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2009/10/14(水)
モルダー捜査官
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Xファイルが好きです。 初期シリーズを何本か見直したのですが、改めて好きでした。
そもそも、UFOモノはあまり好きになれないことが多いのです。 それなのにあのシリーズが好きなのは、多分二つの理由。 一つは、好きな「奇談」のパターンが含まれているから。 解決しない、善悪が分からない、どうしようもない、救いが無い。 そういうパターンの奇談が、結構好きです。 放りっぱなしと言えばそうなのですが、でも日常とはそういうものなので。 不思議で、不条理で、でもどこかで懐かしいのが好きなのです。 侵略され追い詰められ団結して立ち向かい勝利する、が一番嫌いなパターン。 ヒーローになりたがる奴は、悪役も死に役もヒロインも欲しがる。 そういう話は嫌いなのです。
そしてもう一つは、主人公。 モルダーがかなり、好きです。 怠けた言い方をするなら、悪い意味での親近感。 舞台が現代日本だったら、確実に大型掲示板を利用していそうな感じ。 好きな物に熱中し、他を捨ててしまいそうな危うさ、駄目っぽさ。 我が侭で危険な目に合い、叱られ嫌われ、でも止めない。 どこかで子供っぽい、‘社会的な大人’には成り切れていない感じ。 現実のUFOマニア達にも通じる、何だか胡散臭いものが好きそうな雰囲気。 そしてそれを自嘲しつつ、でも誇りにも思っている。 あとは、妹の誘拐を発端とする事件への関わり方も好きです。 誰にも信じてもらえないという状況に、きっと慣れている。 それでも自分がしたいことをしなければいけない辛さ。 そこに親近感を抱きます。 マイノリティの連帯感、モラトリアムの近親憎悪、オタク的な温い仲間意識。
不思議な物を不思議と思うのは、個人。 社会という単位はそれを、持ち上げたり嘲笑したり、削除したりする。 でもどんな形で社会にそれを料理されようとも、向き合うのは個人であるべきだと思うのです。 日常的で、個人的で、言ってしまえば自慰的な楽しみであるべきだと。
例えば、目の前にいないはずの何かが見える時。 宗教や伝承に解決を求めるのも自由。 自分の妄想や幻覚だと思うのも自由。 でも、その両方と、更に他の可能性も残しつつ、とにかく塩とかまいてみる。 結局は真実が何であれ、大切なのはどう折り合い付けて生きていくか。 自分がどう思うか。 そういうことなんじゃないかと。
それがどうXファイルに繋がるのか、ちょっと上手く説明出来ませんでした。 でも子供時代に見ていて、モルダーは大人とも子供とも思えず、好きでした。 大人になった今でも、多分同じ見方で楽しんでいる。
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