社会福祉士 受験支援セミナー 日替講座
社会福祉士・精神保健福祉士試験の受験対策 ⇒新ブログhttp://miseki.exblog.jp/ に移行しました
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最新の絵日記ダイジェスト
2011/01/20 援助技術論等、事例問題対策3<練習問題>
2011/01/19 援助技術論等、事例問題対策2<練習問題>
2010/12/27 地域福祉論・web講座1
2010/11/30 前回セミナーの復習:ソーシャルワーク関連科目・練習問題
2010/11/26 ソーシャルワーク関連科目・練習問題(歴史)

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2008/10/29(水) 掲載を終了しました(他の日も同じく)
 練習問題等の掲載を終了しました。
 引き続き、当サイトと下記のリンクをご活用ください。

<社会福祉士・精神保健福祉士 受験対策レジュメ&練習問題集>
 関屋光泰が講師を担当した、受験支援セミナーのレジュメや模擬問題等の一部です。URLをクリックで、PCで閲覧できます。

@社会福祉の歴史 レジュメ・資料集(受験支援セミナー・MGU学内学会主催2008年11月10日)
http://docs.google.com/Doc?id=dcn94hv7_11c985njc2  

A社会福祉の歴史等、練習・模擬問題集(同上)
http://docs.google.com/Doc?id=dcn94hv7_12kpjxk5f5 

Bソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集(受験支援セミナー・MGU 第3回)
http://docs.google.com/View?docID=dcxvhmvj_4gnnzpghj&revision=_latest


C地域福祉論等、練習・模擬問題集(受験支援セミナー・MGU 12月1日)
http://docs.google.com/View?docid=dcn94hv7_134w7t7bdz

D公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/

2008/10/28(火) ソーシャルワーク関連科目(援助技術論) 事例問題対策
*ソーシャルワーク関連科目(社会福祉援助技術論・精神保健福祉援助技術論)の事例問題対策
・社会・精神ともに援助技術論の事例問題は分量が多いため、事例を早く、かつ正確に読むことが必要になる。事例問題に慣れることも必要である。

<事例を読むポイント>
*例えば、次のようなポイントに下線を引きながら事例を読むことを勧める。
・本人の基礎データ(年齢、経済状況等)
・事例のなかでの大きな変化(退院、退所等)
・本人の状態(障害、病気、ADL)、それはいつからか。
・障害や病気があるならば、必要な介護の程度
・他、生活上の問題点(例:移動など)
・本人の願望、意思。
 本人の病識、問題への意識(例:あきらめ)、
・生活の場所(例:自宅、施設)、自宅ならば単身か家族と同居か。
・家族の意識(例:介護を無理に続けている、もしくは、可能な限り一緒に暮らしたい)

<問題を解く上で、頭に入れておきたいもの>
1.バイステックの7原則を基本に考えること。
 ソーシャルワークの基礎として考えるときの判断基準とする。
・ケースワークにおけるワーカーとクライエントの援助関係の最も重要な原則としてバイステック(Biestek, F. P.)が唱えたもので,
@個別化,
A意図的な感情表出,
B統制された情緒的関与,
C受容,
D非審判的態度,
Eクライエントの自己決定,
F秘密保持,の七つである。(旧訳)
 バイステックは,ワーカーとクライエントの良好な援助関係の形成がケースワーク実践のすべてに影響を与えるとして,それまで曖昧であった援助関係の概念を分析した。すなわち,援助関係をワーカーとクライエントの間に生まれる態度と感情による力動的な相互作用と捉え,この関係の目的はクライエントの適応の過程を支援することにあるとした。援助関係における相互作用を三つの方向に分類し,援助関係全体の構成要素として,クライエントの共通した基本的なニーズから七つの原則を見出した。
 クライエントは,@個人として対応してほしい,A感情を表現したい,B共感してほしい,C価値ある人間として受け止めてほしい,D一方的に非難されたくない,E自分の人生は自分で決めたい,F他人に秘密を知られたくない,というニーズをもっている。これらのニーズから導き出された原則はワーカーの行動原理ともいえる。
<七原則>
■個別化
・援助者はクライエントを,問題や状態像で安易にタイプ分けをするのではなく,個人として捉えることの意義を示している原則である。つまりクライエントの独自性を援助者が理解しようとすることであり,さらにその人の能力や特性に関係なく,尊厳のある個人として接することをも含んでいる。
■統制された情緒的関与  
・新訳版では「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」。ケースワーカーが援助する際,クライエントの感情に対して感受性をもって理解すること。そのうえでクライエントの感情に適切に反応することの大切さを意味する。ワーカーがクライエントの感情を分かち合い,援助目的にそってことばだけでなく態度で表現していくには,ストレスに対する人間の反応や防衛機制等の人間行動に関する知識が必要であり,適切に反応する技術を向上させる努力が欠かせない。
■受容
・援助に際して,援助者が,利用者の人間としての尊厳と価値を尊重しながら,その言動,態度,価値観,抱えている問題,訴えなどを含め,その人の存在を現在あるがままの姿で受け止めることを意味する。しかし,それは利用者の逸脱した態度や行動などに同調し,許容することではなく,そのような行動を彼らの現実の一部として認識し,理解するということである。
■意図的な感情表出
 利用者の感情表現の自由を認める考え方。特に抑圧されやすい否定的な感情や独善的な感情などを表出させることで、利用者自身の心の枷を取り払い、逆に利用者自身が自らを取り巻く外的・内心的状況を俯瞰しやすくする事が目的である。
■非審判的態度
・クライエントが通常非難されるであろう行動をしたときに,援助者が,専門職としての価値判断だけで対処するのではなく,非審判的といえる中立で冷静な態度で臨むことの重要性を意味している。そのためには,「相手が何故そのような言動をしたのか」という理由を理解する態度でクライエントを多面的に捉え,その問題状況を判断していくことが重要である。
■自己決定
・バイステック(Biestek, F. P.)によって示されたケースワーク関係における原則の一つ。クライエントの人格を尊重し,自分の問題について自分で判断し,決定する自由があるという理念に基づいた援助関係の原則。自己決定によって,クライエントは自らの可能性と強さを発揮できると同時に結果責任を負うが,このことによってクライエントの自立支援が方向づけられる。現在では,福祉サービスの利用者が自己の主体的な意思と判断によって,行動を選択し決定すべきであるという,サービス提供の基本原則としても示される。
■秘密保持
 クライアントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならない、とする考え方。いわゆる「個人情報保護」の原則。他方に漏れた情報が使われ方によってクライアントに害を成す可能性があるため。

