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2009/03/09(月) ソーシャルワーク・社会福祉援助技術・web講座9
3章4節 ソーシャルワークの価値と倫理
4−1 自己の価値観と向き合う
<ポイント>
 ソーシャルワーク専門職が自己とは異なった価値観を持った利用者を理解し、受容するためには"自己覚知=自己の価値観と向き合い、自己を知ること"の過程が必要不可欠である。
 また、専門職としての価値、倫理を学び、尊重することも必要である。
<解説>
 社会福祉専門職が,専門職としての自分やその価値観について,明確に認識すること=自己覚知は重要である。
 第一に,利用者の価値観と援助者の価値観は区別しなければいけないからである。異なる価値観を持った利用者を批判、排除してはならない。
 第二に,稀に利用者の誤った価値観(反社会的、自傷他害の恐れ)を問題にしなければならない時もある。この時に援助者が明確な価値基準を堅持していなければ援助ができない。
 第三に,価値の葛藤が生じたときでも、何が優先されるべきか、価値基準を明白にしていれば混乱を避けることができるからである。
こうした価値観のなかで,行動の規範とすべき一連の価値を,倫理という。社会福祉専門職の倫理は,利用者との関係で行動を規制する価値として特に重要である。

◎自己覚知とは、援助者が,他者と自分をも含めた状況(援助関係やその時々に起こっている事柄)を的確に理解し,とらわれなく対象者に相対できるように,ありのままの自己に気づき受容することをさす。それは肯定的であれ否定的であれ自らの価値観,偏見,先入観,行動や反応パターン,パーソナリティなどのより深い自覚である。自己覚知を高める方法としては,スーパービジョンなどが代表的だが,つねに援助過程を振り返り吟味することも役にたつ。

◆補足:価値観の必要性
 ソーシャルワーカーの技能と知識は、価値観の基盤のうえに成り立っていることがわかる。自由や平等を重んじないワーカーは,利用者の劣悪な状況をみたとしてもそれを問題と感じることができない。逆に,利用者の人権の実現を大切にするソーシャルワーカーは,そのためにどのような手だてが必要かを学び,技術を身につけていくことができる。

◆補足:価値と倫理の課題
・非対称性
 対人援助の専門職と利用者の問には,力の不均衡を生じる。こうした非対称性は,援助関係に必ず含まれることであるが,社会福祉専門職の場合にと特徴的なことは,知識や技能による不均衡だけでなくサービス提供をめぐる権限が非対称性を増幅することである。

・社会性
 利用者が身をもって教えてくれる現実を,社会に伝え,社会制度の向上につなぐ。そして社会制度が改善されれば,その改善が末端の利用者の生活向上にどのように役立っているかを確かめる。社会福祉専門職が社会性を意識した活動を行うことは,課題の一つである。

・技能性
 介護保険制度や支援費制度は,これまでの公的サービスが中心であった社会福祉サービスを,営利団体を含む民問のサービスを供給体とするものに変えた。このような社会福祉の動向に合わせて,社会福祉士の開業も始まっている。社会福祉専門職の専門性がますます問われる時代となる。専門性を高めるための課題には技能を向上することが課題となる。技術と知識を身についた技能にする為に,学習・研修の強化が重要である。

■用語解説:価値観
 物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断。

4−2 ソーシャルワーカーの倫理綱領
<ポイント>
 現在のソーシャルワークで強調されるのは,基本的人権の尊重や人類普遍の原理である平和擁護,個人の尊厳と平等,社会正義、民主主義、自己決定、ノーマライゼーション等である。

・ソーシャルワークの基本的価値前提 
 @人間尊重:人間は,その人の能力や行動に関係なく人間であること自体で価値がある。
 A人間の社会性:人間はそれぞれ独自性をもった生きものであるが,その独自性を貫徹 
  するのに,他者に依存する存在である。
 B変化の可能性:人間は,変化,成長,向上する可能性をもっている。
ゾフィア・ブトゥリム:『ソーシャルワークとは何か一その本質と機能一』川島書店
<解説>
@ソーシャルワーカーの倫理綱領
◎専門職として内在化している価値を実際にクライエントとの関係において実現しようとするとき,さまざまな制約,配慮すべき点が起こってくるが,その際の行動の指針となるのが倫理である。社会福祉援助は,その職務の特性上,個人のプライバシーに属する事柄を取り扱わなければならないこと,援助過程が第三者からは見えにくいこと,クライエントは権利侵害を受けやすい立場にあること等から,ソーシャルワーカーには高い倫理性が求められる。これら専門職としての行動規範というべきものが職能団体において定められている倫理綱領であり,こうした倫理綱領を定めていることが専門職としての要件の一つでもある。

・ソーシャルワーカーの倫理綱領の存在理由には、すべてのソーシャルワーカーが自らの行動を律することによって、ソーシャルワーカー全体の専門職としての社会的地位や評価を保持することも含まれる。

<参考リンク>
『ソーシャルワーカーの倫理綱領』(日本ソーシャルワーカー協会)
http://www.jasw.jp/jaswtowa/jasw-rinri-050127.htm


<こちらも学習にご活用下さい。>
■公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/
■社会福祉の歴史 web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1226020506/

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