ドイツの空の音楽日記
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2013/03/06(水) 結局、盛り上がった録音
3月3日から5日まで、ベルリンのブリッツ城のホールでCD録音でした。6日目までの予定が、録音は最初から盛り上がって曲中に3人ともが入れ、スイスイと進んだのでした。

2日の夜にマイクの設置と音響確認をし、ホールが夏に録音した時より良い響きを持ってる気がしました。マイク技師のカーステンさんが
「そうだね。音響版もついたし、ホールの横を広めにしてみたんだ。」と。

合わせの時、最悪に喧嘩してたジョラとは、1日の夜に「一緒に本当に良い演奏も、私たち出来る仲なんだから。」と電話で言うと、「うん。僕もそう思う。」
「じゃあ、お互い口の利き方に気をつけよう。録音で神経ピリピリしてると、ああいう言い方は傷つけあうだけよ。」
「君も酷い言いかたしてたよ。」
「始めたのはそっちよ。」
「どっちが始めたって重要じゃないもん。」
「そうだね。でも、私が酷い言いかたしてるとき、あなたの鏡になってるのよ。」
「そうみたいだね。ふふふ。」

結局、ニュートラルに保ってくれたピアニストのラデック・クレック氏の人間性も中和してくれ、録音中、3人ともが音楽にいい集中できる状態でした。3人の音楽性は見事に溶け合って、マイク技師も「聴いてて楽しい。凄い息の合い様だ。」と喜んでくれました。

ラデックの提案で、「一番曲がシンプルなマルティヌーを初日にしよう。」と決め、マルティヌーは割りと最初から3人、息ばっちりでした。私個人、まだ芯のある音になりきってないと焦ってたら、運良く、マイク技師のカーステンが、
「ピアノの椅子のきしみが入る。違う椅子を探してくるから、ちょっと休憩してて欲しい。」
「僕も違う椅子が欲しい」とジョラも着いていき、この20分ほどの休憩中に私は本来の音を取り戻せてラッキーでした。後は3人とも夜まで乗ってました。

2日目はウェーバー。オペラの要素の神秘性が、早朝から3人ともでなくて苦労しそうになってたら、カーステンが、「最初からじゃなく、フルートの明るい転調の部分から始めたらどうか。」と提案してくれ、これが見事にはまりました。
気がついたら、3人ともちゃんと曲想の中に入り込み、後はそのまま乗っていけた印象でした。

3日目に三善晃。なぜか、日本の曲なのに、私は一番自信が少なく、ラデックがやたらこの曲に合ってました。
最後まで、2楽章のフルートとチェロのかけ合いをやり、「よし!凄くいい色合いが出た!」とカーステンも喜んでくれての終了。


ジョラとは小さな小競り合いはあったけれど、大喧嘩にならないで比較的いい雰囲気でした。途中、なんどか『録音中は仲良くしてようね。』と約束しあいながらでしたが。

3度目のGenuinでの録音。今回はずっと炎の中にいたような、どこかスッキリした印象でした。


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