*他、「ソーシャルワーカーの倫理綱領」も、覚えておきたい。
 ネットで読めるので、参照を。
「ソーシャルワーカーの倫理綱領」
http://www.jasw.jp/jaswtowa/jasw-rinri-050127.htm
「社会福祉士の倫理綱領」
http://www.jacsw.or.jp/contents/data/04_rinrikoryo.htm

2008/10/25(土) 地域福祉論・練習問題&ポイント
*地域福祉論・練習問題(正答は画面下方に表示されます)

問題32 次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 特定非営利活動法人の法人格を有する組織は,所轄庁の認証を受けるまでもなく,自動的に社会福祉法人とみなされる。
B 特定非営利活動法人は,非営利を目的とする組織であり,収益事業を行うことはできない。またNPO法人は財産の取得や、事業受託主体となることも出来ない。
C 特定非営利活動法人は、他の特定非営利活動法人やボランティア団体を育成・支援する連絡調整組織の役割を果たすこともできる。
D NPO法人の財政基盤の強化のため,2001(平成13)年10月より国税庁長官により認定されたNPO法人に寄付した者につき,寄付金を控除するといった所得税・法人税・相続税の優遇措置が受けられるようになった。
(組み合わせ)
1AB   2AC   3AD   4BC   5CD


問題33 次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 民生委員は、生活保護法に基づいて委嘱されていると同時に、社会福祉法における「児童委員」をその民生委員が担う(兼ねる)こととされている。
2 民生委員の委嘱は市町村長が行ない,4年に1度改選が行われる(ただし,再任もある)。また,民生委員一人ひとりは必ず定められた「担当区域」をもち,この区域を基盤に活動を行っている。
3 民生委員の組織としては,一定の区域ごとに「慈善組織協会」が設置され,個々の民生委員の活動を支えるために,日々の活動に関する連絡,情報収集,研修等が行われている。
4 改正された民生委員法では,民生委員の本分を「社会奉仕の精神をもって,常に住民の立場に立って相談に応じ,及び必要な援助を行い,もって社会福祉の増進に努めるものとする。」(民生委員法第1条)とし,民生委員を住民の側に立つ支援者として位置づけている。
5 平成6(1994)年には、児童福祉を専門に活動する「特命児童委員」制度が創設された。



===========================
<解答>

問題32 5

問題33 4

<ポイント>
*NPO nonprofit organization ; not-for-profit organization
 利益の追求よりも社会的な使命の実現を優先して活動する民間組織(団体)のこと。日本語に直訳すると「非営利組織」となるが,意味を正確に伝えるには「民間非営利組織」とするのがよい。
 NPOはアメリカの文化と制度を背景とした概念で,世界的に用いられるようになったのは1980年代になってからであるが,その厳密な意味内容はそれぞれの国や地域の文化的・制度的な背景によって異なってくる。
 ジョンズ・ホプキンズ大学教授のレスター・サラモン(Salamon, L. M.)は,国際比較研究を行う視点から世界に共通する定義として,@正式に組織されていること,A民間であること,B利益配分をしないこと,C自己統治がなされていること,D自発的であること,E非宗教的であること,F非政治的であること,の7点の条件をあげている。このうち最後の2点は,研究の便宜上の条件であり,一般的な条件とはいいにくいが,今ではこれがほぼ世界的に受け入れられる定義となっている。しかし,それらの個々の条件の具体的な内容については,国や地域によって異なってくる。
 このような組織は日本にも従来から存在してきたわけであるが,特にその民間性が重要な意味をもつものとして主張され始めたのは,市民活動が活発化する1980年代になってからである。政府(第一セクター)の限界や企業(第二セクター)の限界が認識されるにつれて,民間非営利組織=NPO(第三セクター)の役割が認められるようになってきたといえる。そしてそのような主張が広く社会に認識されるようになったのが1990年代,とりわけ阪神・淡路大震災の発生した1995年以降であった。NPOということばが日本で一般に普及したのは,その後のNPO法(特定非営利活動促進法)の立法過程においてである。
 そのこともあって,NPOを最も狭義に用いる場合には特定非営利活動法人(NPO法人)のことをさす。しかし一般にはさらに広く,市民活動を行う任意団体まで含めてNPOという。さらに広義に,社団法人・財団法人・社会福祉法人・学校法人などの公益法人まで含めてNPOということもある。これらの公益法人は主務官庁の許可や所轄官庁の認可によって設立され,その後も強く監督されるという点からは純粋の民間組織とはいいにくいが,民間組織として自覚した活動を行っている団体もあることから,NPOに含めてもよいであろう。これよりもさらに広義に,必ずしも公益性をもたなくてもよい医療法人や協同組合までをNPOに含めることもある。なお,それぞれの活動分野ごとに,福祉NPO,環境NPO,まちづくりNPO,子どもNPOといったことばも,最近では用いられるようになってきた。

*特定非営利活動促進法
 1998年に成立(平成10年法律7号)。NPO法と略称される。特定の非営利活動を行う団体に法人格を与え,「ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し,もって公益の増進に寄与することを目的とする」(1条)。 特定非営利活動法人(NPO法人)の活動には,医療・保健・福祉,社会教育,まちづくり,文化・芸術・スポーツ振興,環境保全,災害救助,地域安全活動,人権の擁護または平和の推進を図る活動,国際協力,男女共同参画社会の形成の促進,子どもの健全育成,これらの活動を行う団体の運営または連絡・助言または援助があげられる。NPO法人の設立においては,所轄庁から設立の認証を受けなければならない。さらに,事業報告書を作成し,所轄庁に提出するとともに,閲覧を求められたら公開することが義務づけられている。福祉の分野でも,介護保険などを中心に,民間ボランティア団体がNPOとして法人格を取得し,事業を展開するケースが増えている。新しい福祉事業の担い手として今後の活動が注目される。

2008/10/24(金) 地域福祉論・練習問題&ポイント
*地域福祉論・練習問題(正答は画面下方に表示されます)

問題30 民生委員に関する次の文章の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、適切なものを一つ選びなさい。
民生委員は,「民生委員法」によってその設置が定められ,「児童福祉法第12条第3項」によって,民生委員と同時に(  A  )を兼ねている。その委嘱は(  B  )によって行われ,3年に1度改選が行われる(ただし,再任もある)。改正された民生委員法では,民生委員の本分を「社会奉仕の精神をもって,常に(  C  )の立場に立って相談に応じ,及び必要な援助を行い,もって社会福祉の増進に努めるものとする。」(民生委員法第1条)とし,民生委員を住民の側に立つ支援者として位置づけている。
 (組み合わせ)
   A       B      C
1 児童委員   市町村長    中立
2 赤十字委員  都道府県知事  行政
3 保護司    厚生労働大臣  民間
4 赤十字委員  市町村長    町内会
5 児童委員   厚生労働大臣  住民


