社会福祉士 受験支援セミナー 日替講座
社会福祉士・精神保健福祉士試験の受験対策 ⇒新ブログhttp://miseki.exblog.jp/ に移行しました
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2009/04/11(土) 社会福祉士受験支援セミナー・移行のお知らせ
<ブログ形式への移行のお知らせ>

 皆様には、お手数、ご面倒をお掛けしますが、下記のブログに移行します。利点として、記事の文字数が無制限になること、記事の分類が可能となり、閲覧される方々も便利になるという点等が挙げられます。
 何卒、ご理解をお願いします。

 以降、下記のURLのブログ形式のサイトに移行します。

 また、内容も、これまでの社会福祉士・精神保健福祉士試験の受験に向けた練習問題や、要点の解説に加え、関連する情報のクリップ・ブックマーク、当サイトと講座を担当している私の日記の要素を加えて、継続していきます。
 しかし、閲覧者のコメントの公開等の機能は、当面は用いませんので、あまり変わりばえはしないかと思われます。

 なお、新しいブログ上では、これまでの当サイトを「08年版 社会福祉士受験支援セミナー」と呼称します。

 今後も、引き続きの閲覧と、ご活用を、よろしくお願いいたします。

 関屋光泰

 移行後のブログです。

 「社会福祉士受験支援講座」09年度版
  http://miseki.exblog.jp/

2009/04/10(金) 現代社会と福祉・練習問題&ポイント
*社会福祉原論・練習問題(正答は画面下方に表示されます)

問題11 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 社会資源とはソーシャル・ニーズを充足するために動員される施設・設備、資金や物資、集団や個人の有する知識や技能等を総称していう。
B 高度成長期から今日に至るまで、国民全体として、非貨幣的ニーズが縮小し、貨幣的ニーズが増大したのは、雇用や所得保障政策が充実してきた一方で、都市化や核家族化などの変化による。
C 社会福祉法において、第二種社会福祉事業である児童、老人、障害者の居宅介護サービスの経営主体は、国・地方公共団体および社会福祉法人に限定されている。
D 社会資源とは、社会福祉法に示される第一種・第二種社会福祉事業だけでなく、家族や友人、ボランティアなども含む概念である。  《組み合わせ》
  A  B  C  D
1 ○  ○  ×  ○
2 ×  ○  ○  ×
3 ○  ×  ×  ○
4 ×  ○  ×  ○
5 ○  ×  ○  ○


問題19 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A QOL(quality of life)とは、生活者の満足感・安定感・幸福感を規定する主観的要因や生活者の意識構造、生活環境などを表す用語である。
B 利用者とは個人・家族・組織集団の構成員・地域住民等の当事者を意味し、個別援助技術、集団援助技術、地域援助技術等の対象となる。
C エンパワメントとは、諦めや無力状態(パワーレス)に陥った人々が、自分の無力さや現実を直視して、自らの問題の解決は専門職に全て任せていけるよう、そのサービスを活用する能力のみを強めていこうとする援助である。
D 1929(昭和4)年に、救護法が制定され、同じ年に実施された。 《組み合わせ》
  A  B  C  D
1 ×  ×  ○  ○
2 ○  ○  ×  ○
3 ○  ○  ×  ×
4 ×  ○  ×  ○
5 ○  ○  ○  ×

問題20 次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
日本の社会福祉のあり方について考えるうえで、日本国憲法に定められた< A >保障の思想は、最も基本的な拠りどころである。憲法<  B  >第1項では、「すべて<   C   >で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定している。
《組み合わせ》
 A        B     C
1 生存権     第25条  国民は健康
2 財産権     第9条   国民は幸福
3 プライバシー権 第13条  国民は富裕
4 労働三権    第17条  国民は劣悪
5 日照権     第62条  国民は多忙



============================
<解答>

問題11 3
Bは貨幣・非貨幣ニーズが逆である
Cは第二種は限定されない


問題19 答え3

問題20 答え1
Aから生存権  第25条   国民は健康

<ポイント>
*第一種社会福祉事業
 強い規制と監督の必要性の高い社会福祉事業で,社会福祉法2条2項に規定される。@生活保護法に規定する救護施設,更生施設その他生計困難者を無料または低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的する施設を経営する事業,生計困難者に対して助葬を行う事業,A児童福祉法に規定する乳児院,母子生活支援施設,児童養護施設,知的障害児施設,知的障害児通園施設,盲ろうあ児施設,肢体不自由児施設,重症心身障害児施設,情緒障害児短期治療施設,児童自立支援施設を経営する事業,B老人福祉法に規定する養護老人ホーム,特別養護老人ホーム,軽費老人ホームを経営する事業,C身体障害者福祉法に規定する身体障害者更生施設,身体障害者療護施設,身体障害者福祉ホーム,身体障害者授産施設を経営する事業,D知的障害者福祉法に規定する知的障害者更生施設,知的障害者授産施設,知的障害者福祉ホーム,知的障害者通勤寮を経営する事業,E売春防止法に規定する婦人保護施設を経営する事業,F授産施設を経営する事業および生計困難者に対して無利子または低利で資金を融通する事業。国,地方公共団体,または社会福祉法人が経営することを原則とする。

*第二種社会福祉事業
 第一種社会福祉事業ほどは強い規制や監督を要しない事業で,社会福祉法2条3項に規定されるもの。

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2009/04/09(木) 地域福祉論・練習問題&ポイント
*地域福祉論・練習問題

