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2009/07/20(月) 低所得者の支援と生活保護・web講座7「生活保護基準」
第3章 生活保護基準と最低生活保障水準
第1節 生活保護基準の考え方
 生活保護基準とは、生活保護法によって保障すべき最低生活の水準を金額で示したものであり,扶助の種類ごとにさまざまな事情を考慮して詳細に決められている。生活保護法3条では,こうした基準が健康で文化的な水準であるべきことが保護の原理として主張された。また8条の「基準及び程度の原則」では,この基準額の決定は厚生労働大臣の権限に属し,さまざまな事情を考慮して決定すべきことなどを定めている。具体的には,「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示158号)として定められ,改正を重ねている。
 この基準額は国が国民に保障する最低生活費ということになるが,その具体的な算定には,国民生活全体の動向との関連をどう考えるかという大きな論点が存在する。これまで,絶対的な必要額を積み上げたマーケット・バスケット方式,エンゲルの法則を利用して低所得世帯の消費動向の変化にリンクさせようとしたエンゲル方式,一般階層との格差是正を明確な政策目標とした格差縮小方式が採用された。現在は一般階層との格差の現状維持を目的とした水準均衡方式が採用されている。


◆生活保護基準について
 生活保護費は現在、内容別に8種類の扶助に分類され、細かく基準額が定められている。また、地域別に1級地−1から3級地―2まで、6地域(級地)に区分して基準額が定められている。
 生活保護費は、被保護世帯が生活するために、最低限度必要な額(最低生活費)として、一カ月単位で基準額が定められている。収入がない場合には、この基準額(最低生活費)そのものが、保護費として支給される。収入がある場合には、最低生活費から収入を差し引いて、残りの不足分が支給される。
 生活保護法第8条では,「保護は厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち,その者の金銭及び物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。A前項の基準は,要保護者の年齢別,世帯構成別,所在地別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これを超えないものでなければならない。」と,保護の要否判定の方法と受けることのできる保護の程度に関する原則を示している。
 最低生活保障原理は,「健康で文化的な最低限度の生活」を保障することを生活保護の基本とすることであるが,その際重要なことは,1949年社会保障制度審議会勧告「生活保護制度の強化改善に関する件」でも強調された,「この制度の実施に要する必要にして十分な予算の計上」であり,つまり財政上の理由による最低生活保障の抑制の禁止(公的扶助3原則)であった。
保護基準は,生存権のセーフティネットの内容を構成するナショナル・ミニマムであるために,生活保護を利用している人たちにとってはもちろん,国民にとっても重要なものである。したがって保護基準の決定は厚生労働大臣が行うこととされているが,その決定の過程が重要となる。生存権保障の中身を規定する生活保護基準が,すべて国の裁量と判断で行われることになるために,国民の側からの異議申し立ては,不服申し立て制度によるほかないということになる。
 1957年に提訴された,朝日訴訟裁判は,当時の生活保護基準が憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障していないとして争われたものであるが,この提訴の前の4年間,保護基準が実質的に据えおかれたままであったことがその発端であった。国だけが基準の決定にかかわることの弊害が現れた典型的な事例である。
 生活保護基準が国民生活に深くかかわるものである以上,最終的に厚生労働大臣が決定するとしても,学識経験者や実務担当者,そして国民,とくに生活保護受給者の代表などの意見が,策定の過程で反映される必要があると考えられる。さらに,厚生労働大臣が決定した基準を,国会での審議承認することも本来は必要なことであろう。


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