問題31 福祉教育に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 福祉教育の目標のひとつとして、福祉的な心情や態度を培うことが挙げられる。
2 福祉教育の目標のひとつとして、社会福祉についての知的理解・関心を深めることが挙げられる。
3 福祉教育の目標のひとつとして、社会福祉専門職としての献身を促すことが挙げられる。
4 福祉教育の目標達成のための方法のひとつは、地域の社会福祉問題と住民の生活をつなぐ学習である。
5 福祉教育の目標達成のための方法のひとつは、問題解決を目指した体験・参加型の学習と日常生活をつなぐことである。



============================
<解答>

問題30 正答5
民生委員は,「民生委員法」によってその設置が定められ,「児童福祉法第12条第3項」によって,民生委員と同時に(A 児童委員)を兼ねている。その委嘱は(B 厚生労働大臣)によって行われ,3年に1度改選が行われる(ただし,再任もある)。改正された民生委員法では,民生委員の本分を「社会奉仕の精神をもって,常に(C 住民)の立場に立って相談に応じ,及び必要な援助を行い,もって社会福祉の増進に努めるものとする。」(民生委員法第1条)とし,民生委員を住民の側に立つ支援者として位置づけている。

問題31 答3

<ポイント>
*福祉教育
 広義には,@学校を中心とした児童・生徒に対する福祉教育,A公民館や社会福祉協議会などが展開する一般住民に対する福祉教育,B福祉系の高等学校や大学などで展開される社会福祉従事者養成教育としての福祉教育の三つに大別される。狭義には,児童・生徒や一般住民に対して,社会福祉に関する理解と関心,参加を促すために,学校をはじめ社会福祉協議会,社会福祉施設,公民館などで行われる教育・学習活動をいう。
 狭義の福祉教育の概念規定については,大橋謙策によるものが知られている。「福祉教育とは,憲法第13条,第25条などに規定された基本的人権を前提にして成り立つ平和と民主主義社会を作りあげるために,歴史的にも,社会的にも疎外されてきた社会福祉問題を素材として学習することであり,それらとの切り結びを通して社会福祉制度,社会福祉活動への関心と理解をすすめ,自らの人間形成を図りつつ,社会福祉サービスを利用している人々を社会から,地域から疎外することなく,ともに手をたずさえて豊かに生きていく力,社会福祉問題を解決する実践力を身につけることを目的に行われる意図的な活動」である。要するに,福祉教育は,人権思想を基盤に,福祉社会や福祉のまちづくりをめざして日常的な実践や運動に取り組む住民主体形成を図ろうとする教育活動である。より具体的には,@福祉的な心情や態度を培う,A社会福祉についての知的理解・関心を深める,B社会福祉への自発的・市民的参加(実践や運動)を促すことなどを目標に展開される。

 福祉教育実践の源は,共同募金会の教育活動(1948年)と神奈川県の社会福祉研究普及校制度(1950年),徳島県の子供民生委員制度(1946年)と大阪市民生局による中学校社会科副読本の刊行(1949年)などに見出すことができる。福祉教育が全国的に展開されるようになるのは,1970年代以降のことであり,とりわけ77年に制度化された「学童・生徒のボランティア活動普及事業」による。その背景には,高度経済成長に起因する社会福祉問題がすべての国民の日常生活の諸側面に現れるとともに,少子高齢社会の進展や,社会・経済の急激な変化による子ども・青年の生活や発達のひずみの顕在化などがあった。また,ノーマライゼーションやインテグレーションといった新しい福祉理念の登場があった。

 福祉・教育改革の実践化が図られるなかで,福祉教育はいま,新たな局面を迎えている。福祉教育といえば,これまでともすれば学校における福祉教育の実践活動に限定され,しかも学童・生徒のボランティア活動普及事業に基づくそれに矮小化されてきた。最近では,学校における福祉教育だけでなく,地域を基盤とした地域福祉の主体形成としての展開が強く求められ,そのあり方が問われている。地域福祉の実践・運動主体の形成や,福祉サービスの利用主体の形成,それに地域福祉計画の策定主体の形成などのための福祉教育や,地域子育て支援のための福祉教育などがそれである。教育改革に関しては,学習指導要領の改訂に伴って創設された「総合的な学習の時間」(小・中学校は2002年度から全面実施,高等学校は2003年度から学年進行により実施)や完全学校週5日制(2002年度実施),高校教科「福祉」(2003年度新設)などと福祉教育の関連や,そこでの福祉教育実践のあり方が問われている。

2008/10/19(日) 社会福祉原論・要点の整理1−4
*受験対策・社会福祉原論のポイント1−4 <1−3の補足も>
■社会保障の範囲
 日本では従来、所得保障、社会福祉、医療保障、公衆衛生の4部門とされてきた(労働保障を除いた場合)。

2 社会保障体系の段階
1)戦後の緊急援護と基盤整備(昭和20年代)
  ・戦後の混乱
  ・生活困窮者の緊急支援(救貧)
  ・引揚者対策
  ・栄養改善と生活改善
  ・伝染病予防
  ・社会保障行政の基盤整備

*「社会保障制度に関する勧告」社会保障制度審議会1950年―社会保障の定義の一例−
 「社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講じ、生活困窮に陥った者に対しては、最低限度の生活を保障するとともに、公衆衛生および社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすることをいうのである」

2)国民皆保険・皆年金と社会保障制度の発展(昭和三十年代からオイルショックまで)
  ・高度経済成長と生活水準の向上
  ・社会保障制度の基本的な体系の整備
  ・社会保険中心(救貧から防貧へ)
  ・各種給付の改善充実
  ・福祉元年

3)制度の見直し期(一九七〇年代後半から八〇年代)
  ・安定成長への移行
  ・社会保障費用の適正化
  ・給付と負担の公平
  ・安定的・効率的な制度基盤の確立
  ・ノーマライゼーション
 
4)少子高齢社会に対応した制度構築(一九九〇年代)
  ・少子高齢化の進行と経済基調の変化
  ・サービスの普遍化
  ・公民の役割分担
  ・地方分権
  ・地域福祉の充実
  ・社会保障構造改革

2 社会保障体系の新たな段階
■報告「21世紀に向けての社会保障」
2000年10月:社会保障構造の在り方について考える有識者会議
*持続可能な社会保障
・世代間の公平の視点
・持続可能な社会保障の構築に向けた方策
1.支え手を増やす
 支え手を増やす
 健康づくり・予防の推進
 子どもを産み育てやすい環境を整備する
2.高齢者も能力に応じ負担を分かち合う
 負担を若い世代と高齢者で分かち合う
 現在の現役世代と将来の現役世代
 高齢者の資産の問題
3.給付の見直しと効率化
 給付の効率化と合理化
 年金給付の在り方
 高齢者医療の見直し
 効率的で良質な医療の確保
 介護・福祉について
 社会保障の財源の調達
*21世紀の社会保障に向けての国民の選択のために:選択の幅
・負担を増大させても給付を確保していく選択
・負担を増大させずに給付を見直していく選択

