社会福祉士 受験支援セミナー 日替講座
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2008/12/13(土) ソーシャルワーク関連科目・練習問題&ポイント<受験支援セミナーの復習>
*「援助技術論」・練習問題 <MGU 福祉士受験支援セミナーの復習>

問題21 次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 人間の福利(ウェルビーイング)と社会の変革を進め,人びとのエンパワメントと解放を促していくことが,国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」(2000 年)で唱えられている。
B ストレングスアプローチでは,クライエント固有の強さ,クライエントの有する資源や問題解決能力に焦点を当てるアセスメントや介入を行う。
C ソーシャル・インクルージョンを目指すことが,日本社会福祉士会の倫理綱領(2005 年)で,社会に対する倫理責任のーつとして唱えられている。
D モダニズムといわれる社会構成主義を背景とする「ナラティブアプローチ」は,個人と社会を客観的実在ととらえ,援助介入の焦点を個人と社会の両方に当てる。
(組み合わせ)
  A   B   C  D
1  ○  ○  ○  ×
2  ○  ○  ×  ×
3  ×  ○  ○  ×
4  ×  ×  ×  ○
5  ○  ×  ○  ○


問題22 ソーシャルワークのアプローチや実践モデルに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A エンパワメント・アプローチでは,クライエント自身が,問題解決のためにもてる力を十分意発揮できるように支援する。
B ナラティブ・アプローチは,クライエントが語るストーリーを重視して,新たな意味の世界を創り出すことを援助する。
C エンパワメントについて、ゴードン・ハミルトンは『黒人のエンパワメント』を刊行し、「スティグマの対象となり、否定的な評価を受けてパワーが欠如した状態の人々」に注目した。
D ケアマネジメントでは,クライエントを支援するために,社会資源を有効に活用したサービスの調整を図る。
(組み合わせ)
  A   B  C  D
1  ○  ○  ○  ×
2  ○  ○  ×  ○
3  ×  ○  ×  ○
4  ○  ×  ○  ○
5  ×  ×  ○  ×


==========================
<解答>

問題21 正答1
A.○。国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)の「ソーシャルワークの定義」は,2000 年7 月27 日にカナダのモントリオールにおける総会において採択された。その定義は,「ソーシャルワークの専門職は,人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して,社会の変革を進め,人間関係における問題解決を図り,人々のエンパワメントと解放を促していく。ソーシャルワークは,人間の行動と社会システムに関する理論を利用して,人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は,ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。」と明記されている。
B.○。ストレングスとは,利用者の長所または強さのことであり,それを活用するという視点がアプローチの核である。語りの中から前向きで力強い部分に焦点をあて,それを支援し,強化していく方法論である「ストレングスアプローチ」は,プラス面を積極的に評価していくことによって,従来のネガティブな利用者間からの脱却を図るというものである。
C.○。(ソーシャル・インクルージョン)「社会福祉士は,人々をあらゆる差別,貧困,抑圧,排除,暴力,環境破壊などから守り,包含的な社会を目指すよう努める。」と規定されている。(日本社会福祉士会の倫理要領)
D.×。ポストモダニズムの構成主義では,客観的で変わらない現実など存在しないと考える。構成主義のアプローチに従えば,現実を,そこに生きる人々が言語を用いることによって構成されたものとして理解する。アメリカのソーシャルワークの領域で台頭してきた社会構成主義の動きは,1990 年代以降になって本格的に浸透してきたポストモダニズムの認識と連動するものであり,従来のソーシャルワークの限界に対する自覚と反省を主な起点として展開されている。ナラティブ(物語)・モデルの考え方では,利用者の現実として存在し,支配している物語を,ソーシャルワーカーは利用者とともに共同して見いだしていく作業が求められる。

問題22 正答2
C.× 誤り。正しくは「バーバラ・ソロモン」。ハミルトンは診断主義の研究者である。


<重要ポイント解説>
*ナラティブ・セラピー narrative therapy
 社会構成主義に基づく精神療法。社会構成主義は,これまでの主観・客観の二分的見方をとらず「現実は人々の間で構成される」とする。この前提から人々の経験している現実とは別の客観的な事実は想定できないとして,理解は治療の場におけるクライエントとカウンセラーの間の対話そのものにあるとする。「無知のアプローチ」に基づく「いま,ここで」の対話とその解釈が重視され,「治療的対話」に主眼がおかれる。

*構成主義
 現実は客観的な単一の世界として存在するのではなく諸個人が現実を構築するとみなす理論。社会学,心理学,文化人類学,歴史学などの分野で台頭している。学問的には多義的に使用されており,欧米でも用語が統一されず,また,わが国では訳語も統一されていない。ソーシャルワークにおいても,新しい概念枠組として,1990年代以降に取り上げられている。

*社会構成主義
 社会的慣行や社会的相互作用から人々が世界を構成する枠組が生まれ,それは言語によって媒介されると考える理論。客観的な世界が実在するという論理実証主義に対する批判、ポストモダンである。また、社会構成主義は社会的相互作用を強調する。ソーシャルワークにおいては,ナラティブ・セラピーの影響を受けた家族中心ソーシャルワークが積極的に取り込んでいる。


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