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2008/11/04(火)
社会福祉の歴史(欧米編5)各科目共通ポイント
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社会福祉の歴史 欧米における社会福祉の史的展開 5 <イギリスの報告・続き> *1978年、ウルフェンデン報告 ・多元的な福祉システムにおけるイギリスのボランタリーセクターの役割について報告書(Wolfenden Committee Report)。民間財団の委託を受けた委員会(座長:ウルフェンデン卿Wolfenden, J. F.)によってまとめられ,1978年にThe Future of Voluntary Organisationsとして発刊された。硬直的・官僚的な公的セクターや未組織のインフォーマル・セクターなど多元的な福祉システムのなかにあって,個人のニーズの充足や,援助を求める者とボランティアとの橋渡しなど,補完的,先駆的,仲介的な役割を果たすことをボランタリー・セクターの将来の方向性と位置づけた。公的資金によるバックアップや媒介団体の役割強化なども提言されている。
*1982年、バークレイ報告 ・イギリスにおけるソーシャルワークの現状と課題について検討するために設けられた政府委員会(座長:ピーター・バークレイBarclay, P.)による報告書(Social Workers : Their Roles and Tasks)。1982年に発表。コミュニティ・ソーシャルワークの可能性に言及し,ソーシャルワーカーの役割について,伝統的な個人や家族に対するケースワークだけでなく,コミュニティにおける多元的な福祉システムのなかで,資源と個人・家族を結びつけ,ネットワークを開発・発展させるためにカウンセリングとソーシャル・プランニングの両方を求めるとともに,官僚主義的なシステムの改善,チーム・アプローチなどを提案している。しかしながら,報告書としての見解は統一されず,伝統的な個別援助を重視する立場からコミュニティへの期待を疑問視するピンカー委員からの反対意見など三つの報告が併記された。(第16・6回試験)
*1988年、グリフィス報告 ・イギリスのコミュニティ・ケア政策のあり方について政府の諮問を受けたグリフィス卿(Griffiths, R.)による報告書(Community Care : Agenda for Action)。1988年に発表された。コミュニティ・ケアに関して地方自治体が責任をもつこと,サービスの購入者と提供者を分離し,地方自治体は個人のニーズのアセスメントに基づいて必要なサービスを営利・非営利を含む多元的な供給主体から購入することなどが提案され,効率的な資源供給のためのケアマネジメントの重要性が指摘されている。その提言の多くが,NHS・コミュニティケア法(1990年)へとつながった。(第16・6回試験・参考)
*1990年、国民保健サービス(NHS)・National Health Services and Community Care Act 国民保健サービス(NHS)と,コミュニティケア・在宅福祉サービスの総合的な調整を図ることを目的に成立した。ノーマライゼーションと福祉多元主義の考え方を基礎に,医療の民営化(内部市場化),インフォーマル・民間部門の促進とネットワーク化,中央・地方政府における財政責任と運営責任の明確化,ケアマネジメントの徹底化を図り,日本の介護保険制度の手本にもなった。
<米国におけるソーシャルワークの発展史 1> ■ソーシャルワークの専門化のきざし <ポイント> ケースワークの基礎の確立は1920年までに行なわれた。COS・慈善組織化運動による友愛訪問やセツルメントなどの民間機関の援助活動が母体となって、リッチモンドによってケースワーク理論が体系化された。 M.リッチモンドは、ケースワークに諸科学の知見を導入して、専門技術としての体系化と発展を促進した。1917年『社会診断』を著し、ケースワークの体系と基本的枠組みを示した。
<解説> ◆専門化のきざし:経験主義的な援助技術の限界からソーシャルワークの専門化の必要性が必然的に生じた。 ・専門化のきざしとは、@社会福祉組織・団体への有給専任職員の配置、A社会福祉専門教育のはじまり、B関係団体・連盟の全国組織化、C全国会議の開催 である。 <その経過> *1898年、ソーシャルワーク夏期講習の開始 (ニューヨーク慈善組織協会) *1903年、シカゴ 1904年、ニューヨーク 博愛事業学校開設
*1905年,マサチューセッツ総合病院に「ソーシャル・アシスタント」採用。キャボット(Cabot, R. C.)医師が,患者を理解するためには身体状況だけではなく,精神状況や環境的な背景を把握することが必要として,「ソーシャル・アシスタント」(MSW)をおいた。 1907年(異説有)、同病院神経科に精神医学ソーシャルワーカー採用。 (1895年,イギリスでは生活困窮患者を援助する役割として,アルモナー、almonerとよばれるソーシャルワーカーが王立施療病院におかれた。)
*1911年、全米慈善組織協会 結成 *1912年、全米セツルメント連盟 結成
*1915年、フレックスナー報告「ソーシャルワークは専門職か?」 ・アメリカ・ボルチモアでの全米慈善・矯正会議(National Conference of Charities and Correction 1873年開始)において、エブラハム・フレックスナー(Flexner,A.)の「ソーシャルワークは専門職か?」が発表された。この講演では、専門職が成立するための「6つの属性」を明確に提示した。 @ 基礎となる科学的研究(基礎科学)のあること A 知は体系的で学習されうるものであること B 実用的であること C 教育的手段をこうじることよって伝達可能な技術があること D 専門職団体・組織を作ること E 利他主義的であること フレックスナーは、このモデルに準拠して「現段階でソーシャルワークは専門職に該当しない」という結果を導いた。(17回試験出題)
*1921年、アメリカ・ソーシャルワーカー協会 結成
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