第3節 社会福祉の思想と倫理 P23
1 生存権保障の思想
*日本の社会福祉のあり方について考えるうえで,日本国憲法に謹われた生存権保障の思想は,最も基本的な拠りどころである。それは国家にとっては責務・義務であり、国民にとっては権利とされている。

 「すべて人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等である」とした「世界人権宣言」(1948年国際連合第3回総会で採択)は、国民と国の間での権利と責任の範囲を超えて、「すべての人間」の人権保障をめざす社会福祉の考え方の羅針盤ともなった。
 またその後の人種や性や障害などによる差別からの解放を求める様々な当事者運動の台頭とあいまって、「国際障害者年」(1983年)とそれに続く「国連・障害者の10年」(1983〜1992年)を通して世界的に広まった「ノーマライゼーション」の思想が、「生活の質quality of life、QOL」の向上とともに、今日の「目的としての社会福祉」に重要な課題を提示している。

A社会保障思想
・社会保障思想を発展させるうえでは,国際的な労働運動が推進力の役割を果たした。日本における社会保障制度の整備は,国際的な社会保障の発展の流れからみれば後追い的になりがちではあったが,1960年代以降,一定の前進を示してきた。

.ILO(国際労働機関)「社会保障への道」1942年発表による定義
 社会保障の理念は、窮乏のおそれからのがれたいという人間の深い願望から生まれている。この理念を実現するためには、不安の原因をできるだけ除去しなければならない。各個人の努力だけで、そうした不安に対して十分な保護が得られないならば、社会による保障が必要である。社会の成員がさらされている一定の危険に対して適当な組織によって国民に提供される保障が社会保障である。また、社会保障の給付や扶助は、合理的な最低生活を維持するに必要な質と量をそなえなければならないが、同時に、それが慈恵的なものではなく、権利として請求できるものであることが大切である。

B人権保障の思想の具体化
*児童の権利に関するジュネーブ宣言
採択 1924年9月26日 国際連盟総会
 児童は、身体的ならびに精神的の両面における正常な発達に必要な諸手段を与えられなければならない。
 飢えた児童は食物を与えられなければならない。
 病気の児童は看病されなければならない。
 発達の遅れている児童は援助されなければならない。
 非行を犯した児童は更生させられなければならない。
 孤児および浮浪児は住居を与えられ、かつ、援助されなければならない。
 児童は、危難の際には、最初に救済を受ける者でなければならない。
 児童は、生計を立て得る地位におかれ、かつ、あらゆる形態の搾取から保護されなければならない。
 児童は、その才能が人類同胞への奉仕のために捧げられるべきである、という自覚のもとで育成されなければならない。

2008/10/18(土) 社会福祉原論。練習問題&ポイント
*社会福祉原論・練習問題

問題9 次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 「セーフティネット」とは、説明をうけた上での同意である。例えば、医師が患者に診療の目的・内容を十分に説明して、患者の納得を得て治療することである。
B 「児童後見制度」とは、判断力が衰えたり、認知症高齢者、知的障害者など自分自身の権利を守ることが十分でない人(成人)の財産管理や身上監護を支援する制度である。 
C ユニバーサル・デザインは、高齢であることや障害の有無などにかかわらず、すべての人が快適に利用できるように製品や建造物、生活空間などをデザインすること。アメリカのロナルド=メイスが提唱した。
D 昭和56年(1981)は、国連「国際障害者年」であり、テーマは完全参加と平等であった。
《組み合わせ》
1  A  C
2  A  D
3  B  C
4  B  D
5  C  D

===========================
<解答>

問題9 答え5
Aはインフォームドコンセント、
Bは成年後見制度 が正しい。

<ポイント>
*国際障害者年 ; IYDP
 1976年12月開催の国際連合第31回総会は,1981年を国際障害者年とすることを無投票で決議した。この決議案は43カ国の共同提案で提出されたものであり,代表してリビアが説明ならびに支持要請を行った。日本は,提案国に入っていない。国際障害者年は,国際婦人年(1975年)ならびに国際児童年(1979年)に続いて設定された国際年で,特に1975年に国連総会が採択した障害者権利宣言が影響したとされている。当初の決議では,そのテーマを「完全参加」としていたが,後の決議(1979年)で「平等」が加えられ,最終的なテーマは「完全参加と平等」となった。なお,1981年の国際障害者年までに関連決議が合わせて5度行われており,これらのなかで,目的が達成されるよう加盟国と関連国際組織に具体的な手段と計画の確立を促している。

*障害者権利宣言
 1971年の知的障害者の権利宣言をもとにして作成され,75年12月9日第30回国際連合総会で採択された「障害者の権利に関する決議」。障害者の定義に始まり,障害者の平等な権利保障,市民権・政治的権利の保有,各種サービス受給の権利,経済的・社会的保障に基づく生活水準保持の権利,社会的・創造的活動への参加の権利など,ノーマライゼーション理念に基づく総合的な生活保障の権利を明示した13カ条から構成されている。

*知的障害者の権利宣言
 第二次世界大戦後に設立された国際連合は,「戦争は最大の人権侵害である」という認識のもとに,1948年に世界人権宣言を採択し,「すべて人間は生まれながらにして自由であり,尊厳と権利において平等である」ことを宣言した。このような流れのなかで最も尊厳を傷つけられやすく,権利を侵されやすい知的障害者に対し,1971年の第26回国連総会で「知的障害者の権利宣言」が採択された。この第1条で「知的障害者は可能な限り,他の人と同等な権利を有する」と宣言し,地域での暮らしや就労,教育やリハビリテーション,経済的な保障を受ける権利,虐待から守られる権利などがうたわれた。そして1975年には,知的障害者の権利宣言の主旨を含め,すべての障害者の権利を擁護するための「障害者権利宣言」が採択され,1981年の国際障害者年,「国連・障害者の十年」(1983〜92年)へと発展していく。こうして,ノーマライゼーション理念,「完全参加と平等」の実現をめざす世界的な規模の行動へとつながり,21世紀へ向けて,障害者が市民としての地位を確立する運動へと発展していく。

*国連・障害者の十年
 「障害者に関する世界行動計画」関連の国際連合決議で,1983年から92年を「国連・障害者の十年」と設定した。国連は加盟国に対して,この期間を世界行動計画の効果的な追跡手段とするよう求めている。これをフォローアップするために,1988年から92年を「国連・障害者の十年後半期」とし,事務総長は計画の進捗状況や今後の焦点などを加盟国より収集している。なお,日本ではこれと同期間に「障害者対策に関する長期計画」が設けられている。