問題28 地域福祉権利擁護事業に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 判断能力の程度にかかわらず,高齢者及び障害者であればだれでも利用できる。
B 実施主体は,基幹的市町村社会福祉協議会であるが,都道府県社会福祉協議会の監督のもとに事業を行う。
C 具体的な援助の提供は,専門員の指示を受けた生活支援員が行う。
D 現に,社会福祉施設に人所している者に対しては援助を行わない。 
 (組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ×  ○  ○  ○
2 ×  ○  ×  ○
3 ×  ×  ○  ×
4 ○  ×  ○  ×
5 ○  ○  ○  ×  


問題29 次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 地域福祉権利擁護事業は、福祉サービス利用援助事業、当該事業に従事する者の資質向上のための事業、当該事業に関する普及・啓発などを行う事業をいう。
B 地域福祉権利擁護事業による契約締結審査会は、都道府県に設置される。
C 地域福祉権利擁護事業による福祉サービス利用援助事業には、福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助が含まれる。
D 福祉サービス利用援助事業は、社会福祉法において第二種社会福祉事業に位置づけられる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○



===========================
<解答>

問題28 正答3
A × 地域福祉権利擁護事業の利用者は、判断能力が十分でない者である。高齢者及び障害者であればだれでも利用できる、というのは誤り。
B × 同事業の実施主体は都道府県社会福祉協議会である。
C ○ 同事業の具体的な援助の提供は,専門員の指示を受けた生活支援員が行う。
D × 同事業は、現に,社会福祉施設に人所している者に対しても援助を行う。

問題29 正答2
A ○ 地域福祉権利擁護事業とは、福祉サービス利用援助事業、当該事業に従事する者の資質向上のための事業、当該事業に関する普及・啓発などを行う事業をいう。
B × 正しくは、「(同事業による)契約締結審査会は都道府県社会福協議会に設置される」である。 (同上テキスト P224参照のこと)
C ○ 同事業による福祉サービス利用援助事業には、福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助が含まれる。
D ○ 福祉サービス利用援助事業は、社会福祉法において第二種社会福祉事業に位置づけられる。(社会福祉法第2条12項を参照)

<ポイント>
*権利擁護
 アドボカシー。近時,一人暮らし,寝たきり,認知症の高齢者が増加し,また障害者が地域において自立した生活を志向するなかで,高齢者・障害者に対する財産侵害,不公正な取引,経済的な搾取,高齢・障害を理由とする差別,身体的・精神的・性的虐待など権利侵害の事例が多く見受けられるようになっている。また,児童虐待やドメスティック・バイオレンスが頻繁に起きていることに関しても社会の関心は高まっている。そこで最近は,現実に生じている,高齢者・障害者・児童・女性に対する権利侵害の実態を明らかにしつつ,社会保障の権利ばかりでなく,財産権,身体的自由,精神的自由などの市民権利をも含む諸権利の擁護の問題について検討し,権利擁護のシステムを構築することが課題となっている。
 社会福祉における近時の論説のなかで,「権利擁護」という用語が使われるのも,じつは,市民としての当たり前の権利が守られていないという現状認識があるからである。市民であれば当然守られるべき法的利益さえ侵害されている当事者の立場を擁護し,侵害されるおそれのある当事者の生活を支える手立てを講じようとするのが,「権利擁護」である。
 2000年4月に実施された介護保険制度は,介護サービスの提供を措置制度から,事業者と当事者の間の直接的な契約を軸とするものへと転換させた。また,2000年6月に成立した「社会福祉基礎構造改革」関連立法もまた,措置から利用契約へと当事者の関係を変化させる。
 これらの改革は,関連立法の提案理由にもあるように,たしかに「個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れるよう,@個人の選択を尊重した制度の確立,A質の高い福祉サービスの拡充,B個人の自立した生活を総合的に支援するための地域福祉の充実を図るための改正」であり,それ自体,自己決定,選択の自由といった権利を確保する方向性をもつものではある。しかし,他方で当事者に契約締結能力が不十分な場合に生ずる多くの問題,契約の実行過程で生ずるさまざまなトラブルの処理,サービス提供が民間事業者によって行われることに伴う質の低下の問題など,構造改革は必然的に新しい課題を次から次へと生み出すこととなった。
 最近実施されている権利擁護のメニューのうち,成年後見制度と地域福祉権利擁護事業は,契約締結能力が不十分な人に対応する方法であり,苦情解決システムは,サービス契約上のトラブルに対応する方法の一つである。さらに,サービス評価(特に第三者評価)と事業者情報の開示は,サービスの質を向上させるとともに,利用者の選択の自由を確保するための方法である。


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2009/04/08(水) 現代社会と福祉・練習問題・ポイント
*練習問題

問題5 次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 現在の社会福祉サービス供給主体は、多元化の傾向がみられる。
B 社会保障制度審議会は、社会保障を「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民に健やかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」と定義している(1993年)。
C 世界的に、「社会保障」という言葉の意味するところ、つまり社会保障の定義、制度の範囲・内容・対象者、その給付水準は、全ての国家や地域において共通である。
D 日本国憲法第25条第1項は「すべての人間は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定している。
《組み合わせ》
  A  B  C  D
1 ×  ×  ×  ○
2 ○  ○  ×  ×
3 ○  ×  ○  ×
4 ×  ○  ×  ×
5 ×  ○  ○  ×


問題6 次の記述は、社会福祉法(第3条)に規定された福祉サービスの基本的理念であるが、空欄A、B,C,に該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 福祉サービスは、個人の< A >の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ< B >した日常生活を営むことができるように< C >するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。」
<組み合わせ>
  A     B     C
1 権威   自立   指導
2 尊厳   堕落   指導
3 威厳   依存   支援
4 尊厳   自立   支援
5 権威    自律   指示

