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2009/02/21(土)
ソーシャルワーク関連科目・Web講座2「福祉制度とソーシャルワーク」
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ソーシャルワーク論(社会福祉援助技術論)講座レジュメより 2
◆社会福祉の実体・ハード福祉とソフト福祉 「実体としての社会福祉」とは、「目的としての社会福祉」に照らして把握される社会福祉問題の実体と、それに対する「社会福祉制度」(ハード面)と「ソーシャルワーク(社会福祉援助活動)」(ソフト面)の二つの実体からなる。この両面は車の両輪である。
*ソーシャルワークとは、目的としての社会福祉を実現する方法であり、社会福祉制度の活用と人々との生きた相互の関係を結びながら社会福祉問題の解決を目指して、変化を生みだしていく支援活動であるといえる。 *社会福祉制度のみが存在しても、社会福祉の目的を達成することは不可能である。 *社会福祉の目的を実現するためのソーシャルワークとその方法・技術を学ぶことが、この社会福祉援助技術論の使命である。
1−2 社会福祉援助活動 <ポイント> 障害者などの地域生活支援、各種施設ケア、高齢者の在宅介護、児童自立支援、各種の相談援助などの対人福祉サービスに際して、必要な社会福祉専門技術を総称して「社会福祉援助技術」という。具体的には、社会福祉援助技術とは社会福祉学を基に、関連する学問も活用しつつ、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)、コミュニティワーク(地域援助技術)等の、ソーシャルワーク(社会福祉援助技術)を用いて、社会的に支援を必要とする人とその環境に働きかけることを指す。
<解説> ◆社会福祉援助活動とは *社会福祉援助活動(ソーシャルワーク)の定義 *社会福祉援助活動(ソーシャルワーク実践)とは、それぞれの時代や地域特性といった背景を交錯させながら生じる個人と集団および、その環境間の不調和からもたらされる問題が、社会的援助を必要とするとき、その間題の解決もしくは問題を軽減するために展開され、専門性を高めてきたものである。
*具体的なソーシャルワーク実践とは、社会福祉学を基に、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)、コミュニティワーク(地域援助技術)等の、方法レパートリーを用いて、社会的に支援を必要とする利用者とその環境に働きかけることを指す。これら方法レパートリーは、個々に援助技術を発展させてきたものであるが、相互に関連しあうことで援助の有効性が高まる。一人のソーシャルワーカーがさまざまな場面でこれらの技術を連鎖的に用いることが必要とされる。
*社会福祉援助活動の特性 P12上段参照 @視点:利用者中心の視点 A焦点:人間と環境による固有な生活世界をとらえる生活概念、 B目的:社会参加、自己実現の支援 C手段:問題状況の改善・向上 D方法:科学的方法、利用者の問題解決能力の育成 <ソーシャルワークのフィードバック> E運動:社会福祉サービスの改善 = フィードバック F過程:ミクロからマクロへの循環 G特性:人間と環境への介入
■用語解説:ミクロ・メゾ・マクロ ・ソーシャルワーク実践の対象は,ミクロ(小領域),メゾ(中領域),およびマクロ(大領域)に分けられる。ミクロ領域の実践には,個人のもつ生活問題や精神保健問題への支援,家族や小集団への介入や支援などが含まれる。メゾ領域には,地域住民の組織化や支援や社会福祉機関の管理・運営などが含まれる。また,マクロ領域には,自治体の調査,計画立案,実施と評価,国の政策立案,実施,評価,社会サービスの管理・運営などが含まれる。小領域,中領域のソーシャルワーク実践に対し,組織の管理・運営や組織化,政策立案などの指向性を含んだ実践をマクロレベルの実践とよぶ。
◆補足:社会福祉援助活動の目的 P12上段参照 専門的な社会福祉援助活動の目的とは、 @すべての人の人権擁護の実現をめざして、 A歴史的・社会的実体としての社会福祉問題をとらえ、Bその予防、改善、解決を含む社会的対応を図るため、C価値・知識・技能の共通基盤をもつ専門的立場から、D当事者が主体的に問題解決に取り組む力と過程を支援するとともに、 E広く環境にはたらきかけてフォーマル・インフォーマルなサポート・ネットワークを発展させ、 F全体としての社会福祉の向上を図ることにある。それは、人と環境の問題や、現代社会の構造などが要因となって生み出される社会的問題に向けられたものであると言える。
■用語解説:インフォーマルサポート インフォーマルサポートとは、専門職・職業としてではなく、地域住民や家族の会などによる支援である。特徴として、専門性は低く、安定した供給は無理であるが、情緒面での支援に貢献できる点が挙げられる、とされている。 社会福祉援助活動の担い手は専門家のみではない。今日では、社会福祉問題をかかえている当事者、社会福祉サービスの利用者、そして家族や友人、隣人、ボランティアなどが、専門の教育・訓練を受けた専門家とパートナーシップを組んで、全体として社会福祉援助活動を担っていくものと考えられるようになった。 したがって社会福祉援助活動は、広い意味では、何らかの制度的規定の有無や社会的承認の程度による「フォーマルな活動とインフォーマルな活動」、担い手の専門性による「専門的活動と非専門的活動」などの全体を含むが、狭い意味では、専門的な社会福祉援助活動に限定してソーシャルワークといわれている。
■用語解説:ケースワーク(casework) ケースワークとは、困難な課題、問題をもった対象者(クライエント)が主体的に生活できるように支援、援助していく個人や家族といった個別に対する援助技術のことである。ケースワークは、クライエントの生活における諸問題(生活困難、問題解決、社会生活に関するニーズの充足等)について、改善を行うため、相談援助などを行なう。
<学習にご活用下さい。関屋光泰 編集> ■社会福祉の歴史 web講座 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1226020506/
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