*障害者に関する世界行動計画
 1982年12月開催の第37回国際連合総会において無投票で採択された。採択に先立って,同年10月に国連総会第3委員会で「障害者に関する世界行動計画決議案」ならびに「障害者に関する世界行動計画の実施決議案」を審議し決議している。日本は,いずれの決議案の共同提案国にも入っていない。計画は,国際障害者年(1981年)に掲げた理念を具体化しようというもので,201項目からなっている。特に,@障害の予防,A障害者のリハビリテーション,B障害者に対する機会均等化,これらの目標の達成に向けて国際レベルと地域レベルでいかに取り組むべきか,そのための具体的な内容と方向を明示した文書である。同時に,計画期間として1983年から92年を「国連・障害者の十年」と設定している。

2008/10/17(金) 重要なお知らせです。MGU受験支援セミナーの開催予定と模擬試験対策など。
*11月中にMGU福祉士受験支援セミナーの続編を開催する予定です!!詳細は、当サイト及び学内にてお知らせします。
<第2回 福祉士受験支援セミナー:11月10日(月) 3・4限
内容:社会福祉の歴史(社会福祉原論を中心に各科目共通)(予定)>

*いよいよ、11月9日は、学内において模擬試験が行なわれます。
 これまでの学習の成果を試してみましょう!!
 もちろん、本試験に向けて、卒論と福祉士試験の両方で、学業の成果を顕しましょう!!

<模擬試験対策>
*今後も当サイト、受験支援セミナーは、全力を挙げて皆さんの受験を支援します!!しかし、力量、時間にも限りがあり、障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、医学、介護概論等の科目は、直接にはサポートが出来ないと思います。もちろん、原論等との共通事項は多々ありますし、皆さんの自主的な学習を、心から応援しています!!
 そこで、再掲のものもありますが、受験に役立つPCサイトを掲載します。当サイトではカバー出来ないところ等を、参考書に加えて、下記のサイトも活用しましょう。
 特に、厚生労働白書で、先の障害・老人・児童の各領域について、学習して下さい。自分の得意なもの、卒論と関わるものから、着手したら良いかもしれません。

<リンク、過去問題等を活用しましょう>
1 「やまだ塾」
 http://www.yamadajuku.com/
<紹介>
 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士(介護支援専門員等)国家試験の受験を支援するサイト。
<内容>
 基本構成は、福祉・福祉行政の動向、福祉専門職の知識・受験対策(3福祉士,ケアマネ)。
 例えば、第20回・19・18回 社会福祉士、介護福祉士、 第10・9・8回 精神保健福祉士 国家試験試験 問題・解答・解説 を掲載。
 最新の動向や、厚生労働省関連の資料、倫理綱領等へのリンクも役立つ。模擬問題も多数。
* やまだ塾は、福祉士試験受験生の多くがが活用しているサイト。受験のプロが作成しており、とても役立ちます。

<障害者・老人・児童福祉論対策として>
2 厚生労働省:「厚生労働白書」 等。
 http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/index.html
*分野別福祉の動向を把握するため、学内で印刷し、活用しよう。

<医学、介護、老人・障害者福祉論対策に>
「釧根介護福祉士会」
 http://happytown.orahoo.com/senkonkaigo/
*介護福祉士試験の過去問題・解説が充実しています。社会福祉士と科目が一部重なっている、介護の「社会福祉概論」「老人福祉論」「障害者福祉論」「社会福祉援助技術」「医学一般」「介護概論」などは練習問題として活用できるでしょう。ただし、私だけかもしれませんが、一部の問題の正答が確認できません。

<社会福祉法は最低限、確認しよう!>
 福祉六法等、各種法律
「法令データ提供システム」
 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
*卒論等にも活用できる、各種法律。社会福祉法は必ず確認しましょう!
例:社会福祉法  
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO045.html
生活保護法  
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO144.html

<まだ、参考書も何も準備していないという方は、下記の参考書と辞書のセットを強くお勧めします!!参考までです。>
■過去問題集
「2009年版 社会福祉士・精神保健福祉士国家試験  問題分析と受験対策 【共通科目編】」 中部学院大学研究会プラス 510頁  本体 3900円+税195円  コード 978-4-86189-061-1
久美出版 http://www.kumi-web.co.jp/book/2008/05/_2009.html
 社会福祉士(第16回から第20回)・精神保健福祉士(第6回から第10回)国家試験共通科目の問題を完全収録
● 左ページに問題、右ページに必須知識・解答を配置し、問題を解く際に解説・解答ページを探す必要がなく、学習がスムーズに進むように工夫しています。

「2009年版− 社会福祉士国家試験 問題分析と受験対策【専門科目編】」
 中部学院大学研究会 プラス
 B5判 529頁  本体 3900円+税195円  コード 978-4-86189-063-5 久美出版

<精神保健福祉士試験受験の方は>
「2009年版−精神保健福祉士国家試験 問題分析と受験対策【専門科目編】」
 中部学院大学研究会 プラス 511頁  本体 3500円+税175円 コード 978-4-86189-062-8 久美出版
 精神保健福祉士(第6回から第10回)国家試験専門科目の問題を完全収録
[内 容]・精神医学 ・精神保健学 ・精神科リハビリテーション・精神保健福祉論・精神保健福祉援助技術

<辞書>
「現代社会福祉辞典 CD-ROM版」  秋元美世,大島巌,芝野松次郎,藤村正之,森本佳樹,山縣文治/編
 定価 5700 円(税込 5985 円) ISBNコード 4-641-00263-0  有斐閣
*HPより引用
 現代社会福祉辞典のCD-ROM版。書籍版の全文を収録,必要項目には参考文献,URLを付加し,発展的な理解への便を図った。見出し語五十音・アルファベット順検索,見出し語文字列検索,主要語検索,全文検索の機能を備え,また解説文中の参照用語へのジャンプなど,CD-ROMならではのアクセシビリティにより,多面的・有機的な理解がスピーディーにできます。[動作環境]Windows98/Me,WindowsNT4.0/2000/XP
*書店に無ければ、ネット書店等で購入。 Amazon http://www.amazon.co.jp/ 


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2008/10/15(水) 社会福祉原論・要点の整理 1−3
*社会福祉原論・要点の整理 1−3
第2節 社会福祉と関連諸施策 テキストP18
1 社会保障との区別と関連
 日本の社会保障制度は、個人のライフサイクル(一生の過程)全般にわたって、病気やけが、障害、育児、失業、所得の喪失など、およそ社会的な援助を必要とする事態を網羅的にカバーすることを図ったものである。
 社会保障は、個々人では対応が困難な危険(リスク)に対して、社会全体で対応するものであり、個々人で対応するよりも、合理的かつ効率的な仕組みである。なぜなら、社会保障は、広く薄く負担することにより危険(リスク)に備え、病気にかかったり、稼得能力が減少する高齢期に至ったりした場合には、相当の給付が受けられるというものであり、これにより、個々人にとって、過剰な貯蓄が不要となったり、不安感が解消されたりするからである。

