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2009/02/09(月) ソーシャルワーク論練習問題&ワンポイント
*ソーシャルワーク論・練習問題(旧科目名:社会福祉援助技術論)
 解答は下方に表示されます。ご注意ください。

問題3 次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 「エンパワメント」とは、主体的な生活を諦めた無力状態に陥った人々が、再び本来持っている力を取り戻し、自らの問題解決の能力を強めていこうとする援助・視点である。
2 「ストレングス視点」とは、人間としての良好な状態が続いていることを指し、人権の尊重と自己実現として解説されている。
3 生態学(エコロジー)を基軸にソーシャルワーク論を展開したものが「医学モデル」〈ジャーメイン、ギッターマンによる〉である。
4 「ライフ(生活)モデル」は、人々の成長と発達を最大限にし、人格・人間性を改善すれば良好な適合状態が確保されるという観点から、人間の不健全性だけに関心をもつ。
5 「医学モデル」においては、援助者は利用者の生活を指導するのではなく支援するのであり、利用者は受動的存在ではなく、能動的・応答的存在としてパートナーとしてみられる。


問題4 次の記述は、社会福祉法(第3条)に規定された福祉サービスの基本的理念であるが、空欄A、B,C,に該当する語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

 福祉サービスは、個人の<  A  >の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ<  B  >した日常生活を営むことができるように<  C  >するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。」

<組み合わせ>
  A     B     C
1 権威   自立   指導
2 尊厳   自律   指導
3 威厳   依存   支援
4 尊厳   自立   支援
5 権威   自律   指示


==============
<解答>

問題3 正答1 
正しいのは1である。
2 × これはウェルビーイングの説明である。
3 × これは「ライフ(生活)モデル」である。
4 × 正しくは、環境を改善すれば良好な適合状態が確保されるという観点から、人間の健全性にも関心をもつ。
5 × 正しくは、「ライフ(生活)モデルにおいては、」
テキストP24参照

問題4 正答4
Aは尊厳、Bは自立、Cは支援が7、該当する。


*ポイント解説
*エンパワーメント
 心理学など、さまざまな隣接分野でも用いられている。
 ソーシャルワークにおいて、一致した定義はいまだないが,おおむね,個人,家族,集団あるいはコミュニティが,その個人的,対人関係的,社会経済的および政治的な影響力(パワー)を強め,それによってその取り巻く環境の改善を実現させていくこと,あるいはそれらが実現された状態を意味している。パワーの脆弱化,無力化をディスエンパワーメント(disempowerment),パワーの欠如状態をパワーレスネス(powerlessness)とそれぞれよんでいる。
 ソーシャルワークにおいてこの概念を初めて取り上げたのは,ソロモン(Solomon, B.)の著書『黒人のエンパワーメント』(1976)であるといわれている。そこでは,アフリカ系アメリカ人がイギリス系アメリカ人に比較してパワーの欠如した状態にあること,それがスティグマによる否定的評価と社会的な抑圧によるものであり,その結果として,社会的役割を遂行するうえで有用な資源を活用できない状態に陥っているという図式が提示された。こうした状態にあるクライエントに対して,パワーの回復を図っていくソーシャルワークのプロセスに「エンパワーメント」という名称が与えられたのである。それ以降,1980年代から取り上げられるようになり,90年代に入ると,デュボアとマイリー(Dubois, B. & Miley, K.),グティエーレス(Gutierrez, L.),リー(Lee, J.)などによっておのおののソーシャルワーク理論の中核に位置づけられるようになる。さらに,人種・民族上の少数者にとどまらず,さまざまなマイノリティの人々,例えば,高齢者,障害者,同性愛者,貧困者層などに対するソーシャルワークの取組みにこの概念が適用されていくようになった。このように,エンパワーメントがソーシャルワークに浸透していった背景には,社会経済的な不公平にソーシャルワークが有効に対応できていないという批判と,その裏返しとしての伝統的な医学モデルからの脱却という課題の存在があった。エンパワーメント概念は,生態学的視点にそうことによって,医学モデルに代わる新たな視点を打ち立てるのに貢献したといえる。
 この概念に基づくソーシャルワーク実践は,すべての人間はどのような悪い状況にあってもそれを改善していける能力とパワーを有しているという基本的人間観にたち,クライエントとワーカーとのパートナーシップを通して,クライエント自身がエンパワーメントしていくことが目標になる。加えて,以下のような特徴があることが指摘されている。@制度や社会構造との関係において人はパワーが欠如した状態におかれ,その結果,社会資源をコントロールしたり,獲得することが困難になる,Aクライエント= ワーカー関係におけるパワーの不平等性はクライエントのエンパワーメントを阻害する恐れがあるために,両者がパワーを共有しあえる協働関係の樹立が望まれる,Bクライエントとそれを取り巻く環境の強さ(strength)が強調される,Cワーカーの介入は,ミクロからマクロにまたがるジェネリックなアプローチが基本とされる,Dパワーの欠如状態を発生せしめた原因は主にマクロ的なものであるという認識から,特に資源配置上の公平性確保といった政治的パワー回復が重視される,E問題解決の前提として,クライエントが変化に向けての責任をもつべきであるという視点にたつ。

<こちらも学習にご活用下さい。>
■社会福祉の歴史 web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1226020506/


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