|
2008/03/28(金)
アリスの死体
|
|
|
むしろ、死体のアリス。 そういう夢を見ただけです。 でも凄く、面白かった。 あれを写真に出来たらなと思うけれど、多分確実に無理。
場面はお茶会で、木々に三方を囲まれた長方形の空間。 でも、かなりの水位まで浸水している。 長いテーブルは傾いて、片側が見えない。 水が、濁った泥水だから。
テーブルの向こうには足の折れた椅子がある。 そこに、死体が座っている。 帽子は被っているけれど、もう性別も分からない。 皮膚は変色し変質して深く皺が寄り、ミイラの様で、でも妙に滑らかそう。 水に使っている部分は骨になり、末端は崩れて何も無い。 俯いて椅子に凭れ掛かり、朽ちている。
テーブルの右側には、何も無い。 夢だから、そこにかつては兎がいたのだと知っているのだけど。 水底に埋まっているか、溶けてしまったのかもしれない。 ただ去ってしまってこの場が置き去りなだけかも。
水の中に視点が移る。 テーブルの左側、傾いて斜めになった下には食器。 茶色に濁った水の底に見える、白い陶器。 割れた皿もポットも、区別が付かない。 金属は濁ってしまって目に付かない。 水底は平らだけれど、柔らかい細かい泥が積もっている。
夢の中だから、感覚が理不尽。 触覚は無いから、水は冷たくない。 音も無いけれど、それはただ音がしていないだけかもしれない。 嗅覚が無いのに味覚が有って、泥と水の味がする。
ただただ死体がリアルなだけの暗い陰鬱な光景だったけれど、面白かった。 夢に出るには珍しいぐらいに朽ちた死体。 あれが、面白いと思って、興味を惹かれて、忘れられない。
あの世界にアリスがいたらやはり死体かと思ったけれど、人形の方がいいかもしれない。 何もかもが朽ちても形を留める、白い少女の球体関節人形。
|
|
|