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2007/04/10(火)
情感
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暖かくて。 桜が咲いていて、風に散っていて。 日差しの中を、人が歩いていて。 そのきらきらする瞬間が、無性に目前に迫ってきて。 苦しい様な、幸せの様な、切ない様な、恍惚の様な。 温かい水が溢れそうになっているような気持ちになります。 気恥ずかしいのですが、これが多分「愛しい」なのではないでしょうか。
欲の絡まない愛情を夢見る様な歳ではありません。 所詮人は孤独ですし、それが寂しいことだとも思いません。 当たり前の事実に対して感情を持つのは難しいことなので。 けれど、こういう不意に襲ってくる情感には流されそうになります。 何か名前が付いているのでしょうか。 この、無性に抱き締めて一体になってしまいたくなる様な感情は。 思いつめたらうっかりと反対側に反れて死んでしまいそうで、追求出来ません。
何かが悪いとか、何かが良いとか。 何かが嫌いとか、何かが好きとか。 もうそれらを全部置いておいて寝てしまいたいような、微妙にいい加減な快感です。 やっぱりタナトスに似ているような気がします。 それはきっと私の中で、死の一面が安息に属しているからだと思うのですが。 そして死に関するものからなら何でも逃げておきたいのですが、それも叶いません。 気持ちがいいと言う事は、恐ろしいことだと思います。 きっと一番幸せな時には、人は自分がいなくなることさえどうでもよくなるのだと思うので。
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