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2014/04/10(木)
ブッチャケ 金がないのだ!
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朝は予報と違ってきれいに晴れていた。飯山での用事を済ませて飯米を一袋取りに行ってから駐在に寄ってみたのだが不在だった。 津南での用事を済ませるといい雨が降り出していた。 四国行脚 つづき ちょっとした勘違いで友人と別れ別れになってしまうことがあった。予讃線の今治でのことだ。その理由を簡単に話しておかなければならないだろう。 四国の鉄道はそのほとんどが単線なのである。そこに上下1.5時間ごとに1本の特急列車が走る。その間を縫うように走る鈍行列車はまるでバスのようなものだ。だから追い抜かれたり、すれ違ったりが何回もおきる。おまけに鈍行列車にはトイレというものが置かれていない。トイレを気にする年齢になったせいか移動中は水分を控えることになる。18切符を利用する観光客は四国の鉄道会社にはいい迷惑なのだと感じざるをえなかった。みどりの窓口には多くの若者やサラリーマンが列を作っている。優等列車でなければどこにもいけないのが四国の鉄道だ。マッ、それはどこでも同じだが、ことに四国はそういうことだ。 車掌に聞いてみた「単線での特急列車の運行は無理があるのでは、何で複線にしないのか」と。するとその車掌さんは腰の辺りで親指と人差し指で丸を作り「ブッチャケ 金がない!」とのたまわった。昔から四国の鉄道は遅れていたけれど改善されないまま民営化されてしまったのだろう。お遍路さんを大事に助ける四国の人たちだから怒りもしないで黙っている。人間の良さを感じた。 「ブッチャケ!」という車掌の一言はなかなか面白くこの旅の間友人と何回となく使わせてもらった。またトイレ問題は車両が30分に一回は何分か停まる駅で済ませればいいのだと気づいた。 そんな予讃線に乗っていて今度の今治では5分も停まるだろうと僕らは感じていた。今治という大きな駅ならばまず大丈夫と友人は駅弁を探しにホームに立った。そして階段を下りていく姿を見送っていた。しばらくしてドアの閉まる音がして1両の列車は動き出すではないか。あれ!あれ!と何が起きたか分からないうちにホームを抜ける後部の窓からホームに上がってくる友人の姿を視認した。 今治駅は高架になっていて上下ひとつづつのホームしかない。待避線がなかったのだ。ここで僕はなんとなくクスッと笑った。なんと言おうかと掛けた彼への電話が前の座席に置かれた荷物の中でかすかに震えていることに気づいたとき、その震えが僕に伝わってくるように感じたのだ…
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