ドイツの空の音楽日記
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2011/02/27(日) 喜び続き
昨夜、演奏会から喜んで帰ってきて、「思いがけない良いスタートのデュオが出来た!」と、彫刻家のロスドイチャー氏に報告の電話をしたら、

「じゃあ、自分の所の教会で5月7日に演奏してもらおう!ポジティフな電話をありがとう!」

と、次のチャンスを与えてくれました。
こういうの、喜びが喜びを呼んだ感じでますます嬉しいです。

昨夜の演奏会では、演奏直前にジョラから変な喧嘩を吹っかけられ、
「ジョージ・アレシュケヴィッチにしろと言ったのに、なぜ僕の本名まで渡した!」
「だって、歌劇場関係者が関わってるのよ。皆、あなたの名前知ってるのに、違う名前だとおかしくなるから、アレシュケヴィッチをちゃんと芸名として渡したよ。」
「僕の本当の名前はアレシュケヴィッチなんだ!母の名前だ!ロマコフは余計だ!」
「は?本当の名前はロマコフでしょ。皆はゲオルギー・ロマコフで知ってるんだから、皆の怒りを買わない為よ。」
「君は皆をとりなしても、僕を怒らせたんだ。」
「怒ってるって。。。私がやった事は全く普通だよ。公式にアレシュケヴィッチになってるでしょ。」
「君の選択は2つに1つ。僕の言うとおりするか、やらないかだ。」

普通に考えてるとおかしくなってくる。。。

それで、5月の本番に対しては、報告する際、最初から、
「関係者は皆新聞であなたの名前も顔も知ってるから、ゲオルギー・ロマコフで渡すからね。」
「何でだよ!また僕を怒らせる!」
「何でも何も、知ってるのに偽名渡されたら、皆、馬鹿にされてると思っちゃうよ。私を馬鹿にしても、彼らを馬鹿にするのやめて!」
「僕がいつ君を馬鹿にしたよ!」
「いっつもそう感じるよ。」
「名前の事か?はっきりいつだか言えよ!」
「それもそうだし、もう、いっつもだよ。。。でも、責めてるんじゃないから。」

せっかく、コンサート依頼の嬉しい報告してるのに、ジョラはまた喧嘩したがってるのを感じ、「とにかく、今日は素晴らしい演奏をありがとう!あなたからたくさん学べて感謝してる!」と、すぐ逃げました。いや、これが本音ですよ。

2011/02/26(土) ヴァンツレーベンでの演奏会
今日、ヴァンツレーベンでの演奏会でした。

本番でのジョラのモーツァルトは、素晴らしかった!!何か特別なオーラが流れてきて、そのオーラのエネルギーで、私は一緒に吹いてて、ただただ、ひたすらに楽しく、感動しながら演奏していました。(「僕も凄く楽しかった。」と本人も言ってます。)

「天から何か降りてきた状態」「自分の心の底から何かが湧いてくる状態」と言うのは経験ありますが、共演者から強烈なエネルギーが来て、魂に力を得るような状態は初めてでした。

その次にフルートソロやったのも、そのエネルギーに支えられて、やはりとても良い集中で、現実離れしたまま夢心地で吹けました。

ヴィラ・ロボスも、曲の中に遠慮なく入り込み、底から炎が迸る様な演奏に。満席のお客さんもシンとなって聴き入ってくださってるのが伝わって来ました。

演奏中以外のときのジョラは、ずっとサイレントピアノでバッハひきまくって一人で悦に入りまくり,まるでグレン・グールド状態。何かしゃべると、私が、彼が渡してきた偽名の他に本名も主催者に渡した事への変な抗議、とか、幻想に満ちた謎の計画、とか、誰が見ても思い切り変人してました。

その、変人ぶりと言うか、自分に超正直に生きてる生き様が、演奏に100パーセントの集中力と精神力を与えてるんだな、と実感しました。

今回のジョラの名演には、またとないような刺激を受けられたので、賞賛と感謝の言葉を惜しみませんでしたが、演奏会後あいかわらず変な態度ばかり取ってくるジョラです。でも、演奏家同士では、演奏がすべて!心から尊敬できる存在に感謝です!

2011/02/25(金) 明日の本番に向けて
このとこ良いお天気続き!演奏会本番の明日もこうだと嬉しいです〜。

ジョラとのデュオは、音楽の方向性も息もバッチリです。昨日、今日、と、一度合わせて、お互い何も言う事がなくて、演奏中に互いのやりたい事も感じ取れてしまいます。
私も、よくわからなかったヴィラ・ロボスの曲想も、お陰でずいぶん自分のものになり、共演してて自然にやりたい事が湧いて来るし、ジョラの感受性も自然に受け入れられ、とても楽です。

普通だったら、それを「息合うね〜!!」とか喜び合うはずのところ、なぜかジョラと私は

「何かある?」
「いや、あなた上手くてこれ以上綺麗な演奏想像つかないし。。」
「ありがとう。。。君も上手いし。。。」
「本当?。。ありがとう。。。。。」

褒めあってる、と言うよりは、言う事がなくて手持ち無沙汰で困ってる状態。まあでも、演奏がばっちりだったら何よりだから、その他の会話で困ってもいいんですけどね。いくら仲良しでも演奏の息が合わないほうが全然困るので。

後は、明日、出発前にゲネプロやり、本番で良い雰囲気が生まれるのを祈るのみ!

