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2009/02/24(火) ソーシャルワーク論 web講座5「ライフモデル」
1章3節 社会福祉援助活動の基本的枠組み
3−1 社会福祉援助活動の概念
<ポイント>
今日の社会福祉援助活動は、エコシステム接近方法(生態学的視座とシステム思考の統合)を取り入れたライフモデルの枠組みによって得られる。
<解説>
1 エコシステム接近方法
・エコシステム接近方法とは、何らかの問題を抱える個人を、様々な環境(自然環境、社会環境、人間環境)と別々のものとして捉えるのではなく、一体的なシステムとして捉える方法である。また、そうした捉え方に基づく支援のありかたを具体化したのがライフモデル(生活モデル)である。

◎エコシステムとは、あるエリアのすべての生物と,そこに存在するすべての物理的条件の間に発生する,物質の循環,エネルギーフロー,情報伝達といった相互作用を機能の観点から捉えたシステムである。マイヤー(Meyer, C. H.)は,ソーシャルワークに多大な影響を与えてきた生態学理論とシステム理論の統合を試みるなかで,このエコシステムの概念をソーシャルワーク実践の文脈に則してエコシステム視点として体系化した。 
 エコシステム視点では,クライエントのみならず,クライエントを取り巻く環境(家族,友人・知人,関係社会機関,地域など)からの影響、クライエントと環境との間にある相互関連性をも含めて包括的に理解することが求められる。

2 ライフモデル
 ライフモデル(生活モデル)は、人々の成長と発達を最大限にし、環境を改善すれば相互に良好な適合状態が確保されるという観点で、人間の持つ不健全性だけではなく、健全性にも関心をもつ。またライフモデルにおいて、援助者は利用者の生活を指導するのではなく支援するのであり、利用者は受動的存在ではなく、能動的・応答的存在として援助者のパートナーとしてみられる。

◎ライフ・モデルとは、1960年代以降アメリカで複雑で多様な生活問題への援助の要請が高まり,従来の個人のパーソナリティに治療の焦点をおいた伝統的なアプローチに対する批判が高まった。そのソーシャルワークの限界を打開するために,生態学や一般システム理論などの新たな理論的枠組を背景に登場したのがジャーメインらによって体系化されたライフ・モデル(生活モデル)である。このモデルでは,人,環境のどこに問題があるのかを問うのではなく,問題は生活空間における不適切な交互作用(transaction)にあると考え,人と環境の接触面(interface)に焦点をあてていく。ソーシャルワーカーの社会的目的は,人々の成長と発達を最大限にし,環境を改善する交互作用を生み出すように,人々の適応能力と環境の特性を結び合わせることとされる。そこでは,生活体の適応能力を高めると同時に環境を改善するという二つの実践の焦点があり,人も環境も等しく重要であって,この両者の互恵的適応関係のバランスがいかに獲得されるのかに最大の関心が払われる。したがって,ソーシャルワーカーが扱う対象は人と環境の「開かれた」連鎖的交互作用であり,「人と環境の適合性」である。


■用語解説:生態学(ecology)
 19世紀中葉にヘッケル(Haeckel, E. H.)が生物学の一分野として造語。ギリシャ語のoikos(家)に由来し,生物とその環境の相互作用を扱う科学=生態学を意味する。生物(人間を含む)は環境に影響を与え、環境は生物に影響を与える。 生態学研究の主要な関心は、生物個体の分布や数に、そしてこれらがいかに環境に影響されるかにある。ここでの「環境」とは、気候や地質など非生物的な環境と生物的環境を含んでいる。

■用語解説:システム論 general systems theory
・1968年,生物学者ベルタランフィ (Bertalanffy, L. v.) によって発表され,有機体の全体性を包括的に説明した理論として位置づけられている。具体的には,@有機体の各構成要素間の相互作用・相互制御に基づく全体性の存在,A開放システムによる外的諸条件との相互作用,B構成要素間あるいは外的条件との間で生じるフィードバック・メカニズムとシステム維持機能 (ホメオスタシス),といった三つの基本概念から有機体システムの特徴を説明している。生物学にとどまらず,物理学,心理学,あるいは社会科学で扱われるいかなるシステムにも適用できる一般的特性を示しており,多くの分野でシステム分析のために活用されている。社会福祉分野では,1980年代以降,「人と状況の全体性」を捉える理論的枠組として重要な役割を果たした。


<参考リンク>
「生態学」: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%85%8B%E5%AD%A6


<こちらも学習に活用して下さい。>
■公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/

■社会福祉の歴史 web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1226020506/


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