シーン一つが「ストーリー上不必要」かどうかだなんて、評論家が判別したって全体の賛同は得られない難しい点。 それをどれだけの人数で、どんな基準で、どれだけの期間で決めようというのか。
小説に関しては、正直に言えば愚かだなと。 個人的な話、私は家庭の方針で小学校中か高学年辺りまで漫画を読んでいませんでした。 でも読書は好きだったので、それこそ無数に、手当たり次第の本を読みました。 本屋にも駅にも官能小説は売っていますし、何の規制も表示も無い。 ぱっと見では内容の判別が出来ないものも多い。 エロ小説なんて散々読んでしまいましたよ。 分からない言葉が有れば辞書を引いたし、今の子供なら携帯があれば関連情報まで引き出せる。 「性器や性交を表す言葉」だって、検索すればスラングから画像まで探せるでしょう。 十代後半では、私もネットを利用していました。 でも、子供が性的対象になる場合はほとんどが「餌食」なんだとちゃんと知っていました。 どれだけイラストで明確に示されても、騙される程にまぬけではなかった。 肯定的に描かれたからと言って、それを実践するだなんて、同じ子供としても馬鹿としか思わなかったでしょう。 有害なのは、本よりもむしろTVだと感じていました。 子供がどんな存在なのか、どんな危機があるのか、それを教えるのは親と学校の役目です。 教えられたことを学ぶのは、子供の義務です。 子供を大切にする文化と言われると嬉しいけれど、甘やかすのとは違うと思う。 きちんと育つのは、育ててもらう上での責任なのだと教えるべき。
この条例に関しては、一部において賛同です。 ジャンプのアンソロなどが「一般の人」の目に付く場所で、内容の明示無く売っているのは私も嫌でした。 エロ、二次創作の場合は恋愛を含め、知らずに手に取るのはきっと嫌な気分でしょうから。 今回の公表では、作家では無く販売業者が対象になっている点などは、明確になって良かったと思います。 ただ、やはり曖昧さは拭えない。 やっぱり都の独断になるか、或いはザル法になるだろうというのが現在の雰囲気かと。 あとは「出版や映画・新聞等の関係業界の代表者、都議会議員、保護者の代表などの第三者で構成される「東京都青少年健全育成審議会」」が大きなポイント。 ここに利権が発生しないか、内部に不透明さが生じないか。 それを大衆が監視し、その裁量に納得出来るようにするのが一番求められていることかと思います。 今回の追加で勝鬨を上げては、きっと将来不都合が起きる。
「ついにボーイズラブ雑誌が「有害図書」指定、18禁未満への販売や閲覧を禁止へ」 http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100427_boys_love_osaka/ これについては、入手可能な年齢を制限することに異論は無い。 一般図書と区分してくれるのは有り難いぐらいで。
「マンガ「国の自由度」映す」 http://osaka.yomiuri.co.jp/university/research/20100421-OYO8T00548.htm これなど読むと、また深く考えることもあります。 イスラム教圏での作品なんて、読んでみたい、とても。 確かにどれだけ自由が認められるか、という尺度にもなると思う。 でも、自由って何だかよく分からないものなので。 子供には自由があるべきなのかどうか、実に難しいところだと。 だって更なる自由を与えるなら、更なる責任も負わせなければならない。 今だって彼らは随分戸惑っていると思うけど。
副都知事のtwitterの発言には少々異論が。 「性描写ばかりの漫画は表現では無い」という内容に見てとれる。 じゃあ、「戦争ばかり」だったら?「会話ばかり」だったら? 「事件ばかり」や「裁判ばかり」、「理論ばかり」の内容は? 戦争ばかりの本があれば、戦争ばかり読みたくて買う人もいるだろう。 戦争ばかり書きたい人もいれば、戦争ばかり書くことで表現したいものがある作者もいるだろう。 何故殺人と性行為は別になる? 性で表現できること、エロティシズムの表現だけが何故違うのか。 一緒だと、個人的には思います。 表現されたものが商売になる、そこに他者の決め付けがあるべきではない。 「こんなもの表現では無い」とは、誰でも一方的には、言うべきでない。
|
|
|