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2016/12/20(火)
穴熊奇譚
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荷物を取りに福一さんのところによる。床屋帰りの彼は少し歳を取ったが病気もうまくさばいているようで元気だ。 「先日大道に大きなアナグマが出ていた。奴さん俺を見て土管の中に逃げ込んだと思いなさい。こん畜生と棒でたたいてみたが何食わぬ顔で逃げて行った」野のケモノは強いものだと笑うのだがこのあたりの人にとってアナグマは昔からの食糧でクマという名がつくほどだから美味しいらしい。もう少し彼が若ければこのケモノを逃がすことはなく、きっと僕に「食べてみろうまいぞ!」とくれたことだろう。そういえば津南穴山の友人が何時か持ってきたっけ。ありゃうまかった。
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