問題7 次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 日本における社会保障の範囲について、従来、機能別に、所得保障、社会福祉、医療保障、公衆衛生の4部門とするのが通説であった(労働保障を除いた場合)。
2 「世界人権宣言」(1948年国際連合第3回総会にて採択)では、「すべて人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等である」と提唱された。
3 「児童の権利に関するジュネーブ宣言」(採択1924年、国際連盟総会)において、「児童は、身体的ならびに精神的の両面における正常な発達に必要な諸手段を与えられなければならない。」等が提唱された。
4 「スティグマ」とは、主体的な生活を諦めた無力状態に陥った人々が、再び本来持っている力を取り戻し、自らの問題解決の能力を強めていこうとする援助・視点である。
5 「ウェルビーイング」とは、人間としての良好な状態が続いていることを指し、人権の尊重と自己実現として解説されている。



============================
<解答>

問題5 答え 2
AとBが正しい
C、社会保障の給付水準など共通しない。
D 正しくは「すべての国民は」

問題6 答え 4
Aは尊厳、Bは自立、Cは支援が、該当する。

問題7 答え4
 正しくはエンパワメント

<ポイント>
*世界人権宣言
 1948年12月10日国際連合総会で成立した宣言で,前文と30条にわたって,個人の基本的自由,労働権,経済的・社会的・文化的権利,生存権等が規定されている。条約でなく法的拘束力をもたないが,人権保障の国際標準を示すとともに国際化に大きな意義をもった。

*国際人権規約A規約
 国際連合は,人権保障の実現を図るため,法的拘束力をもつ条約として,1966年12月の総会で国際人権規約を採択した。それはA規約とB規約の二つの条約からなり,参加国数の関係で1976年に発効した。日本は1979年6月に両条約を批准して加盟した(昭和54年条約6号・7号)。A規約は,福祉に関連した社会権を内容とする「経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約」で「社会権規約」ともよばれる。このA規約は,加盟国の実現に向けての努力を規定するものでプログラム規定の性格が強くなっている。そのため,実施状況を監視する「規約人権委員会」の設置,政府報告書の提出義務づけなど,条約の実効性確保の配慮がなされている。さらに,国連はA規約をより発展させ実効性を高めるため「障害者権利宣言」「障害者に関する世界行動計画」「高齢者国際行動計画」「児童の権利に関する条約」などの国際的な取組みを行っている。


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2009/04/07(火) 現代社会と福祉・練習問題&ポイント
練習問題(解答は画面下方に表示されます)

問題1 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A フォーマルなセクターとして、家族成員、親戚、友人、同僚、近隣住民、ボランティア、当事者組織、相互扶助団体等が挙げられる。
B インフォーマルなセクターは、柔軟な対応が可能であるが、反面、専門性は低く、感情・関係性により提供されるサービス内容等が異なるときもある。
C 精神保健福祉士は、1997年の「精神保健福祉士法」に基づく,精神科ソーシャルワーカー(PSW)の国家資格である。
D 第一種社会福祉事業である児童、老人、障害者の居宅介護サービスの経営主体は、国・地方公共団体および社会福祉法人に限定されている。
《組み合わせ》
  A  B  C  D
1 ○  ×  ○  ×
2 ×  ○  ×  ○
3 ○  ○  ×  ○
4 ×  ×  ×  ○
5 ×  ○  ○  ×


問題2 社会資源に関する次の文章の空欄 A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
 社会資源とはソーシャル・< A >を充足するために
< B >される施設・設備、< C >、集団や個人の有する知識や技能を総称していう。
《組み合わせ》
  A           B    C
1 ニーズ         動員   資金や物資
2 アクション       浪費   食糧
3 ファンクション     追跡   燃料
4 アドミニストレーション 尾行   感動
5 インクルージョン    解体   情熱


問題3 次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 「パーソナリティ」とは、個人間の差異を説明する概念であり,一貫性と統合性をもつ科学的に観察可能な行動特性をいう。
2 クオリティ・オブ・ライフ(QOL)は,「生活の質」「生命の質」「生の質」などと訳されている。
3 「スティグマ」とは、もとはギリシャ語で,忌避や排除の対象者としての奴隷や犯罪者の身体に刻み込まれた烙印を意味する。
4 スウェーデンのニーリエは、ノーマライゼーションをすべての知的障害者の「日常生活の様式や条件を社会の普通の環境や生活方法にできるだけ近づけること」と定義している。
5 福祉六法とは社会福祉に関する法律(6つ)である、「生活保護法」・「児童福祉法」・「母子及び寡婦福祉法」・「身体障害者福祉法」・「知的障害者福祉法」・「老人福祉法」「介護保険法」「社会福祉法」の総称である。



===========================
<解答>

問題1 答え 5
B、Cが正しい。
正しくは、Aはインフォーマルセクター
Dは第二種社会福祉事業であるから、経営主体の制限は無い(同法では)

問題2 答え 1
Aから、ニーズ、 動員 、資金や物資

問題3 答え 5
「介護保険法」「社会福祉法」は誤り

<ポイント>
*福祉六法
 (現)生活保護法(1950年),児童福祉法(1947年),身体障害者福祉法(1949年),精神薄弱者福祉法(1960年。99年から知的障害者福祉法),老人福祉法(1963年),母子福祉法(1964年。81年から母子及び寡婦福祉法)の六つの法律を総称して「福祉六法」という。特に戦後の混乱期に緊急性のある問題として昭和20年代に立法化された旧生活保護法(1946年),児童福祉法,身体障害者福祉法の三つの法律を「福祉三法」といい,その時期は「三法時代」といわれている。今日では社会福祉関係の法律は六法のほかにも多数存在しているが,歴史的・社会的変化に対応して立法化され,社会福祉関係法のなかで基本的なユニットを構成していることから,通称「福祉六法」とか「社会福祉六法」とよばれている。