■社会保障の定義
 定義の例として、社会保障制度審議会は社会保障を、
「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民に健やかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」と定義している(1993年)。
 しかし、欧米諸国においては「社会保障」という言葉の意味するところは、我が国と異なっている。また、日本においても、社会保障制度の範囲・内容・対象者の変化、社会保障の給付水準の変化や規模の拡大、新しい手法の導入、サービス提供主体の拡大等を踏まえ、社会保障の定義が変化してきた。

■社会保障の目的と機能
 <社会保障の主な目的>
 (1)生活の保障・生活の安定
 (2)個人の自立支援
 (3)家庭機能の支援
 <社会保障の主な機能>
 (1)社会的安全装置(社会的セーフティネット)
 (2)所得再分配
 (3)リスク分散
 (4)社会の安定及び経済の安定・成長

 社会保障制度の組み方は、@「社会保険」方式(保険料を拠出する)とA「社会扶助」方式(無拠出による給付)に大別できる。

 それぞれ長所と短所がある。欧米諸国の制度を見ると、医療費保障や老後の所得保障については、社会保険方式を採用することが一般的であり、我が国においても、一九五〇年の社会保障制度審議会勧告において社会保険中心主義が提唱され、現に社会保険制度が社会保障制度の中核となっている。社会保険制度は、保険料負担の義務がある一方で給付の権利が生じるものであり、こうした義務と権利を認識した人々が、社会連帯の精神を基盤にしてともに支え合う仕組みという点で、成熟した現代社会にふさわしい制度である。

■社会福祉の思想と倫理 P23
@生存権保障の思想
*日本の社会福祉のあり方について考えるうえで,日本国憲法に謹われた生存権保障の思想は,最も基本的な拠りどころである。
 日本国憲法第25条第1項は「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定している。
 生存権の保障は,単なる生存の保障ではない。「健康で文化的な最低限度の生活」をすべての国民に保障することを意味している。また、人問らしい・豊かな生活の保障を目指すものでなければならない。また第2項では,「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために,国が社会福祉の向上及び増進に努めなけれぱならないことが明確に規定されている。

A社会保障思想
・社会保障思想を発展させるうえでは,国際的な労働運動が推進力の役割を果たした。日本における社会保障制度の整備は,国際的な社会保障の発展の流れからみれば後追い的になりがちではあったが,1960年代以降,一定の前進を示してきた。

B自己決定権の尊重と自立支援
 各分野,領域に共通して,人権保障の中心課題の一つとされているのは,自己決定権の尊重である。
 自らの人生を自ら選び取ることなしに「人問の尊厳」を保つことはできない。自己決定を尊重する思想は,医療,看護,介護をはじめ,社会福祉に関連する多くの領域に広がりつつある。医療,看護の領域では,インフォームド・コンセントの思想の普及によって,治療の方針や内容をできる限り患者本人や家族に説明し,納得を得たうえで,患者自身の選択に基づいて治療を行う方向に進みつつある。過剰な延命治療を拒否する「尊厳死」の主張,ホスピスなどでのターミナルケアの取組みは,どのように死を迎えるかまでを含めて,人生における自らの選択を最大限に尊重することを基本に据えている。自己決定権の尊重は、「与えられる」立場におかれてきた患者,障害者,要介護者などを,改めて「人生の主体者」としてとらえ直すことを求めており,その意味において,「対象者観」の変革を迫るものでもある。セルフヘルプの活動のなかにも,自己決定権の尊重の思想が反映している。

C福祉社会に向かつての改革
ノーマライゼーション:隔離・収容型の福祉への批判から始まり、障害者と健常者とが生活をともにする社会を実現することを目指す取組み。

2008/10/09(木) 社会福祉原論・ポイント
*社会福祉原論・要点の整理1−2
◆社会福祉援助活動の目的
 専門的な社会福祉援助活動の目的とは、
@すべての人の、人権擁護の実現をめざして、
A歴史的・社会的実体としての社会福祉問題をとらえ、
Bその予防、改善、解決を含む社会的対応を図るため、
C価値・知識・技能の共通基盤をもつ専門的立場から、
D当事者が主体的に問題解決に取り組む力と過程を支援するとともに、
E広く環境にはたらきかけてフォーマル・インフォーマルなサポート・ネットワークを発展させ、
F全体としての社会福祉の向上を図ることにある。
 それは、人と環境の問題や、現代社会の構造などが要因となって生み出される社会的問題に向けられたものであると言える。

■解説:社会資源
 社会資源とはソーシャル・ニーズを充足するために動員される施設・設備、資金や物資、集団や個人の有する知識や技能を総称していう。

2)社会福祉のメゾ環境 テキスト7頁
■ミクロ・メゾ・マクロ
 ソーシャルワーク実践の対象は,ミクロ(小領域),メゾ(中領域),およびマクロ(大領域)に分けられる。
 ミクロ領域の実践には,個人のもつ生活問題や精神保健問題への支援,家族や小集団への介入や支援などが含まれる。
 メゾ領域には,地域住民の組織化や支援や社会福祉機関の管理・運営などが含まれる。
 また,マクロ領域には,自治体の調査,計画立案,実施と評価,国の政策立案,実施,評価,社会サービスの管理・運営などが含まれる。小領域,中領域のソーシャルワーク実践に対し,組織の管理・運営や組織化,政策立案などの指向性を含んだ実践をマクロレベルの実践とよぶ。

3 社会福祉の範囲 テキスト11頁
1 社会福祉の類型と基準
・ "この法律において「社会福祉事業」とは、第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。" (社会福祉法第2条)。それぞれに該当する具体的な事業を列挙している。

*第一種社会福祉事業 95頁参照
 第一種社会福祉事業は、公共性の高い事業であって、人格の尊厳に重大な関係を持つ事業、また生活保護事業で、不当な搾取が行われるおそれがある事業ともされている。第一種社会福祉事業の経営主体は、国と地方公共団体(独立行政法人)、社会福祉法人に制限されている。

*第二種社会福祉事業
 第二種社会福祉事業は、第一種事業以外の、社会福祉の増進に寄与する事業とされており、第一種に比べて利用者に及ぼす影響がそれほど大きくないために、事業の経営主体は社会福祉法では特に制限されていない。しかし、他の福祉関係法規で規制されている場合もある。第二種社会福祉事業は具体的には、生活困難者に対する居宅援助、生活相談事業、宿泊所の提供、居宅生活支援事業、在宅福祉サービス、ホームヘルプサービスなどである。

