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2006/10/18(水)
『 THE BIRDMAN .15 』 新潮文庫も、まだ動かない!
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突然、号泣していた はやなえ嬢が 必死の形相で オシトの前に歩み寄って語っ た。 「さっき‥‥ 確か、3つの願い、希望を、与え届けるって言ってたわよねっ! その願いって、何でも叶えてもらえるんでしょっ!? その願いで やすおさん の大病を治めることって出来るんですよねっ!! ぜひ、ぜひ、治してもらえな いですかっ!!? 」 『 ‥‥ はやなえさん、人の寿命とは 色々な人の心、かかわりが組み合わさ れて定められたもの‥‥ それだけは無理なんだよ‥‥。』 「‥‥ そんなぁ‥‥ そんなことってぇ‥‥‥」 狼狽える はやなえ嬢の姿を見ながら、やすおが静かに呟いた。 「はやなえさん、有難う。何だかんだと、些細なことで言い争いもあったけど、 俺はいつも、あなたに力を与えてもらった。信頼してきた。 素敵な時間を共に過ごせて ホント嬉しかった‥‥ 何もお返しが出来ないけど、 どうか許して下さいね。」 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
『さあ、やすお‥‥ 御神お2人に与えていただける御奉愛、「3つの願い」を 語るがいい‥‥ 他の事なら何でも叶えていただけるはずだ。』
**** 遠慮はいりません。 そなた、やすお氏の願いは、既に読心している ことでもあるのですが、そなたの真の言葉で、オシトにも向けて、よく聞こえ るように述べられるがよい ****
『 は? ‥‥‥‥?』 ‥‥ オシトは少し 首をかしげた。 「はいっ、それでは‥‥ まず ひとつ‥‥‥ この今においても、オシトの心に 強く確かに存在している、愛の人、希望の人、ミジュさんを‥‥ ミジュさんの 魂を、この世に 甦らせて下さいませんかっ!? そして ふたつ目‥‥ 長年 童子として務め、神様にとっては大切な力だと察す るのですが、このオシトも同じく、この世に戻していただきたいのです! みっつ目、最後の願いは‥‥ その2人が共に 近くで過ごせるように、引き合 わせてやって下さいっ! どうか、どうか、お願い致します!! 2人が清純な心で過した、あの思い出深い時に甦らせてやりたいのです!!」 『 ‥‥‥! や、やすお‥‥ お前‥‥!』「‥‥ やすお‥‥ さん‥‥」
**** しっかり聞きましたか?オシト。 やすお氏の心にある、これが誠、 真の願いです。あなたはとても幸せ者ですね。 我欲ある人間ですから 欲っする物は山程あるでしょう‥‥ しかしながら 3つ の願いを全て、そなたのためにと贈られる 美しい その思い‥‥ あの豪族主の 息子「ノタハ」の心、長くはかかりましたが、輪廻転生をくり返し、これほど 迄の進化を遂げて来たのですよ。 そして オシト、そなたの方も同じように、 こうして 素晴らしい進化を‥‥ 真の心というものは、こんなにも素晴らしいものなのですよ。よく分りました ね? ****
『は‥‥、もう 心に残る「哀・怒・苦」はございません‥‥ やすおには深く 感謝しております。』
**** さて、やすお氏‥‥ そなたが望んだ3つのうち2つの願い、叶える 事は難しいのです‥‥ その望みは無駄と言ってよいでしょう ****
その言葉を聞いて、はやなえ嬢が不服そうに言葉をはさんだ‥‥「他の物なら 何でも叶えていただけるんじゃなかったんですかっ!? あれもこれも駄目‥‥ だなんてぇ‥‥」
**** まあ 慌てずと、話しの続きを しっかりと聞くがよい。 実は最初の願い、ミジュの輪廻転生、この世に甦らせることは、もう既に叶っ ているのです。 こうなる事は前から察し、コモト様と共に配慮しておいたので す。 但し、このことに関しては、心が乱れぬようにと、オシトの読心の力を抜 いておいたのです。 ‥‥ やすお氏、はやなえ氏は、うっすらと感じ受け始め ていたはず‥‥ そなた達の元に 親しく歩み寄るようにさせておいた女性こそが、ミジュの甦り なのです。ですから2つの願いは 既に叶っているという事なのです ****
「 ‥‥‥ ? ‥‥‥? やすおさん‥‥ もしかして‥‥」 「 ‥‥ ま、まさか‥‥ 彼女‥‥?」
**** そう、今、そなた達の心に現われた女性‥‥ 良き縁に結ばれ、遠方 より訪ね現れるようになった「ノリカ氏」、彼女なのです ****
『 ‥‥‥ キアチ様‥‥ コモト様‥‥ この上無き喜びにございます!』 やすおと はやなえ嬢は驚き、絶句し、顔を見合わせた‥‥‥ そして その後、 更に、御神の驚くべき言葉を聞くこととなる‥‥‥‥
THE BIRDMAN、完結近し! 次回は『オシトと やすおの心』編、乞う 御期待!!
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