<こちらも学習にご活用下さい。>
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<受験支援セミナー 編集者HP>
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2009/04/06(月) 地域福祉論・練習問題&ポイント
*地域福祉論・練習問題
(解答は画面下方に表示されます。ご注意ください。)
問題26 次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。
 地域福祉(  A  )事業とは、@福祉サービス利用援助事業−認知症高齢者,精神障害者,知的障害者などの(  B  )が不十分な者に対して,福祉サービスに関する情報提供,助言,手続き・サービス利用料の支払い等,福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を( C )により有料で提供,A同事業従事者の資質向上のための事業,B同事業の普及・啓発がその内容である。
   A     B    C
1 人権尊重  行為能力  措置
2 権利擁護  思考能力  審判
3 権利擁護  判断能力  契約
4 人権尊重  判断能力  措置
5 相談援助  行為能力  契約


問題27 地域福祉権利擁護事業に関する次の文章の、空欄A、B、C、D、Eに該当する語句の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。
 1999年10月より厚生省(現厚生労働省)が(  A  )事業として創設し、その後,社会福祉法上の「福祉サービス(  B  )事業」として位置づけられた。事業の対象者は,判断能力が(  C  )者であり,認知症の高齢者や、知的・精神障害者などである。実施主体は(   D   )社会福祉協議会である。2002年(平成14)年6月の通知改正により,(  E  )に限定されず,社会福祉施設入所者等も当該事業の対象となった。
   A      B    C   D     E
1 地方自治体  利用援助  無い  全国  生活保護受給者
2 国庫補助   利用促進  欠けていない 市町村  年金受給者
3 国庫補助   利用援助  十分でない  都道府県 居宅生活者
4 国庫負担   情報提供  無い     全国   認知症高齢者
5 国庫負担   利用推奨  秀でた   市町村  低所得者



============================
<解答>

問題26 正答3
 地域福祉(A 権利擁護)事業とは、@福祉サービス利用援助事業−認知症高齢者,精神障害者,知的障害者などの(B 判断能力)が不十分な者に対して,福祉サービスに関する情報提供,助言,手続き・サービス利用料の支払い等,福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を(C 契約)により有料で提供,A同事業従事者の資質向上のための事業,B同事業の普及・啓発がその内容である。

問題27 正答3
 1999年10月より厚生省(現厚生労働省)が(A 国庫補助)事業として創設し、その後,社会福祉法上の「福祉サービス(B 利用援助)事業」として位置づけられた。事業の対象者は,判断能力が(C 十分でない)者であり,認知症の高齢者や、知的・精神障害者などである。実施主体は(D 都道府県)社会福祉協議会である。2002年(平成14)年6月の通知改正により,(E 居宅生活者)に限定されず,社会福祉施設入所者等も当該事業の対象となった。

<ポイント>
*地域福祉権利擁護事業
 認知症高齢者,知的障害者などの判断能力が不十分な者に対する福祉サービスの利用援助事業。援助の典型例には,福祉サービスの申込み手続への同行,代行,契約締結の代理あるいは利用料の支払い,預貯金通帳の保管などがある。実施責任の主体は,権利擁護センターとしての都道府県社会福祉協議会である。その統括のもとに広域市町村の基幹的社会福祉協議会が,利用者と契約を締結して生活支援員を派遣する。1999年10月から国の補助事業として開始され,2000年の社会福祉事業法の改正による社会福祉法で,福祉サービス利用援助事業(2条3項12号)として法的に基礎づけられた。

*権利擁護センター
 高齢者,知的障害者,精神障害者の権利擁護のために,都道府県の基幹となる社会福祉協議会を中心に設置されたセンター。これらの人たちは判断力が不十分な場合があるため他人から騙されるなどして財産権を侵害されやすく,また,施設や病院,その他の生活環境のなかで虐待などの権利侵害を受けることもまれではないので,適切な財産管理や権利擁護のためにセンターの相談員が相談にのり,必要に応じて弁護士等の専門相談も行っている。

*生活支援員
 地域福祉権利擁護事業を利用する人の日常的金銭管理やサービス利用などの具体的援助を行う者。市区町村社会福祉協議会に配置されている専門員の指示を受け,契約成立後に,支援計画に基づいて具体的な援助を行う。また,専門員が行う実態把握等の補助的業務も担うことになっている。


<こちらも学習にご活用下さい。>
*ソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集1
(社会福祉士・精神保健福祉士 受験支援セミナー・MGU 2008 第3回実施分)
 http://docs.google.com/View?docID=dcxvhmvj_4gnnzpghj&revision=_latest

■公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/
■社会福祉の歴史 web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1226020506/

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<受験支援セミナー 編集者HP>
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2009/04/05(日) 現代社会と福祉(旧社会福祉原論)練習問題
*社会福祉原論・模擬問題

問題3 戦前の厚生事業に関する以下の記述を読み、正しいものに○、誤ったものに×を記した場合、組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A (戦時)厚生事業とは、時期的には日中戦争から終戦にいたる時期に展開され、社会事業は自由主義的思想に基づくものとされ、名称も「厚生事業」に変更された。
B 1938年に出された社会事業法は、民間社会事業の困窮を救うために免税や補助支出を行う一方、民間社会事業の近代化を図るために、対象となる社会事業を制限列挙し、その助成・監督を図るものであった。
C 国家総動員法の制定のもと、人的資源の確保、健民健兵政策という観点から母子保護法や軍事扶助法の整備が行われた。
D 厚生事業論の主唱者としては山口正、小河滋次郎がいる。
 (組み合わせ)
   A B C D
 1 ○ ○ × ○
 2 ○ × × ×
 3 × ○ ○ ○
 4 ○ ○ ○ ×
 5 × × ○ ○


