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2007/06/01(金)
空の時
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山並に向かい、旧家が並ぶ村中を抜け通り、色付いたビワや、山ツツジに目を 奪われながら 深山幽谷に分け入る。 誰も来ない山道、獣道を登っていく。 木々のトンネルを抜けて 更にしばらく登っていくと、小さな ほこら、洞窟が ある。 梺から急坂、片道40分‥‥ 私の修行の場がある。
眩しく美しい新緑が風にザワめく。 雨で濡れた土くれの香りが懐かしい。 大岩に厚くこびりついたコケからポツンポツンとしたたり落ちる雨垂れの音。 被いつくされた頭上の木から響き聞こえる鳥の鳴き声。
2時間程、座を組み‥‥ そのあと、山中のかすかな道を歩く、歩く。 笹や小枝、小雨が顔を叩く。 汗にまみれ、流しながら3時間程 歩く、歩く。 そして ふたたび、洞窟に帰り着き、またまた2時間 座を組み、無をつくる。
この行程を2日間‥‥ 小さな小さな行。 俗界を離れ、大自然のみに守られ抱かれる空の時中。 相変わらず心揺れ動く、アクセクした毎日に縛られている小さな自分に気付か される。 心と身体を溶け合わすように、静かに大自然の一部と化す時の中。
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