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2008/09/07(日)
胡蝶の生死
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長い時間、眠ってしまった。 夢が楽し過ぎて。
楽しいというのは、本当は違うかもしれない。 今の人生と夢の人生は、そう変わらない。 ただ、最後が見たくて見たくて、仕方が無かった。 もうすぐで終わりそうな生涯だったから。
夢の中でヒトでない何かになるのは、大抵楽しい。 重力に逆らう感触や、体が作り替わる感触は新鮮だ。 一体、自分の脳がどうやって作りだしているのか分からない。 自分に無い期間が、決して体験したことのない物を感覚する。 その楽しさだけで、目を覚ますのが嫌になってしまうほどに。
自分とは違う物を好きになる。 自分とは違う価値基準で動く。 自分とは違う誰かと触れ合っている。 それは、ひどく楽しい。 本当に、本当に魅力的で、強い誘惑だ。
夢だと分かっている、のではない。 今の自分と違う自分がいるとだけ分かっている。 そして、魅力の余り捨てそうになってしまったりする。 つまり、今の自分を。
こんなにも他の感覚を持つのが強い快感なのは、何故だろう。 見ることは楽しい。 知ることは楽しい。 その延長なのかもしれない。 体験し、知覚するという快楽。 生物の脳は、何故そこまで感覚の欲求を持っているのだろう。 夢と違って現実は、把握しても大した変化は齎せないというのに。 それともこの今の自分も、頑張れば目の前の現実を捻じ曲げる力があるのだろうか。 そうは、思えないのだけれど。
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