問題4 次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 国際連合が採択し,我が国も承認している「難民の地位に関する条約」では,難民に対しても,社会保障に関し,自国民に与える待遇と同一の待遇を与えることになっている。
B 我が国に介護保険制度が導入されることに伴い,日本とドイツの間で,年金保険と介護保険に関する協定が取り結ばれることになった。
C 多くの先進工業諾国が加盟しているOECD(経済開発協力機構)では,社会保障担当大臣会議を開き,社会保障に関連した間題を幅広く議論している。
D フランスでは,伝統的に児童及び家族の福祉が重視され,事業主の費用負担による家族手当を支給している。
(組み合わせ)
  A B  C  D
1 × ○  ○  ×
2 × ○  ×  ×
3 ○ ○  ○  ×
4 × ×  ○  ○
5 ○ ×  ○  ○




========================
<解答>

問題3 解答 4
A  正しい 前掲「社会福祉原論」P38
B  正しい 前掲「社会福祉原論」P87、P88
C  正しい 前掲「社会福祉原論」P38
D  誤り 「社会福祉原論」では厚生事業論の代表として、山口正と竹中勝男を上げている。しかし、小河滋次郎 (1862-1925) は異なる。小河は、監獄学・感化教育の権威となり、官僚としてその実践を担った後、1918年に大阪府知事の林市蔵のもとで,方面委員制度の創設に尽力し、以後,方面委員の指導と実践理論の確立に献身した。また、日本生命済生会常任理事も勤めた。主著は『社会問題・救恤十訓』1912 、『社会事業と方面委員制度』1924である。

問題4 正答5 
A 正しい。国連の「難民の地位に関する条約」は,1950年12月に国運総会決議として抹択され,我が国は1981年にこれを批准した。この条約では,難民を自国民と同様に扱うように規定しているため,社会保障もこの批准に併せて年金等の改革を実施している。
B 誤り。国際的な人口移動が拡大する中で,無年金問題や国際間の年金の二重加入問題等を解消するために,我が国ではいくつかの先進諾国と社会保障に関する協定を結んでいる。1998年に日本とドイツは年金保険に関する二国間協定を締結した。ただし,介護保険については特に協定は行っていない。
C 正しい。OECD(経済開発協力機構)は社会保障担当大臣会議を開催している。
D 正しい。フランスでは,伝統的に児童及び家族の福祉を重視した社会保障を実施しており,2人以上の子どもを扶養するすべての家族に対しては事業主負担による家族手当を支給している。

<昨日の続き:社会福祉原論 要点の整理>

■用語解説:サービス供給の多元化
 わが国の福祉サービスの供給には,公私のさまざまな機関が関わっており,それぞれの機関が独自の役割を担ってきたことで,現在の社会福祉システムが形成されてきた。戦前では民間社会事業が大きな役割を果たしてきたが,戦後,日本国憲法において国の責任が位置づけられ,行政による社会福祉事業の実施が法律によって規定されることになった。以後,わが国の福祉サービス供給は,国,都道府県,市町村,社会福祉法人などの公的機関,準公的機関によって担われるようになった。1980年代前後からベビーホテルや老人ホームなど特定分野で民間企業によるサービスが提供され,また,福祉公社などの第三セクター方式の新たな組織もサービスを提供している。近年では,当事者組織やボランティア団体の活動も活発化している。また在宅福祉サービスの展開において,新たなかたちでの供給主体の参加,つまり,住民参加型福祉サービスや,生活協同組合,農業協同組合などの福祉サービス事業,福祉公社の設立やNPOとよばれる民間非営利部門の展開,インフォーマル部門への積極的評価は,福祉多元主義の流れにそったものといえるが,公的責任や営利事業者の不祥事等,課題も存在している。


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2009/04/04(土) 社会福祉原論(旧科目名)・練習問題
*社会福祉原論の模擬問題です。

問題1 次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 「世界人権宣言」(1948年12月国連総会採択)には,すべて人は「社会保障を受ける権利」と「自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的、文化的権利の実現に対する権利」を有することがうたわれている。
B ポーランドや旧東ドイツなどの東欧の社会主義国を中心としてノーマライゼーションの理念が生まれた。
C 日本で社会保障という言葉が初めて法律に使われたのは救護法においてである。
D 「児童の権利に関する条約」(1989年11月国連総会採択)には,児童に関するすべての措置をとるに当たって「児童の最善の利益」を考慮すべきことが規定されている。
 (組み合わせ)
1 AB
2 AC
3 AD   
4 BC
5 BD


問題2 社会福祉に関する研究者とその理論的特徴についての次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 岡村重夫は、 社会関係の客体的側面だけに着目する一般的な政策だけでは不充分であって、社会関係の主体的側面を問題とする個別化援助の方策がなくてはならない。
2 仲村優一は、生活保護とケースワークの関連を論じて、生活保護と公的扶助は、本来目的を異にしており、したがって分離すべきものであると主張した。
3 一番ケ瀬康子など運動論と呼ばれている研究潮流が時代の流れに乗り大きな影響  力を行使したのは、1990年代である。
4 三浦文夫は、社会事業の対象を、社会政策と対比して、資本主義経済から脱落した「経済秩序外的存在」=被救恤的窮民であるとした。
5 産業化・近代化の進展に伴って社会体制とは係わりなく福祉国家化が進む、と説いたのは、大河内一男である。



========================
<解答>

問題1 解答3
Aは正しい。 
『新版 社会福祉士養成講座@ 社会福祉原論 第2版』 中央法規出版 P23
Bは誤り。正しくは「スウェーデンやデンマークなどの北欧諸国」
前掲「社会福祉原論」P28
Cは誤り。正しくは「日本国憲法第25条」
Dは正しい。
前掲「社会福祉原論」P25


