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2006/02/16(木) 短編小説 その3/テキサス物語
その後、早射ちロビンソンは悩み続け自分の過去を捨て切れないでいた。自分の人生
とは 一体何なのか来る日も来る日も自問自答を繰り返すだけの日々が続いていた。
彼の妻、マキーチャンは 中国生まれ。留学生として日本に来ていた。そんな中、
ロビンソンと知り合い結婚したのは周知のとおり‥‥ ある日 彼女が、悩む彼の
姿を見るにみかねて言葉をかけた。「私の故郷に行けば 何か大切なものが
見つかると思うわ‥‥ 心の見える町だから、行って来て下さい。」 
そんな彼女の温かな言葉を受けて、ロビンソンは遥かなる中国へと
旅立って行った。
中国に着いてからも 彼の早射ちの悩みは消えることはなく、あてもなく
彷徨い続けた‥‥ 広大な砂漠地帯、奥深い山々、大河のほとりを歩き続け‥‥
彼の身体は朽ち果てる寸前までに達していた。
疲れた身体をひきずるように小高い峠にさしかかった時のこと‥‥ どこからか
美しい音色が聞こえてきた。その音色に誘われるように力を振り絞って歩く
ロビンソンの前方、琵琶を奏でる老人が現れた。 ビヨヨ〜ン ビロヨ〜ン‥‥
ロビンソンを見上げた老人が語りかけた。『この音色がお好きかな?』
「はい、なんて素敵な音色‥‥心に染み入ります。」『迷うておるな‥‥
よければ話してごらんなさい。』 「はい、ご老人‥‥‥実は私は、
いつも唇噛みしめ遥かな遠い夜空を見上げて祈った。琥珀色に煌めく希望の星を
探してにらんで叫んだ。泣けばとばされ つつかれ はじかれ、歴史の片隅に
捨てられ、笑えば白眼剥かれて けなされ 冷たい世間の波に流されて、まるで月の
砂漠を彷徨う 長く果てないロンリーボーイ。乾き揺らぐ蜃気楼のように 行方迷わし
遮る夢風。金だ 名誉だ 平和だ 愛だと 汗もかかずに 手を汚さぬまま、慈愛の心
ほっぽらかしてる、そんなズルさを許せない涙‥‥‥ ??んん?
夢中で語っていたロビンソンが顔を上げると老人がいない‥‥ まもなく老人が
その場に帰ってきた。『スマン、スマン、おしっこ‥‥』「‥‥‥‥ それはそうと、
ご老人は 相当な琵琶の名手なのでしょうね?」『そんなことはない、ぐうたらジジイ
じゃて。』「いえ、私には その琵琶の音色で分かります!」『ホホ〜、分かるかの
‥‥ お若いの。』「この音色の中に 私の心が見える気がします! ぜひ、ぜひ、
お名前を お聞かせ下さいませ。」
『ワシの名前かな‥‥ ふ〜む名前は、スーサンと言うモンじゃ‥‥。』
「な、な、な、な、なんですとっ、ス、ス、スーサン‥‥ って、あの、あの、
中国の神と崇め奉られる ビ、ビ、ビ、ビ、ビ、琵琶法師の スーサン大師‥‥
なのですかーッ!」 
  ‥‥‥‥ まるで神のごとく、早射ちロビンソンの前に現れた スーサン大師‥‥
この老人が ロビンソンの生き方、人生を、大きく変えることになるとは‥‥‥
 次回 立志編、乞うご期待!


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