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2006/08/26(土)
沈静
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「ファサード」を読んでしまって泣いていました。 テンションを上げたままにしたかったので困ってしまいます。 私のテンションは、上がると攻撃性と連動しているので。 こんな気持ちでは何も攻撃する気が起きません。 浄化されてしまったようで、でも何にでも真剣にはなれそうです。
この方の本は皆好きなのですが、このシリーズは私にとっては特別です。 重くて、それでも透明で、切なくてキラキラしていて大好きです。 戦争や命や環境、時代や文化や差別や愛情、憎悪。 そういった物を凄く真剣に取り扱っているからです。 ファンタジーなのですが、だからこそ凄く身近です。 リアリティではなく、心理としてとても共感できる。 ああ、そういう気持ちになった事が有るな、と。
今回は戦争と武力、平和に対する無抵抗・非武装がテーマでした。 とても考え深いし、心が痛みます。 この方の作品ではよく思うのですが、‘こう死にたい’と。 いつか終わる人生を、こうやって終えたい。 決して死にたいとは思いません。 本当に信じている目的の為なら、死んでもいい。 でも本当に信じている目的の為でも、死にたくはない。 精一杯生きて、いつか終わる瞬間を心安らかに迎えたい。 如何に存在証明の為であっても、死を道具にはしたくありません。
泣きたい方にはお勧めです。 生きていたい、大切にしたい、守りたい。 そういう気持ちがとても強く根本にあると思うのです。 何かしたいと、自分に出来る事は何かと、そう考えるような本です。 だからいつも手元に置いて時々読み直しています。 そしてその度に泣いて、浄化してもらっています。 悲しいです。 でも本当は、私が楽しく過ごしている間も悲しむべき事が多い事の方が現実なのでしょう。 生まれて、生きて生きて、いつか死ぬ時の為に真剣に生きます。 そうやって私は、満足して死にたい。
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