問題2 解答 1
1 正しい。
『新版 社会福祉士養成講座@社会福祉原論 第2版』 中央法規出版 P17
2 誤り。戦後社会福祉本質論争の一環として、公的扶助とケースワークの位置づけをめぐって論争が行われたが、仲村優一はその当事者の一人である。現行生活保護法の第1条に生活保護法の目的として、最低生活保障と自立助長が並存しているが、この論点をめぐって、岸勇と仲村優一との間に論争が行われた。これを「岸・仲村論争」(1956〜63)といっている。仲村優一は公的扶助とケースワーク論は両立することが出来るが、その際には最大限、対象者の「自己決定の原理」が尊重されなければならない、とした。問題文の説明は岸勇の立場を説明している。(『現代社会福祉辞典』2003年、有斐閣p72)
3 誤り。運動論が国民に支持され影響力を広げていったのは高度経済成長時代といえよう。(前掲『社会福祉原論』p16)この時代は経済成長とともに環境問題、公害問題、労働問題を背景として、住民運動なども強力に展開され、それらの運動をバネに、地方自治体レベルでは革新自治体が広く誕生した。
4 誤り。社会事業を社会事業と対比することで、その本質を規定しようとしたのは、大河内一男である。彼は社会政策の対象を労働問題=社会問題とし、そのような問題を具体的に体現しているものが現役の労働者とみなした。これに対し社会事業の対象は資本主義経済から脱落した=「経済秩序外的存在」(被救恤的窮民)であるとした。
前掲『社会福祉原論』P16、P60
5 誤り。いわゆる「福祉国家収斂説」のことを言っているが、この説を唱えたものはウイレンスキーである。

<こちらも学習にご活用下さい。>
*ソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集1
(社会福祉士・精神保健福祉士 受験支援セミナー・MGU 2008 第3回実施分)
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2009/04/03(金) 相談援助の基盤と専門職・ソーシャルワーク史
■社会福祉の歴史 欧米における社会福祉の史的展開 2
*イギリスの内乱を経る(清教徒革命等)。
*産業革命:1733 「飛びひ」発明(紡績機械の発達の始め)。1765 ワット蒸気機関発明。

2 院外救済への途
*1782 ギルバート法制定
有能貧民の雇用斡旋や院外救済の実施。労役場は労働能力のない貧民の収容施設に。
1795 スピーナムランド制度
労働貧民の賃金補助制度である。食糧価格が上昇し、労働者の実質賃金が下がったとき、扶養家族数に応じて不足分を給付した。農業労働者の低賃金が問題とされ内乱の危険があり,賃金補助制度が行われた。1834年まで続く。

1798 マルサス『人口の原理』
 Malthus, T. R., 『An Essay on the Principle of Population』。人口は幾何級数的に増加するが食糧は算術級数的にしか増加できないので,積極的抑制(死亡率上昇)を回避して人口と食糧のバランスを保つには,予防的抑制(禁欲と晩婚による出生率抑制)を行うべきだと主張した。

*1834 イギリス「新(改正)救貧法」成立
(新)「救貧法体制」は、貧民への劣等処遇の原則、労役場(ワークハウス)への収容(院内処遇)、救済水準の統一が原則であった。国家としての貧民対策は、治安維持的な救貧事業に留まっていた。
■劣等処遇の原則
 救貧法による救済対象となる貧困者の生活は,労働して自活する最下層の労働者の生活よりも低いものでなければならないとする原則。1834年新救貧法の基本原則の一つとして示された。基底にあるのは,劣悪な処遇を与えることによって,救済を受けることを自発的に躊躇させ,救済を受ける貧困者の数を制限すると同時に,救貧事業に要する費用を節約しようとする意図があったといわれている。

*このような背景から、民間慈善団体の発展がはじまった。しかし、貧困の原因とは道徳的欠落をもつ者の自己責任であるみなす考えが当時の社会では主流であり,多くの慈善団体が同様に、道徳的に向上させることが貧困からの脱却につながると考えており、また慈善活動が乱立する傾向もあって、救済の重複と救済漏れの問題が生じた。
*19世紀末、産業革命後のイギリス社会は,貧富の格差が拡大し、都市への貧民の流入と貧困地区の出現、失業と貧困、劣悪な労働環境と病気など、資本主義社会がもたらした社会問題が山積していた。

3 都市社会事業の発展
■「隣友運動」チャルマーズ Chalmars, Thomas
・スコットランドの長老教会の牧師、神学者、経済学者
◎チャルマーズは1820年代にグラスゴー市において、教区を区分けして「隣友運動」=貧困家庭への友愛訪問(貧困者の友人として)や、社会資源の活用を含めた組織的な援助など相互扶助や自助を重視する慈善活動を実験的に始めた。民間の活動を重視する救済方法であり,その後,慈善組織協会(COS)の活動に継承された。

*1844年、YMCA(Young Men's Christian Associationキリスト教青年会)が、ジョージ・ウイリアムズらによって、ロンドンで創立された。
@貧困な青年たちにクラブ・レクレーション活動を通じて生活技術と精神面の指導を図る
A人格的な交流を基礎とした社会教育活動
B健康で人間らしい生活の権利への意識を高める活動
なお、現在のYMCAは、青少年活動の支援などを行なうキリスト教の組織として、120以上の国で活動している。
*1855年、YWCA(Young Women's Christian Associationキリスト教女子青年会)が同じくイギリスで設立された。現在はキリスト教の女性団体の一つである。

