すやまとしおのスマイリーでいこうっ !!
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2006/10/15(日) 『 THE BIRDMAN .13 』 夜中、頑張ってマス!
    < 御神、降臨の時!/後編 >

その時から350年くらい経った頃だろうか‥‥ あっ そうそう、人間界の
年数で言えば、50年だが‥‥ ある日 務めを終えて戻ると、キアチ様に呼ば
れ、次の救いの務めを仰せつかったんだが‥‥ オイラ、キアチ様の告げられ
た指名に、驚きおののいた‥‥。
オイラとミジュを引き離し、ミジュを過労死させた あの男、豪族主の息子を救
い導くようにとおっしゃる‥‥ 今は 悪に悪を重ね生きたことを悔やみつつあ
る、命つきようとしている その男の魂を慰め導け‥‥と。 
しかし、オイラは初めて キアチ様のお言葉に背き、務めを代わっていただくよ
うに願い出た‥‥‥   キアチ様は、私の心を深く感じ観ながら 微笑み優しく
うなずかれた。
‥‥ その後 時は またたく間に2100年が過ぎ‥‥ おっと、人間界では
300年‥‥ ある日、キアチ様より指名が与えられたんだ。
 ‥‥ あの男だ、豪族主の息子だった。 勿論、その男の魂が進化しつつ輪廻
転生し 入り込んだ、生まれ変わりの別の男だったんだがね‥‥
いくら進化を続けたとは言え、根源は変わってはいない‥‥ その時はまだ、
その根源を強く感じていた。
2回目だ‥‥ キアチ様に 再びお断りを乞うことに。 キアチ様は前の時と同じ
く、優しく微笑みながら 代わりの童子を務めに降ろされた。   
 
‥‥ その怒りの部分で引っ掛かり、なかなか進化が進まない自分の心に憤り
を感じるようにもなってはいたんだが‥‥‥。
  
 ‥‥ その後、とんでもなく長い時が過ぎていったが‥‥ その日は また必ず
訪れると覚悟はしていた‥‥。
思っていた通り、わずか約2年半前のこと‥‥ 人間界では4ヶ月前だ‥‥
キアチ様が特別に呼ばれ、こう告げられた‥‥
 
 **** そなたが嫌がって来た「怒・哀」の根源でもある、あの豪族主の
息子の魂が3度目、肉体を離れて上界に昇り来ようとしているのだが、降りて
はくれぬか?  その男の魂は 清浄、進化をくり返して、今ではほとんど悪と
いうものは治まり、「楽」を見い出せる迄の 円仁、まどかなる魂に変わっては
きている。 このまま死を迎える その魂は、清浄なるものとして、そなたが
思い続ける ミジュという女性のように、澄み渡る天上の界へ昇り消えてしまう
こととなるのだが‥‥ それでもよいのか?
2度とかかわりが持てなくなるということでもあるのだ。 後悔の念を残す事に
なるやもしれぬぞ。
どうかな? 降臨して、そなたの手で、力で、魂の中の「哀」を全て消し去って
やらぬか? ****

  ‥‥ バカなこだわりだと 分ってはいた。オイラを信じ、愛を与えてくれ
た、優しき ミジュの命を奪った その魂を、どうしても許す事ができなかった
んだ‥‥   心の詫びを読み取られていることは分っていたが、大きな意地を
張り通し、お許しいただきたいと申し上げた。 
キアチ様は何も語られず、優しい眼差し、表情で うなずかれていたのだが‥‥
その時だった、一心同体神でもある コモト・伽奈多様がお姿を現された。
そしてオイラに向かい、声を荒げ、説法された。
 
 ※※※※ キアチ神の お慈悲、お心遣いが まだ分からぬのかっ!
そなたの心の進化を 何も申されずに見守られ、御心を届けられておるのが分か
らぬのかっ!! 
そなたの「哀」を浄化させたいがための 最後の慈愛を、せっかく垂れさせてい
ただいているというのに、何たる、無知たる、心無い童子よっ!!
そなたのことは、今この時から私があずかるっ! これより下界のものに変化さ
せる故、直ちに降臨し、そなたの その魂をもう1度、素より進化させて来るが
よいっ!!
そして、出会いたる男の魂に「楽」を説き、導き上げて来ることを命ずるっ!!
※※※※   

   ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

「 ‥‥ やはりそうだったか‥‥ その豪族の息子の魂、輪廻転生を続けて来た
魂が‥‥ 今、俺の中にあるのか‥‥ 俺の前世って、そうだったのか‥‥。」
 『 ‥‥‥ やすお‥‥ オイラは‥‥‥ 』
「 ‥‥ オシト‥‥ すまなかったな‥‥ いくつもの時代、長き間、苦しく
辛い思いをさせ続けた この俺を どうか許してくれないか‥‥?」
『 ‥‥な、何言ってるんだ。 お前が謝る事じゃないのさ‥‥ 自分のことを
棚にあげて、心の未熟さ、醜さから逃げ惑い、心の進化、清浄に目を向けなか
ったオイラが悪かったんだよ。
  やすお‥‥ いや、その中の魂よ、お前も ずいぶん苦しく、哀しい思いに
引きずられて来たんだな‥‥ それを知っていながら、直ぐに救い降りて来れ
なかった 未熟なオイラを 許してもらえないだろうか‥‥‥?』
 
やすおと オシトは、長く、苦しく、険しく生きた歴史の道程を行き来し、彷徨
い、思い起こしながら‥‥ 見つめ合っていた。
そんな2人を見つめ、涙していた はやなえ嬢が ふと気付いた‥‥‥
町中や周囲を走っていた車、事務所前に立てられ 揺らいでいた のぼり旗に、
歩行途中の人に犬、天空の雲、風、時計の秒針‥‥ まるで その瞬間を写真に
撮ったかのように、全ての物、事が、ピタリと止まっているではないか!
「 ‥‥ な、何なのォ? じ、じ、時間が‥‥ 世の中が全て、と、止まって
るっ‥‥ ねえ‥‥ 私達 3人以外の全てが‥‥‥」
はやなえ嬢が そう語った瞬間‥‥ スポットライトのような強烈な光が事務所
の天井、壁面、床面、四方八方から 次々と突き刺さるように差し込んで来た。
あっという間だ‥‥ 事務所の中は勿論、外の景色も消え、全て全て、眩しく輝
き、白一色の世界となった。
驚き慌てる やすおと はやなえ嬢に対して、オシトが穏やかに告げた。
『御神、キアチ・活王様と、コモト・伽奈多様が 共に降りて来られた‥‥』

  好評連載、THE BIRDMAN、次回はいよいよ『3つの願い』編です。


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