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2009/07/25(土)
訓戒
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夏に寝ていると、自分の髪が暑い。 昔、一人で入浴しなかった頃には今よりもっと長くしていた。 それを切りたがって祖母に止められたことがある。
耳無し法一はお経を書き、牡丹灯籠ではお札を張って身を護ろうとした。 櫛を投げて鬼を遠ざけ、帯を掛けて身代わりにする話も有る。 身につけるもの、身の形は皆呪を持っている。 女子の髪は特に強い力を持っている。 だから人よりも弱い私は、特に髪を伸ばすべきだ。 もっと強くなったら、髪を切っても良い。 それまではお守りなのだから、切ってはいけない。
物語を聞かされた私は気を逸らされ納得して、髪を切らなかった。 今思い返せば、あれはもっと深い話だったのではないかと思う。 祖母は名前や立場、立ち居振る舞いの扱いに長けた人だった。 きっと私に「女の子」の形をさせておきたかったのだと思う。 世話も手間も必要な私はとても邪魔な子供だ。 けれど長子ではないし、男子でもなかった。 「可愛ければそれで」許されることもある環境。 祖母は私のことをとても心配してくれていたと思う。 でも今の私は、結局よく分からない形になってしまった。 可愛げも、女らしさも、若さも生かすことが出来ない。 自分の活用の仕方を教えてくれようとした祖母には申し訳ない。 こんなに生きるとは、本当は自分でも思っていなかったのだけど。
>拍手を下さった方 有難う御座います。 昨日の日記の後ですと嬉しく、またどこか面映ゆい心地になります。
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