|
2006/10/13(金)
『 THE BIRDMAN .10 』 東映 映画ってのもあるなっ!
|
|
|
やすお、そして突然部屋に入って来た はやなえ、2人はその光景を目の当たり にして驚きおののいた。 羽根を広げたオシトの小さな身体は 眩しい光を放ち始めた。その光り、輝きは どんどん強くなり、オシトの身体を包み込むように40cm大の球体を作りなが ら、ゆっくりと宙に浮かび始めたのだ。 その中でオシトの身体は黄金色に煌めき、小さな放電をくり返している。 眩しさの中、両目だけが真っ赤に輝き、静かに翼を上下に動かしているのが、 かすかに見てとれる‥‥。 「や、やすおさん!な、何なのこれはっ? 一体どういうことなのーっ!?」 「今迄 隠していたが、オシトはただのセキセイインコじゃないんだーっ! 我々の想像をはるかに超えた、未知の領域、天上界から降りて来た神の使者な んだよぉーーっ!!」 「天上界‥‥って、神‥‥って、そんなバカなことがーーっ!」 「じゃあ、今起こっている この状況、どう説明できるんだァーーっ!? まあいいっ!後で詳しく全て話すからぁーーっ!!」
オシトを包み込んでいた眩しい光りの球体は しだいに消えていった。 キラキラと小さな輝きを放つ黄金色に被われたオシト‥‥ 翔たきもせず、宙に 浮かびながら、やすおに語りかけた。 『たった数カ月のことだったが、やすおに、はやなえさん、そして ここに集う 皆に救われた。何と御礼を言っていいやら‥‥ 「ギャァーーッ!! インコがしゃ、しゃ、喋ってるぅーっ!!」 「 シ〜‥‥ はやなえさんっ、落ち着いてっ! 後で話すからってぇ〜!」
『 やすおよ‥‥ オイラは‥‥ 人間としてこの界に生を得ていた時、悪行三 昧に明け暮れていた。仕事もせず、親族にも逆らい、人を信じない、人の傷つ きなんて おかまいなしの自分勝手な日々を過すダメな男だった‥‥‥。 そんなオイラだから、いつしか 周りの人々は、皆離れ、消えていったんだ‥‥ 1人で生き抜いてみせてやると息巻いてはみたものの、この界の大きな修めの ひとつ、人は1人で「生」を司ることができないことを思い知らされた。 そう、この界は鏡の間、部屋だと観た‥‥ 良悪共に、自分の発した言葉は その 同じ形で いずれ自分に帰り、自分の起こした動きは 同じ形で いずれ全て自分 に帰ってくる‥‥ 何処にいても、何をしても、事が起こるのは全て 自分の心身 が映し出されているにすぎない‥‥ 御神の手中にある鏡の部屋、すなわち、 「行」の界である、この世で学ばせて頂いていることに気付き始めたんだ。 この答えは、自分に失望しながら、行いを詫びながら、自問自答を続けながら、 10年もの間、彷徨い続けてやっとたどり着いた悟りだった‥‥‥‥。 まるで幼子に還った時のようだったよ‥‥ 何でもない、誰でも分っているこ となんだが、常に我欲、己自身に負けてしまうんだよな‥‥。』 「 ‥‥ オシト、最初の頃、俺の元にやって来た理由があるようなことを言っ ていたよな‥‥ 大きな理由があったんだろう? 正直に話してくれないか?」
『 ‥‥‥‥‥‥‥‥ やすお‥‥‥‥‥‥ 』
「きっと 俺に告げにくい話しなんだろう‥‥? 俺なら もう、何を言われても 大丈夫。 今、現実、俺達には かけがいのない友情、信頼があるじゃないか。 お前は長年、人間というものに苦しんで生きていたんだろう? 人が必要、信頼 が欲しいと、悩み続けて生きていたんだろう? ”人に愛を贈りたかったんだろう? 人の愛が欲しいと願い、求めながら、未練 を残しつつ この世を離れたんだろうっ!?” だったら‥‥ お前に心を許し、信頼してきたこの俺を、お前も今は、真の心で 信頼してはくれないだろうか!? ‥‥‥ さあ、オシト‥‥ 正直に話す時が来たんだよ。」 『 ‥‥‥ やすお‥‥ お前‥‥ もしかして‥‥‥ 』 やすおは 笑みを浮かべながら、軽くうなずいた。
意味のつかめない 驚きの中にいる はやなえ嬢が、うっすらと涙を浮かべなが ら ささやいた‥‥ 「私‥‥ が、いないほうがいいよね‥‥ 買い物、そ、そう、明日の昼食用の 日清ごんぶとを‥‥ 買って来ておかなきゃあ‥‥」 『はやなえさん‥‥ この後 私は、この店から去ることになります‥‥。 ぜひ、ぜひ、あなたも いっしょに聞いて下さい、お願いします‥‥‥‥。』
THE BIRDMAN、いよいよクライマックス! 次回は『 やすおの真実! 』‥‥ お見逃しなきよう!!
|
|
|