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2008/11/21(金)
第3回受験支援セミナーの補足・システム論 2
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*ベルタランフィによる一般システム理論の概念には、開放システム、閉鎖システム、エントロピー、定常状態、インプット、アウトプット、情報・資源処理システムなどがある。 →P110参照
◆開放システム *一つの対象となるシステムが他の様々なシステムと相互関係をもち、それによってシステム内部に変化が起きるものとみなすとき、これを「開放システム」と呼ぶ。一般システム理論が対象とするのは開放システムである。
◆閉鎖システム *一つの対象をシステムとして捉え、他のシステムや要素との相互関係を排除するとき、もしくは、ある特定のシステムとその内的要素のみの相互関係に限定するとき、これを「閉鎖システム」と呼ぶ。
◆インターフェイス *システムは環境や他のシステムと資源・情報・エネルギーを交換する境界をもつ。この境界(相互接触面)をインターフェイスという。
◆ホロン *システムはそれが最小のシステムでない限り、より小さなシステム要素よって構成され、同時にそれが最大のシステムでない限り、さらに大きなシステムを構成するシステム要素である。システムをこのように捉える概念をホロンという。
◆エントロピー *システムは発展、安定、均衡(定常状態)を維持するためにエネルギーを消費し、最終的には死滅(非活性状態)に至る。これをエントロピーという。
◆互酬性 *システム内の一つのサブ・システムが変化すると、その変化が他のサブ・システムと相互作用を行い、結果としてシステム全体が影響を受ける。これを互酬性という。
◆シナジー *システムはその構造と特徴を保持する傾向がある。エントロピーを防ぐために環境から新たな資源・情報・エネルギーをインプットすることにより、システムを強化する力のことをシナジーという。 *G.ハーンは一般システム論をソーシャルワーク理論に応用することが可能であると考え、1950年代にその成果を発表した。 これは、初期のジェネリック・ソーシャルワーク理論である。
3)システム論に基づくソーシャルワーク * A.ピンカスとA.ミナハンは、1973年、ソーシャルワークを一つのシステムと捉え、システム理論に基づくソーシャルワーク実践では,ソーシャルワーカーは以下の四つのサブシステムの相互作用に関心をもたねばならないとしている。 @クライエント・システム ・個人,家族,グループ,組織など,ソーシャルワーカーが援助の対象とするシステムである。 クライエント・システムとは、社会福祉サービスを既に利用しているか、サービスを必要としている、援助活動を通して問題解決に取り組もうとしている個人や家族などから構成されている小集団を指す。
Aワーカー・システム=チェンジ・エージェント・システム(ワーカーとその所属機関) ワーカー・システムとは、援助活動を担当するソーシャルワーカーとそのワーカーが所属する機関や施設とそれを構成している職員全体を指す。
Bターゲット・システム(目標達成のために変革しなければならない人や組織) ターゲット・システムとは、クライエントとワーカーが問題解決のために変革あるいは影響を与えていく標的とした人々や組織体を指す。 標的は、クライエントが選択される場合や、クライエント以外のワーカーやワーカーが所属している機関や施設も含む人々や組織体が選択される場合もある。
Cアクション・システム(目標達成のためにターゲットに働きかける媒体) アクション・システムとは、変革に影響を与えていく実行活動に参加する人々や資源のすべてを指し、実行活動のチームワークを構成する人々をいう。 *援助者は必然的に四つのシステムと重層的に関係し、発展させていく。
*システム理論は、現在のソーシャルワークの基本的視点と枠組みを支える理論の1つとして機能している。
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