■解説:社会福祉法
 福祉サービスの利用者の利益の保護、地域における社会福祉の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明適切な実施の確保、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もって社会福祉の増進に資することを目的とした法律である。社会福祉事業法(1951年制定)を改正、名称を変更して平成12年(2000)に公布。

■解説:ホームヘルプサービス
 介護保険では、訪問介護ともいう。精神障害者や身体障害者、障害児、虚弱や寝たきり、認知症などの高齢者のいる家庭をその担い手であるホームヘルパー(訪問介護員)が訪問し、介護サービスや家事援助サービス、相談・助言を行なうサービスである。具体的には、食事や排泄、着替え、入浴、清拭などの身体介護、調理や洗濯、掃除、衣類の修繕、買い物などの家事援助、また日常生活上の各種相談・助言が中心となる。ゴールドプラン以来、デイサービス、ショートステイと並んで在宅福祉3本柱の一つに位置付けられている。

2 援助提供組織の多元化
◆援助提供組織の類型
 近年,福祉サービス供給や政策研究において,サービス供給の多元化である「福祉多元主義(多元化)」が進んでいる。福祉サービスを供給する主体の分類として次のようなものが挙げられる。
@公的福祉セクター(部門) 法定部門とよばれることもある
A民間福祉(民間非営利)セクター(部門)
Bインフォーマル(非公式)セクター(部門)
C民間営利(市場)セクター(部門)

■解説:インフォーマルサポート
インフォーマルサポートとは、専門職・職業としてではなく、地域住民や家族の会などによる支援である。特徴として、専門性は低く、安定した供給は無理であるが、情緒面での支援に貢献できる点が挙げられる、とされている。
 社会福祉援助活動の担い手は、社会福祉および社会福祉関連分野の専門家のみではない。今日では、社会福祉問題をかかえている当事者、社会福祉サービスの利用者、そして家族や友人、隣人、ボランティアなどが、専門の教育・訓練を受けた専門家とパートナーシップを組んで、全体として社会福祉援助活動を担っていくものと考えられるようになった。
 したがって社会福祉援助活動は、広い意味では、何らかの制度的規定の有無や社会的承認の程度による「フォーマルな活動とインフォーマルな活動」、担い手の専門性による「専門的活動と非専門的活動」などの全体を含むが、狭い意味では、専門的な社会福祉援助活動に限定してソーシャルワークといわれている。

2008/10/05(日) 公的扶助論・ポイント
◆離職者支援資金 テキストP167表6-5
 離職者支援資金は、「失業によって生活の維持が困難になった世帯」に再就職までの生活資金を貸付する制度。社会福祉協議会が行っている生活福祉資金の新たな貸付資金として2001年度制度化された。
*貸付対象者:次の要件の全てに該当する場合に貸付が受けられる。
@生計中心者の失業によって生計の維持が困難となった世帯であること。また、多額の預貯金を有していないこと。
A生計中心者が就労することが可能で、求職活動等を行っていること。
B生計中心者が就労することにより世帯の今後の生活の見通しが明らかなこと。あまりにも多額の負債を抱えている場合などは貸付対象とはならない。
C生計中心者が離職の日から2年(特別の場合は3年)を超えていないこと。
 ※「特別の場合」とは、就労のための技能取得等を行っている場合である。
D生計中心者が雇用保険の一般求職給付を受給していないこと。

◆長期生活支援資金
 『長期生活支援資金』は、一定の居住用不動産を有し,将来にわたりその住居に住み続けることを希望する高齢者世帯に対し,当該不動産を担保として生活資金の貸付を行う制度。貸付することにより、その世帯の自立を支援することを目的とした資金である。
 資産活用制度(リバースモーゲージ)として民間金融機関や福祉公社等が行っていたが,社会福祉協議会の行う生活福祉資金の貸付資金として,2003年度から制度化された。当該資産(居住用不動産)の状況、連帯保証人の信用を総合的に評価し、毎月の生活費(原則、年金等他の収入と併せて生活保護基準の約1.5倍程度まで)に充てるための資金を長期(3年更新)にわたり貸し付ける。
*貸付対象者
・世帯の構成員が65歳以上であること
・借入申込者単独所有の土地、建物であること(マンションは不可)
・同居の配偶者と共有である場合は配偶者が連帯借受人となること
・借入申込の世帯が市町村民非課税程度の低所得者世帯であること
・土地、建物に賃借権等の利用権や抵当権等の担保権が設定されていないこと
・配偶者又は親以外の同居人がいないこと
・推定相続人から1名の連帯保証人が必要であること

◆緊急小口資金
 低所所得世帯が、次の理由により緊急的かつ一時的に生計の維持が困難となった場合の貸付。
ア.医療費又は介護費の支払等臨時の生活費が必要なとき
イ.給与等の盗難又は紛失によって生活費が必要なとき
ウ.年金、保険、公的給付等の支給開始までの生活費が必要なとき
エ.火災等に被災によって生活費が必要なとき
*貸付限度:50,000円。償還期間:4ヶ月以内。貸付利子:年3%。連帯保証人は不要。
*平成15年1月、低所得世帯の緊急で一時的(2か月間)な資金需要に迅速に対応できる比較的少額(5万円まで)の貸付制度として「緊急小口資金貸付制度」が創設された。貸付対象者は、本人又は同一世帯員の傷病、給料等の盗難、紛失、火災などによる被災者とし、生活福祉資金と異なり連帯保証人を必要としない。

■解説:生活福祉資金貸付制度
 民生委員による「世帯更生運動」に端を発し,この運動を効果的に進め当該世帯への経済的援助を行うことを目的に「世帯更生資金貸付制度」が国の補助金を得て始まった(1955年)。
 事業の実施主体は都道府県社会福祉協議会。1990年には名称を「生活福祉資金貸付制度」と改正した(厚生省通知,平成2年)。この事業は「低所得者,障害者又は高齢者に対し,資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより,その経済的自立及び生活意欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り,安定した生活を営ましめること」が目的とされており,資金の貸付と民生委員による援助が一体となって行われるところに特徴がある。
 貸付資金の種類は,「更生資金」「障害者更生資金」「生活資金」「福祉資金」「住宅資金」「修学資金」「療養・介護資金」「災害援護資金」の8種類で,貸付利子は据置期間経過後,年3%となっている(なお,「修学資金」「療養・介護資金」,その他の資金の一部については無利子)。
 その中の「障害者更生資金」とは、身体障害者,知的障害者,精神障害者(1998年度より)のいる世帯が対象で,生活の向上に役立たせる目的で自営業等を営むための生業費,就職等のための支度費,技能習得のための技能習得費などを,低金利,長期の返済という条件で借りることができる。
 また,2001年度からは,失業によって生計の維持が困難となった世帯に対して再就職までの間の生活資金を貸し付ける「離職者支援資金」が,2003年度からは,不動産を担保に高齢者に対して生活資金を貸し付ける「長期生活支援資金」が本資金制度の一環として創設された。

