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2009/02/23(月) ソーシャルワーク論・Web講座4「ニーズとソーシャルワーク」
ソーシャルワーク論(社会福祉援助技術論)講座レジュメより
                    <関屋光泰 編集>
2−2 社会福祉サービスと社会福祉援助活動
1 福祉ニーズの多様化と社会福祉サービス
*福祉ニーズの定義と分類  P20 上段参照
・ニーズとは、必要もしくは要援護性と訳される。文脈によっては,ニード(need)と単数形が用いられる。ニーズ(ニード)の定義についてさまざまな見解があるが,三浦文夫による定義では、「何らかの基準に基づいて把握された状態が,社会的に改善・解決を必要とすると社会的に認められた場合に,その状態をニード(要援護状態)とすることができる」とされる。

*非貨幣的ニーズとは、貨幣で測定することが困難で,物品や人的サービス等の現物給付によって充足するのが適当とみなされるニーズである。多くの先進諸国と同様,わが国の社会福祉においても,経済成長と社会保障制度の確立の結果,貨幣的ニーズよりも非貨幣的ニーズへの対応に重点がおかれるようになっている。貨幣的ニーズとは、販売されていて代価を支払えば手に入るもの。三浦文夫が提唱した。

*ニーズに関する判断の主体や基準に着目して設定されたニーズの類型として,次のブラッドショー(Bradshaw, J.)による類型がよく知られている。
@規範的ニーズ(normative needs):専門家,行政官等が,「望ましい」基準との対比においてニーズがあると判断した場合。
A感得されたニーズ(felt needs):ニーズがあることを,本人が自覚している場合。
B表明されたニーズ(expressed needs):「感得されたニーズ」が,サービス利用の申請といった行動に転化した場合。
C比較ニーズ(comparative needs):サービスを利用している人と同じ特性をもちながらサービスを利用していない人がいる場合。個人レベルのほか,地域レベルで比較を行う場合がある。

*人々は所得の高低、疾病の有無、障害の有無、さらには老若男女を問わず、「人間のもつ基本的欲求は変わらない=Common Human Needs」ことを示したのはC.トール(C.Towle)である。

*全人的視点を基盤に、岡村重夫は人々が社会生活を営む上での基本的要求を、以下の七つに整理した。
@経済的安定の要求、
A職業的安定の要求、
B医療の機会に対する要求、
C家族的安定の要求、
D教育の機会への要求、
E社会的協同への要求、
F文化・娯楽の機会への要求

*マズローのヒューマン・ニーズの階層 
テキストP21下段から 参照
 マズローのニーズ(欲求)の階層とは、第1段階は生理的なニーズ、第2段階は安全と安定のニーズ、第3段階は所属と愛情のニーズ、第4段階は自尊のニーズ、第5段階は自己実現のニーズである。
◎マズローは、人間の欲求・動機を階層構造として捉え,生理的欲求,安全欲求,社会的欲求,尊敬欲求,そしてその頂点に自己実現があるとし,低次元の欲求が満たされてはじめてより高次元の欲求の満足が求められるという考え方を提示した。
前提条件は「言論の自由、自己防衛の自由、正義、公正」等とされる。

2 社会福祉供給システムと援助活動 テキストP22
◆福祉サービス供給システム
近年,福祉サービス供給や政策研究において,サービス供給の多元化である「福祉多元主義(多元化)」が進んでいる。福祉サービスを供給する主体の分類として次のようなものが挙げられる。
@公的福祉セクター(部門) 法定部門とよばれることもある
A民間福祉(民間非営利)セクター(部門)
Bインフォーマル(非公式)セクター(部門)
C民間営利(市場)セクター(部門)

◆ヒューマンニーズ・社会サービス・供給組織
*生活問題を福祉サービスなどの社会資源に結びつける役割を果たすのが二一ズである。
*先の供給主体の4部門が、それぞれが独自の機能と,各部門の共通の目標である福祉の増進を果たし,ニーズを満たす福祉サービスの供給に努めていくことを意味するのが福祉多元主義である。わが国でも1980年代なかばから福祉改革のなかで主張されるようになった。
*ニーズ・基本的欲求が、疾病や障害そのものによって、あるいは傷病や障害によって生じる社会的制約の中で、自己責任では担いきれない困難な生活課題を有する状況にある人たちがソーシャルワーク・社会福祉援助活動の対象となる。こうした人たちを対象として、ノーマライゼーションの理念を実現するために社会福祉援助活動を担う必要がある。

■用語解説:自己実現 self-realization
元々は心理学用語でクルト・ゴールドシュタインが命名。心理学において,マズローの五段階欲求説の最終段階として有名である。自己実現は,ある個人が自分の能力や可能性をあますところなく発揮し,その結果としての創造的活動,自己の成長を望む欲求をさす。また自己実現は,思想の領域でも扱われる概念であり,その包含するものは領域によって広くさまざまである。
■用語解説:顕在的ニーズ
・ニーズの把握にあたって,そのニーズがどのような性質をもっているかという観点からニーズを分類したとき,ニーズをもつ本人あるいは彼らに関連ある人々が,その状態の解決の必要性を自覚している場合のニーズをいう。ニーズは,社会資源に対応するもので,福祉サービスの供給体制が未整備の場合には,ニーズは存在していても顕在的ニーズにはならない。
■用語解説:潜在的ニーズ
・ニーズをもつ本人あるいは彼らに関連ある人々が,あるニーズの存在をまだ自覚あるいは感得(会得)していない場合のニーズをいう。しかし,その状態は,一定の目標なり基準から乖離しており,その解決が必要であると社会的にも認められた状態であるため,当事者がニーズを顕在化できるようにするためのアプローチが処遇実践家等の専門家に求められる。

<参考リンク 統計からニーズを見る>
*平成20年版 高齢社会白書(概要版)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2008/gaiyo/20indexg.html


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