*1869年、慈善組織協会(COS:Charity Organization Society)の結成
 前述のような「善意的」で、無計画に乱立した慈善活動を改善するため、慈善組織協会(COS)がロンドンに設立された。COSはC.ロックの指導のもと当初から、無差別施与と慈善活動の乱立の弊害を防止するため、救済の適正化(救済の重複を避けるため登録制度の実施)、慈善団体の連絡と調整、協力と組織化を目的とした。また、貧民への個別訪問指導活動「友愛訪問」も行なった。
 しかしCOSは、援助対象の貧民を「救済に値する貧民(好ましい人物)」と「救済に値しない貧民(好ましくない人物)」に選別・分類し(選別主義の採用),前者のみを慈善事業の対象とした。そして“貧困の原因は個人の道徳的退廃にある”といった活動理念から、物質的な援助よりも道徳的な改良によって生活改善を与えること、立ち直らせることを目指した。
*1882年のロンドンCOS年報にて「ケースワーク」という言葉がはじめて使用された。

*1877年、COS、アメリカ・バッファローに移入
 移入後、急速に米国各地に拡大したCOSの主な機能は,@救済申請者の綿密な調査,A救済の重複を避けるための登録制度の実施,Bさまざまな救済機関の連絡調整,C「友愛訪問」と呼ばれるボランティアの活用であった。「施しではなく友人として」をモットーとしたCOSの友愛訪問等の活動はケースワークの確立に繋がった。また友愛訪問で動員されるボランティアによってケース会議がもたれたのは,今日のケースカンファレンスの原型といえる。またCOSはコミュニティワークにおいても、連絡・調整を目的とする地域組織化の原型となり、ほか社会福祉調査など、ソーシャルワークの形成に大きな影響を及ぼした。

■解説:社会改良  social reform
 社会問題や社会の矛盾を解決するために,革命という急進的な手段で社会体制を変えるのではなく,欠陥を是正し,修正するなどの漸進的な方法で社会を改善しようとすること。19世紀末から20世紀初頭にかけてのソーシャル・セツルメント運動などが代表であり,教育・宣伝的方法,議会活動などを通して,社会政策や社会福祉政策などに影響を与えることを目的としている。

2009/04/02(木) 相談援助の基盤と専門職・ソーシャルワーク史・ポイント
*模擬試験、本試験でも、必ず歴史から出題されます。少しづつ確認していきましょう。
*ソーシャルワーク形成・発展史<欧米編@>
■エリザベス救貧法 (1601年)
・都市における浮浪貧民の増加などにより、イギリスでは「物乞い」行為に関する禁止・許可制に関する救貧立法、また各地方の個別の救貧行政が行なわれていたが、手に余る教区・都市も出始めていた。そこで1601年、「エリザベス救貧法」として知られる救貧立法の集大成がなされた。この制度は17世紀を通じて救貧行政の基本となった。
◎エリザベス救貧法は当時の公的救済制度の基本法であり、教区を救貧行政の単位とし,治安判事の監督のもとで,貧民監督官が貧民の保護・監督の責任を負い,その費用としての救貧税の課税・徴収を行った。
 労働能力のない貧民(無能貧民)には扶養が与えられ,労働能力のある貧民(有能貧民)には就労が強制され,これを拒否する場合は処罰された。両親に扶養義務を期待できない児童は徒弟にだされた。
・エリザベス救貧法の特徴は、国家単位での救貧行政という点にあり、以降、救貧行政は国家の管轄となって中央集権化を強めていった。また、救貧法は現代社会福祉制度の出発点との評価もあるが、法の目的は貧民救済ではなくあくまで治安維持にあった。したがって貧民の待遇は抑圧的(収容と強制労働が基本)であり続けた。
◎労役場が貧困者の収容施設として救貧法に位置づけられ、1722年のワークハウス・テスト法制定により,救貧法による救済は労役場への収容に限定されることとなった。
・労役場は、ときには健常者と病気を持つ者を分け隔てなく収容し、院内での感染もおこった。こうした待遇から脱走や労働拒否を試みる貧民はあとを絶たず、一定の社会的安定をもたらす効果はあったものの、貧困問題の根治には至らなかった。

<救貧法体制>
枢密院(Privy Council、中央行政機関)
┗治安判事(justice of the peace、地方行政を司る。無給の名誉職)
┗貧民監督官(overseers of the poor、2-4名。無給の名誉職で救貧の実務官)
監督官は救貧税を徴収し、税は以下の救貧行政の費用に割り振られた。
・強制労働させる労役場の維持費
・労働不能貧民の救済費
・徒弟に出す「児童」の養育費

◎エルバーフェルト制度
 ドイツの貧民救済制度であり、1853年にエルバーフェルト市(現・ブッパータール市)の条例に基づいて実施され,その後ドイツ各地で実施されるようになった。ドイツの貧民救済制度としては,1788年にハンブルグ制度が実施されていたが,エルバーフェルト制度では,地域を細分して各地区に無給の名誉職としての救済担当者が配置され,この救済担当者が貧困家庭の訪問,調査,相談などケースワーク的手法を用いて援助を行うこととされた。

■産業革命後の貧困 テキストP82から
 19世紀末、産業革命後のイギリス社会は,貧富の格差が拡大し、都市への貧民の流入と貧困地区の出現、失業と貧困、劣悪な労働環境と病気など、資本主義社会がもたらした社会問題が山積していた。
 しかし、国家としての対策は「救貧法体制」のもと、(要保護)貧民への劣等処遇の原則、労役場(ワークハウス)への収容と強制労働、治安の維持などの救貧事業に留まっていた。このような背景から、民間慈善団体の発展がはじまっていた。しかし、貧困の原因とは道徳的欠落をもつ者の自己責任であるみなす考えが当時の社会では主流であり,多くの慈善団体が同様に、道徳的に向上させることが貧困からの脱却につながると考えており、また慈善活動が乱立する傾向もあって、救済の重複と救済漏れの問題が生じた。