■用語解説:民生委員
 民生委員法に基づいて住民のなかから選任される委員で,自治体の人口規模によって定められた配置基準に従って70〜440世帯の区域を担当し,住民の生活状態の把握,相談・援助,福祉サービスに関する情報の提供,社会福祉事業を行う団体や行政に対する協力・支援などを行っている。3年の任期で厚生労働大臣から委嘱され,給与は支給されない。また児童福祉法による児童委員を兼ねている。1948年に民生委員法が制定されて以後,行政の協力機関という立場で,行政から依頼される調査や相談・援助等を行うことを活動の中心としていた。しかし,2000年に行われた法改正で,民生委員は住民の立場にたった活動を行うものであるということが明記され,それまであった「名誉職」という規定が削除された。これらによって,住民の福祉サービスの利用を支援する者としての役割が期待されるようになっている。

2008/10/02(木) 社会福祉原論・ポイント
受験対策・社会福祉原論1-1 ポイントの整理
 テキスト「福祉士養成講座 社会福祉原論」(中央法規)P2〜
第1章 社会福祉の概念
■社会福祉とは何か
 概略的な意味としては,個人が社会生活を営むうえで生じる生活上の困難・障害を解決・緩和するための,政策的・集団的・個人的な援助の諸活動の総体と捉えられる。しかし,使用目的や視点の相違,または国や時代の違いによって多義的に用いられ,一義的に定義できない。
 史的展開として社会福祉を捉えると,他者の生活困難に対する共同的援助行為という共通項を軸にして,原初的段階から今日の形態まで,発展段階を大きく二つに区分できる。第一は,国家が政策的に介入する以前の段階としての,相互扶助,慈善事業,博愛事業である。第二に,国家が政策的に介入を行った段階として,救貧事業,社会事業,社会福祉事業があげられる。社会福祉は,これらの段階を経て発展してきた。
 わが国では社会福祉ということば自体は戦前から用いられていたが,公式に使用されたのは,日本国憲法の25条においてである。しかし,ここでは「社会保障」「公衆衛生」と並記されているが,意味内容についての記述はない。法律的な社会福祉の内容は,社会福祉法(2000年に社会福祉事業法から題名改正)に社会福祉事業として列挙されている。

■社会福祉の理念と枠組み
@ 社会福祉理解の視点
* 歴史的形成:社会福祉は一夜にして形成された施策・制度ではない。
 このような社会福祉を理解するには,慈善・救貧事業から社会事業の時代を経て社会福祉に至る歴史的な文脈のなかでその成立・展開の過程を理解するという視点が不可欠である。

*市民主体性:社会福祉の具体的な展開の過程は、利用者(当事者)を含む市民一般によって展開される多様な主体的自主的な活動によって支えられ,維持されている。

*自立生活の支援:社会福祉基礎構造改革が実施され,利用者の自立の支援ということが新しい社会福祉の理念となった。「自立」は所得の保障を含め多様な社会サービスによって支えられる,広い意味での自立である。

A 社会福祉と政治
 社会福祉の発展は、市民の財産,自由,平等の保障という市民権的基本権の尊重がなければ期待され得ない。その発展は民衆の,労働権や生活権の保障という社会権的基本権の実現の過程と並行している。

B 社会福祉と文化
 差別的な障害者観の強い社会や時代に障害者に対する施策の発展は停滞しがちである。
 また、社会福祉の世界で発展させられた価値観が、社会一般の価値観にも影響を及ぼした例としては,ノーマライゼーション思想の一部であるバリアフリーの思想とその影響をあげれば十分であろう。バリアフリーは,広く建築や都市計画の理念としても定着している。
★ バリアフリー:高齢者や障害者にとっての環境的な障壁(バリア)を取り除く(フリー)こと。

D社会福祉と共同社会
 社会福祉の起点ともいうべき相互扶助や相互支援は人々の伝統的(地縁、血縁)共同体的な結合にその土台があった。しかし, 農村型社会が都市型社会に移行する過程でそのままではなくなった。新たに自立と共生を基盤とする共同社会として再生させることが必要である。

E 利用者・市民システム
 社会福祉の利用者や市民が福祉施策の意思決定過程に参画し,あるいは福祉サービス提供の過程・苦情処理の過程などに参画する市民や市民組織,またその活動などの諸問題に関わっている社会活動システムは,社会福祉の利用者,支援者,市民一般によるアドボカシー,ソーシャルアクション(社会活動法),社会運動などのありように関わっている。

F援助提供組織の多元化
 社会福祉事業のなかでも第一種社会福祉事業の運営主体は原則として国,地方自治体,社会福祉法人に限定されてきた。しかし,1980年代以降,行政関与の第三セクターである福祉公社,ホームヘルプサービス(訪問介護)の利用会員と提供会員から構成される会員制の市民型互助組織,利用者や支援者による当事者型互助組織,生活協同組合や農業協同組合,さらには有料老人ホームやベビーシッター事業など広く福祉関連サービスを商品として提供する福祉産業の参入とも相まって,社会福祉の援助提供組織は著しく多様・多元化することになった。

G社会福祉の概念
 社会福祉とは,経済的には資本主義体制,政治的には民主主義体制をとる都市型社会において,市民の権利としてその自立生活,自己実現,社会参加を支援する社会的方策・制度の体系である。

2008/10/01(水) 掲載を終了しました(他の日も同じく)
 練習問題等の掲載を終了しました。
 引き続き、当サイトと下記のリンクをご活用ください。

<社会福祉士・精神保健福祉士 受験対策レジュメ&練習問題集>
 関屋光泰が講師を担当した、受験支援セミナーのレジュメや模擬問題等の一部です。URLをクリックで、PCで閲覧できます。

@社会福祉の歴史 レジュメ・資料集(受験支援セミナー・MGU学内学会主催2008年11月10日)
http://docs.google.com/Doc?id=dcn94hv7_11c985njc2  

A社会福祉の歴史等、練習・模擬問題集(同上)
http://docs.google.com/Doc?id=dcn94hv7_12kpjxk5f5 

Bソーシャルワーク・社会福祉援助技術論、練習・模擬問題集(受験支援セミナー・MGU 第3回)
http://docs.google.com/View?docID=dcxvhmvj_4gnnzpghj&revision=_latest


C地域福祉論等、練習・模擬問題集(受験支援セミナー・MGU 12月1日)
http://docs.google.com/View?docid=dcn94hv7_134w7t7bdz

D公的扶助論(生活保護制度)web講座
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9517/1225585731/


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