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2015/05/11(月) 青春の彷徨 再び!
 出掛けに咲き出した八重桜が今散り出している。そうかと指を折って数えてみると5日ばかりが経っていた。すこし長く居すぎたのだろうか、東京は年々僕にとって色をなくしていくようで、力なく街を歩きホームに立っているだけだった。何ということはないのだけれど、この街に自分の居場所がなくなったように感じていた。
 昨夜 僕は先日手渡された「コウシン」氏の小説を読んだ。それは同世代の信じるに足る大切な友人のもので、その文体も控えめで構成もよく考えられたものだった。地方から出てきた主人公が東京で働き学び考え感じたものを錯綜する時間の流れのなかでうまく書き上げていた。今の若い人に向けたというよりか彼自身の来し方と行く末への確信を表したものでとても読みやすく彼の実直さを感じさせるものだった。僕は興奮もし彼の努力をうらやましいとさえ感じた。
 僕は考えた。それに引き換え自分はどうなのかと。僕は気分屋でお調子者で何ひとつ自身のなかで完結していないように感じていた。その夜 僕は山へ帰る軽トラックの中、高速道路から抜けられないといった夢を見ていた。明け方おどろいて目を覚ますと布団の上でがっくりとうなだれた。若かった頃の悩みがよみがえってくる。「おれは何を持って何所へ向かって生きているのか」といった感じに驚かされた。
 それから数時間して僕は軽トラックを走らせていたときだった。朝の光につつまれて、強く何かに突き上げられるような高揚感のなかにいた。「そうだ これからなのだ」と何度となく感じた。大声でバカヤローと泣きそうな自分を追い出した。やるべきことをやり終えてそのなかで僕なりに自問自答していけばいいのだと。詰まりこどものままの自分に気がついただけだとしても…
 帰り着くと4月の末にひろった桜の枝からきれいな花びらが僕を迎えている。人間はそんなに成長するものではないのだからいいのだよと言わんばかりだった。


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