◎慈善事業 charity
 生活困難にある人に対して,宗教的な動機から援助する救済事業のことである。中世キリスト教社会で広まった。わが国では古くから仏教思想に基づく援助がなされ,また明治時代以降では,キリスト教の信仰に基づく援助が行われた。近年では,宗教的動機を問わず,近代的人間愛に基づいた救済事業を総称した意味で用いられることが多い。

◎博愛事業philanthropy
 博愛とは,すべての人を平等に愛し,大切にすること。隣人愛やきょうだい愛などのキリスト教の思想を基礎にして,18世紀ヨーロッパで広がった社会思想。社会福祉の発展段階の一つとして捉えた場合,救貧法等による国家政策が十分に機能していない,あるいは制限的な対応をしている時期に,それを補完するものとして機能した。慈善段階よりは後に属し,それと融合しつつ民間社会事業の基礎を形成するのに貢献した。

■『相互扶助論』:ピョートル・アレクセイヴィチ・クロポトキン テキストP81欄外 参照
 クロポトキン(1842年 〜 1921年)は、ロシアの思想家、地理学者であった。彼がその生涯大半で主張したのは、個々人の自由意志で結びついた共同体(コミューン)が基盤となるヒエラルキーなき社会を目指す思想「無政府主義」であった。また『パンの略取』『相互扶助論』に代表される多くの著書、論文を残した。彼の思想は日本に於いて幸徳秋水や大杉栄などに大きな影響を及ぼした。社会福祉領域のセルフへルプの根底にある思想の源流として、クロポトキンの『相互扶助論』(1902)にあるとされている。


<こちらも学習にご活用下さい。>
*ソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集1
(社会福祉士・精神保健福祉士 受験支援セミナー・MGU 2008 第3回実施分)
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2009/04/01(水) 地域福祉論・練習問題
*地域福祉論 練習問題
 解答は下方に表示されます。ご注意ください。

問題23 社会福祉協議会に関する次の文章の、空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。
 社会福祉協議会とは、地域住民と公私の社会福祉機関・団体より構成された(  A  )である。根拠法は(  B  )にある。当初は各福祉施設や民生委員などの連絡調整業務が期待されていたが、1990(平成2)年の福祉関係8法改正に伴い、(  C  )サービスを展開する中心組織と位置づけられるようになった。
   A        B      C
1 財団法人    民生委員法   在宅福祉
2 民間組織    社会福祉法   在宅福祉
3 行政機関    社会福祉法   老人福祉
4 相談機関    民生委員法   施設福祉
5 第三セクター  生活保護法   老人福祉

問題24 次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。
 
 日本におけるコミュニティオーガニゼーションないしはコミュニティワークの技術は,社会福祉協議会活動の中で(  A  )活動として発展してきた。それは,(  B  )の主体的参加意欲と(  C  )能力を引き出し,関係者間の協働活動を促進することによって,具体的な問題の解決や地域社会の関係の改善をめざすものである。
    A       B      C
1 慈善組織    地域住民   現状打破
2 社会奉仕    小中学生   問題解決
3 生活共同組合  地球市民   問題分析
4 労働組合    小中学生   問題分析
5 地域組織化   地域住民   問題解決

問題25 社会福祉協議会に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 昭和26年の社会福祉事業法の制定により、市町村社会福祉協議会が規定された。
B 昭和58年の社会福祉事業法の一部改正により、全国及び都道府県社会福祉協議会が規定された。
C 平成2年のいわゆる社会福祉関係八法改正により、市町村社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業を企画し及び実施するよう努めなければならないとされた。
D 平成12年の社会福祉法の改正により、都道府県社会福祉協議会の事業の一つとして、「社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言」が規定された。
(組み合わせ)
 1AB   2AC   3AD   4BC   5CD



=============================
<解答>

<社会福祉協議会>
問題23 正答2
社会福祉協議会とは、地域住民と公私の社会福祉機関・団体より構成された(A 民間組織)である。根拠法は(B 社会福祉法)にある。当初は各福祉施設や民生委員などの連絡調整業務が期待されていたが、1990(平成2)年の福祉関係8法改正に伴い、(C 在宅福祉)サービスを展開する中心組織と位置づけられるようになった。

問題24 正答5
日本におけるコミュニティオーガニゼーションないしはコミュニティワークの技術は,社会福祉協議会活動の中で(A 地域組織化)活動として発展してきた。それは,(B 地域住民)の主体的参加意欲と(C 問題解決)能力を引き出し,関係者間の協働活動を促進することによって,具体的な問題の解決や地域社会の関係の改善をめざすものである。

問題25 正答5
A × 正しくは「昭和26年の社会福祉事業法の制定により、全国及び都道府県社会福祉協議会が規定された」
B × 正しくは「昭和58年の社会福祉事業法の一部改正により、市町村社会福祉協議会が規定された」
C ○ 平成2年のいわゆる社会福祉関係八法改正により、市町村社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業を企画し及び実施するよう努めなければならないとされた。
D ○ 平成12年の社会福祉法の改正により、都道府県社会福祉協議会の事業の一つとして、「社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言」が規定された。

*練習問題等は、関屋光泰が編集しています。


<こちらも学習にご活用下さい。>
*ソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集1
(社会福祉士・精神保健福祉士 受験支援セミナー・MGU 2008 第3回実施分)
 http://docs.google.com/View?docID=dcxvhmvj_4gnnzpghj&revision=_latest

■公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/
■社会福祉の歴史 web講座
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