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2008/10/10(金) 不思議‥‥
久しぶりに海が見たくなり、いつもの港に車を止めて、明日の仕事のまとめをし
ておりました。
釣り人が なんと多いこと‥‥ サビキで10cm前後の豆アジが ひっきりなしに
釣り上げられてます。
そんな光景を見ながら まとめ作業をすすめておりました。

たくさんの人が撒き餌を打ち、サビキをやってるものだから 無論魚は その周囲
に集まり群れている訳でして、そうなると、ますますそこへ釣り人が集まって来
るんですね。 岸壁はもう 満員状態。
これだけ鮨詰め状態にもかかわらず その反対側には人がいない。
覗きこんでみると、男性、お父さんが ひとり座って竿を出していらっしゃる。
案の定、撒き餌が なかなか効かず魚が やって来ないようだ。魚は正直である。
満員側では相変わらず、お母さんグループ達の釣れ騒ぎが わき起っている。
しかし その お父さん、全く意に介さず、我関せずって感じで、正面の竿、海を
見ていらっしゃるのだ。

こんな感じの人って、何故か好きだ。気になり親近感がわいてくる。
車から降りて後方離れた所から、しばらく お父さんの所作を見つめていた。
サビキではなく、オキアミ一匹付けのウキ釣り‥‥ これでは なかなか魚に気付
いてはもらえない。 一発大物グレ? はたまたチヌ? を狙っていらっしゃるの
かな‥‥?
  ‥‥ 気になる‥‥ 横、後ろ、周囲をほとんど見ることもなく黙々と、とい
った感じ。 ますます私の心をくすぐりながら引き掴む、お父さん。
我が道を行く‥‥ いい。 声をかけてみようと 静かに すぐ近くまで歩み寄って
みた私‥‥

すると私の気配に気付かれ、まるで映画、あのエクソシストの悪霊憑きの女の子
みたいに、首をゆっくり回しつつ 私を見上げられた。
  ‥‥‥ ハッと息を飲む私‥‥ まずかったか‥‥ 少々 焦った。
ところがである‥‥ お父さん、意外にも 可愛らしい笑顔を浮かべられ、声をか
けられた。
『ヘヘ‥‥ 今日はダメだなぁ〜。』   お父さんの笑顔、思ってもいなかった
対応に安心して余計な言葉を発してしまった‥‥
「いつもは釣れてるんですか?」  ‥‥ うっ、お父さんの顔色が少し変わった
‥‥ ヤバイっす‥‥(焦)
と同時に、腰掛けていらっしゃったクーラーBOXから腰を上げられ、そのクーラ
ーBOXに手を伸ばされた。 ウグッ‥‥ マズイっす! 気を悪くされ、片付けられ
るのかぁ‥‥?
おもむろに BOXの蓋をパコンと開けられ‥‥ 中をゴソゴソ。
『ホイ、飲むかね?』と言いながら、2本取り出されたスタミナドリンクの一本
を私に差し出された。 スタミナドリンク‥‥ 恐縮至極の中、また お父さんの
言葉が‥‥『釣りは やられるかね?』
「ハァ、最近は なかなかやれないんですが、好きなんですよ。 海を見てるだけ
で満足できちゃいます。」
『私もだ。 ふ〜む‥‥ 今日はダメだな。  ‥‥ あんた、テレビ出てる人かね
‥‥?』

短い時間の会話の後‥‥ 2人黙って前方の海を見つめていた。
しばらくして お父さん、竿をしまわれ、カラのクーラーBOXを車に積み込み、笑
顔を残し 帰って行かれた。
その消えゆく車を眺めていると、突然である‥‥ 強い雨がバラバラと降り始め
てきたではないか‥‥ ??
お母さんグループ達、そして周りの釣り人達皆さん、大声を発しながら車に避難
して帰って行かれた。

不思議な お父さんだった。 あのタイミングって何だろう? 不思議な雨だった。


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