|
2006/10/26(木)
『 THE BIRDMAN .23 』 今回で最終回!サンクスでした!!
|
|
|
その後 やすおは、「喜・楽」の 真なる心を片時も忘れることなく、周囲に心 捧げる 大いなる悟日を過し始めていた‥‥‥。 そんなある日‥‥‥
「一週間経ちますね‥‥ あのセキセイインコちゃん、どこに逃げて行っちゃっ たんでしょうねぇ? あんなに やすおさんに慣れていたのにね‥‥‥」 「いやぁ〜 ついうっかり外に連れ出したら飛んで行っちゃって‥‥ 居心地が 悪かったんだろうかね?」 「まっ、淋しいでしょうけど、元気出して下さいよっ! これから年末に向かっ て忙しくなるんですから、頼みますよっ!」
「{ 元気を出せ‥‥か‥‥ あと5日の命と聞いたが、既に1週間が過ぎた‥‥ 本当に救われたということなのか‥‥ ‥‥‥? ‥‥‥ ?}」 『{ ん‥‥‥ オイラを 呼んでいるのか?}』 「{ ‥‥ あっ、いや‥‥ その‥‥}」 『{大丈夫だ。寿命は変わったよ‥‥ これで 全てが真実だということ、分って くれただろう?}』 「{有り難いことだ‥‥ この身、大切にして 色々尽さなければな‥‥}」 『{うん、そうだな。}』
プルプルプルプル‥‥‥ プルプルプル‥‥ 「もしもし‥‥ 車の事なら何でも OKの‥‥ あら〜、久しぶりね! やすおさん電話よっ!」 「 ‥‥ もしもし、おお〜 ”ひでかず”! 元気だったかぁ!?‥‥ えっ!? 何だって‥‥? 仕事場に鳥が来たっ? 黄色いセキセイインコが迷い込んで来 たって‥‥? ”おはよう、ただいま”って喋る‥‥ インコ!? 飼ってくれっ たって‥‥ ま、待てよ、きっと お前を目指して飛んで来たんだよっ!! お前が責任をもっ ‥‥‥‥ お、お、お〜いっ、ひでかず〜〜っ!! ‥‥‥‥ 切りやがった。 今から届けに来るってさ‥‥」 「前のインコと色は違うけど、今度は喋るんでしょ! 良かったじゃない‥‥ やすおさん!」 「勘弁してくれよ〜〜‥‥‥ {お、おい、オシト‥‥ 聞こえているんだろう? まさか‥‥ だよな‥‥!?}」 『{ さぁね、どうだかな‥‥ もしかすると、だったりしてな‥‥ クックックッ クッ‥‥‥}』
ふと気付けば、風が冷たく感じられる季節に 移っていた‥‥ 事務所の中では 相変わらず‥‥ 「ねえ、味噌ラーメン!? それとも日清焼き そば〜〜!?」‥‥‥ ヒステリッキーな声が響いている。 やすおは、工場 入り口の壁に寄り掛かり、煙草をふかしながら、天高く澄みわ たった青空を見上げ、呟いた‥‥ 「{あの日も‥‥ こんな 眩しい青空だったよなぁ‥‥‥‥。}」 『{ ‥‥‥ ああ、そうだった‥‥‥‥。}』 「{ ‥‥空って、いいよなぁ。 まるで、心そのものだよ‥‥ 広くて、深くて、 大きい心だ‥‥‥ }」
足元、冷たい風に飛ばされて来た枯れ葉が カサカサとまとわりついている。 そんな 小さな 小さな現実をも 優しく見守れることが出来るようになった自分 に、かすかな 照れ笑いを贈っている‥‥ やすおであった。
『 完 』
THE BIRDMAN、長きにわたり、ご愛読 有難うございました。
|
|
|