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2008/08/16(土)
夏季休止7
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朝顔に少し似たこの花は何だろう。 分類を知るのは楽しいけれど、積極的には調べない。
ダチュラを連想する。 医薬に関わる実家の庭にも長いこと咲いていた。 去年の植え替えで捨てられてしまったけれど。 一度弄んでみたかった。
庭の草花で遊ぶのが好きだった。 毒薬を作ろうとしたこともあったけれど、実はそのままで毒になる草花は幾らでも手にしていた。 今存命していることを喜ぶべきか。
夏、土と木と花の匂いがする中。 草いきれと蝉の声に塗れて遊んだ幼い記憶が瞼の裏に眩しい。 木漏れ日も風も覚えているように思う。 何て甘く濃厚な時間だったことか。 結局は陽光にも熱気にも負けたのだが。 あれは私自身に今よりもまともな生命力があったからこそ、あんなに眩しく思えたのだろう。
今の私は夕暮れ時にばかり出歩くようになってしまった。 身分も浮いている中、まるで幽霊になったようで、虚しさが湧く。 その苦さは昔とは違うもののやはり甘くて、心地良い。
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