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2018/02/24(土)
誰かが 来たようだ
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おふたりが帰って、見送って、湯に寄って洗い場をブラッシしてからお湯を借りた。帰り着いてストーブの脇に足を投げ出して休んでいた。少しウトウトとしたときだった。ガラガラと玄関の引き戸が開く音がする。誰か来たのかと思ったそのとたん「ウオ〜オ だれだ」と大声で叫んでいた。友人は帰ったのだし雪の中を訪ねて来る者はいない。私の頭の中を(猿だ、猿だぞ)と得物をもって玄関へ飛び出した。戸は30cmほど開いているじゃないか。そういえば湯の桜の木にサルがいた。外に出て見回してみたがそれは見えない。いやいるはずだと前を見下ろすと猫の墓のあたりに二匹の猿が背を向けて並んで遠ざかって行くのが見えた。走るでもなく、振り返るでもなく肩を落としてゆっくり去っていく。思索小屋へ向かって、樹木に見え隠れしながら進む二匹の猿の上に折から降りだした雪が姿を遮った。 野菜くずや、果物の皮なんかを外に出していたせいか猿にしちゃこれは味方かと甘えたのかもしれない。学校に行っている猿ならいいのだけれどこの辺りの猿はチンピラ風情でひとたび入って来ようものなら部屋中引っ掻きまわすは挙句に糞までするわで私が往生することになる。そりゃ雪のなかの猿は同情もするがここはひとつ学校へでも行って教養を高めて来て欲しい。で、奴さんたちは野菜屑なんかは食べやしない。もっといいものを出せと言わんばかりだ!
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