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2008/11/19(水)
公的扶助論の復習A
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(前日の続き) 5.介護扶助 2000年度から実施された介護保険法に対応して,生活保護法15条の2で新設された扶助である。 生活困窮(生活保護を受給中)の、要介護・要支援者に対し,居宅介護,福祉用具,住宅改修,施設介護,移送などを行なう。 ただし,「保護の補足性」により,介護保険の保険給付が行われる場合はそれが優先される。 介護扶助は原則として、サービスが現物給付される。
(生活保護法第15条2・介護扶助) 介護扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない要介護者(介護保険法第7条第3項に規定する要介護者をいう)に対して、第1号から第4号まで及び第8号に掲げる事項の範囲内において行われ、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない要支援者(同条第4項に規定する要支援者をいう。)に対して、第5号から第8号までに掲げる事項の範囲内において行われる。 1.居宅介護(居宅介護支援計画に基づき行うものに限る。) 2.福祉用具 3.住宅改修 4.施設介護 5.介護予防(介護予防支援計画に基づき行うものに限る。) 6.介護予防福祉用具 7.介護予防住宅改修 8.移送 2 前項第1号に規定する居宅介護とは、介護保険法第8条第2項に規定する訪問介護、同条第3項に規定する訪問入浴介護、同条第4項に規定する訪問看護、同条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同条第6項に規定する居宅療養管理指導、同条第7項に規定する通所介護、同条第8項に規定する通所リハビリテーション、同条第9項に規定する短期入所生活介護、同条第10項に規定する短期入所療養介護、同条第11項に規定する特定施設入居者生活介護、同条第12項に規定する福祉用具貸与、同条第15項に規定する夜間対応型訪問介護、同条第16項に規定する認知症対応型通所介護、同条第17項に規定する小規模多機能型居宅介護、同条第18項に規定する認知症対応型共同生活介護及び同条第19項に規定する地域密着型特定施設入居者生活介護並びにこれらに相当するサービスをいう。 3 第1項第1号に規定する居宅介護支援計画とは、(中略)。 4 第1項第4号に規定する施設介護とは、介護保険法第8条第20項に規定する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、同条第24項に規定する介護福祉施設サービス、同条第25項に規定する介護保健施設サービス及び同条第26項に規定する介護療養施設サービスをいう。 5 第1項第5号に規定する介護予防とは、介護保険法第8条の2第2項に規定する介護予防訪問介護、同条第3項に規定する介護予防訪問入浴介護、同条第4項に規定する介護予防訪問看護、同条第5項に規定する介護予防訪問リハビリテーション、同条第6項に規定する介護予防居宅療養管理指導、同条第7項に規定する介護予防通所介護、同条第8項に規定する介護予防通所リハビリテーション、同条第9項に規定する介護予防短期入所生活介護、同条第10項に規定する介護予防短期入所療養介護、同条第11項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護、同条第12項に規定する介護予防福祉用具貸与、同条第15項に規定する介護予防認知症対応型通所介護、同条第16項に規定する介護予防小規模多機能型居宅介護及び同条第17項に規定する介護予防認知症対応型共同生活介護並びにこれらに相当するサービスをいう。 6 第1項第5号に規定する介護予防支援計画とは(中略)
■被保護者の権利及び義務 テキストP80〜 *不利益変更の禁止(第56条) ・生活保護法第56条では、一度なされた保護の決定について、相当の理由がないかぎり不利益になる変更は許されない「不利益変更の禁止」が定められている。保護機関の裁量など窓意的な変更は許されない。
*公課禁止(第57条)、差押禁止(第58条) ・生活保護法第57条と第58条では、公課禁止と差押禁止が明示されている。最低限度の生活である以上、論理的にも租税の余地はないし、民事上の債務から保護金品を保障するためにも必要な規定である。
*譲渡禁止(第59条) ・一方、被保護者の義務としては、第59条で、保護を受ける権利は一身専属権で、第三者に譲渡できるものではないことを明示している。
*生活上の義務(第60条) ・また、第60条では、被保護者の生活の維持・向上に努める勤労と節約という生活上の義務を規定している。直接的な制裁規定はないが、保護機関の指導指示に従わない場合は、保護の変更、停廃止がなされる場合もある。
*届出の義務(第61条) ・第61条では、被保護者の収入などに変動があった場合は速やかに保護実施機関に届け出る義務を課している。
*費用返還義務(第63条) ・被保護者に資力があるにもかかわらず、急迫した事情で保護を受けた場合は、第63条で費用を返還する義務を課している。
*指示などに従う義務(第62条) ・第62条で被保護者は原則として保護実施機関の指示に従う義務があり、従わない場合は被保護者に弁明の機会を与えたうえで、実施機関は保護の変更、停廃止を行うことができるとしている。被保護者の自由を尊重すべきことも規定されているが、保護実施機関の指導指示権限がぎりぎりのところで上回っているといえる。
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