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2006/10/21(土)
『 THE BIRDMAN .18 』 さあ、夜食、何にするかな!
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「あのぉ‥‥ 神様ぁ‥‥ ちょっといいですか‥‥??」
**** はやなえ氏、そなたの2つ疑問は読心していますよ。 まず‥‥ 神様 に退職なんてあるんですか‥‥ ですね? そなたが思った通り、それは ありえないことです‥‥ ですが、神の域にも 「位」というものがあるのです。 わたくし達は 人の心、在り方を説く、人間 だけの域を司る神‥‥‥神処では まだまだ駆け出し、進化の過程にある神でも あるのです。 そんなわたくし達ですが、まもなく大きな上の務めに昇り移らなければならな くなりました。ですから、後継できる確かな者を配し、務めが継承できるよう、 整えておかなければならないのです ****
「なるほどぉ‥‥ 栄転、出世っていうヤツですかぁ‥‥ よかったですねぇ。 ということはぁ‥‥、一番上の神様って、<界王神様>って言うんじゃないで すか!?」
**** それは ドラゴンボールというマンガのことではないのかな? それは 違います ****
「ドラゴンボールって‥‥ 知ってるんだ。もしかして、ピッコロ大魔王じゃな いですよねっ?」「はやなえさんっ!‥‥ シ〜〜ッ!!」
**** この時に、なかなか面白い、度胸の座った女性ですね。 さてさて本題‥‥ 先程 わたくし達が 務めを退くのは まもなくと申しました が、人間の界で言えば120年、神界では840年少々先のこと‥‥‥ 人間にとって 120年とは長きの時空でしょうが、わたくし達 神の者にとっ ては、840年など あっという間のこと、その間 しっかりと務めつつ、継承 者を進化育成させておかなければいけない、ということです。 そして、もうひとつの疑問‥‥ 何故、やすお氏の命が延びるか? ということ‥ ‥‥ それは、このオシトの魂を やすお氏の心の中に入れて活かすからなので す ****
「 何ですって? やすおさんの中に‥‥?」「 ‥‥ お、俺の、心に‥‥?」 『キアチ様、コモト様、 ‥‥ それは、同体ということ?』
※※※※ オシト‥‥ その通りです。一心同体になるのです。今ある、やすお 氏の魂と同化させ、表も裏もない一体心、大悟の境地とし、神の感覚を備え残 す人として甦らせるのです。 そなたに与えた「鳳凰神」の力、不死でもある神鳥の力が入魂すれば、肉体も 甦って来るこ とでしょう‥‥ しかし 不死のままでは、下界では魔物とされることであろう から、後に キアチ様と2人で、程よい生の時を決めさせて頂きます。 今の肉体は滅び、変わるやもしれませんが、先程 述べた120年経つ時、呼び 戻します。 その時、そなた達2つの魂が直ぐさま 「哀・楽」を司れるよう、 そして 一体神となるがための鍛練をしていただきます。 現在、ノリカ氏の中にいるミジュが そうであるように ※※※※
皆が絶句‥‥ しばらく、驚きの沈黙が続いた‥‥。
**** さあ、よろしいですか? それでは始めましょう‥‥ 鳥に変化しているオシトを 元の姿に戻し、入魂の儀を執り行います。 ”オシトよ、後の事、やすお氏の事、そして‥‥ ミジュの事も、しかと頼み ましたよ。 還る時を楽しみに待っております‥‥ 頑張るがよい ****
『この御恩、御慈悲、決して忘れは致しません! 天上界に還らせていただいた その時、必ず務めとして 御返し致します。 キアチ様も、コモト様も、どうか 御自愛下さいますよう!』
オシトの言葉と同時に、周囲に整列していた童子達が 一斉に輝きだした。童子 達の光は それぞれの玉と変わり、小さな鳥、オシトの周囲に集まり、囲んだ。 その光の玉からは 更に強い光が放たれ、オシトの姿は包み消されていった。 ‥‥ 5分も経ったであろうか‥? 眩しい光は ゆっくりと おさまり始め、 オシトがいた その中央に、人影らしきものが うっすらと浮かび上がってきた。 「 ‥‥ オシトなのか? お前‥‥ イヤ、あなたがオシト‥‥ なのか?」 ‥‥‥ スラッと痩せ気味で 中背、茶髪で長めの髪、涼やかな目が印象的な 男性が 柔らかな微笑みを浮かべ、うなずきながら こう語った‥‥ 『 やすお‥‥ これが、オイラの姿だよ。 よろしくな!』
THE BIRDMAN、残り4話で完結です! 次回は『鳥人の生誕』です。
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