それにしても、ジョラの態度は、やたらに興奮してオープンになって自分の生い立ちから主義から話すかと思ったら、次の日には冷やりとするほどクールに振舞ってきたり、やっぱり変な人です。

今日はこれから「ウェストサイドストーリー」の本番です。

下の写真は、ジョラとではなく、ファゴットのゲルドと、休憩時間に歌劇場の食堂で撮ったもの。ゲルドとは何回か共演もしてて、最も気のあってる団員の一人です。

2011/02/23(水) その調子で頼むぞ〜!
やっと、直前にして起動に乗り始めた、土曜のリサイタルの合わせです。

モーツァルトに対してのZ君の深い解釈には刺激を受け、今日、個人練習していても、次々インスピレーションがわきました。さすが、歴代に残る歌い手の研究もしてるZ君のアゴーギグの取り方は天才的!負けられない!と、やる気出ています。

約束を守らない事に、こっちが切れてきた事を勘付いたのか、今回は約束の時間より早目に来て、私の居場所を探し、「僕、もう来たから!」と。ちょっとびっくり。

時間の約束が守れないなら、ドイツでは演奏家として使い物にならない。。。と思ったので、やる気だせば直せるのだったら少し安心しました。まあ、びっくり箱のZ君に油断は禁物ですが。。。

2011/02/22(火) 怒ったら舐められる???
ちゃんと合わせが出来ないまま、土曜日のリサイタルが近づいてきています。昨夜の合わせもキャンセルされ、さすがに切れた私は、今朝、まだ寝てるZ君に電話して、

「あと4日しかないのに、そんな調子でどうしてくれる!今からすぐ練習に出て来い!」と、ついに爆発(したつもり)。
「じゃあ、13時から15時まで」というZ君に、
「もう、今日の段階で、何時まで、なんて言ってられないよ!今日となっては何とか仕上がるまでやれ!!」

本音で怒ったおかげで、やっと私のペースになり、落ち着いた合わせが出来ました。
だけど、Z君の態度は、なぜか、私が怒るほど、余裕たっぷりになっていくのが、一体何なのだか。。。年下のくせに。。。

しかし、モーツァルトにいたっては、今まで自分では気がついていなかった悪い癖や、こうあるべきアーティキュレーションの歌わせ方、など、良い事をたくさん言ってくれ、私にとってはとても良い刺激です。

ただ、合わせてて、体力的に先にくたばったのは若いZ君のほう。

明日の合わせは、「19時からにして。」とまた遅い時間を言うので、「良いけど、もう、ドタキャンなしだよ!!」と言うと、
「僕がいつドタキャンしたよ!!」
「ほとんど全部ドタキャンじゃない!!」
「どれがドタキャンだったか、説明して。」

もう、ドタキャンしてる自覚さえないのは救いようがないよ。。。と言うより、人をおちょくってる?

普段の私は結構強くて、イータイのような年上の男性であっても、結構自分のペースで合わせを進められてて、イータイが周りの人に、「敦子はスパルタだ〜!怖いよ!」とこぼしてるらしいんですが。。。

なぜか、私がぎゃーぎゃー怒って始めたはずの、Z君との合わせは、気がついたらすべてZ君の主導権の元に進められてました。おまけに、その後、オーケストラの仕事までに食堂で食べる時も、「敦子はこのサラダにしなさい。」と決められ、そうしたら、「君には多いようだから、半分もらっておく。」と半分取られました。。。まあ、今体重やばいから、いいんですけど、普段だったら回し蹴りですよ。。。

2011/02/20(日) しっかりして〜!!
次の土曜日にある、リサイタルの合わせ、先日すっぽかされて、やっと今日合わせたと思ったら、
「ねえ!もう6日しかないのに、練習してくれたの??!」と言う出来でした。。。うそ〜〜〜〜〜。。。
しかし、Z君のあまりのマッチョな態度に、本音が言えなかった私。

おまけに、少し合わせて、「今日はもう時間がないから、明日の夜9時から11時までまたやろう。」
(なんでまた、そんな遅い時間なの??!!)

不安と言うかショックで、親友のM子ちゃんにご飯に付き合ってもらい、エルベ河沿いのおしゃれなレストランで慰めてもらいました。

「彼は、オーケストラの仕事でも、最初の練習はめちゃくちゃよ。。。でも、本番では本当に良い演奏をする。」と。

いや、もう、そう信じるのと、いざと言う時の為にソロ曲も時間分準備しとくしかありません。

しかし!尊敬してる演奏家からの、想定外のダメージって、大きいです!

2011/02/19(土) ヒットの予感!
J.シュトラウス「こうもり」のゲネプロやってみて、ユーモア溢れる、笑いの耐えない舞台に仕上がってて、ヒットの予感でした。悲劇が多いオペラの中で、こういう、ひたすらに明るい作品の存在は救いです。

高校時代なんかは、明るい曲の演奏が苦手で、短調が得意、と思ってたのですが、明るい曲のよさって年が行ってから気付くものなのかも。

なにしろ、今自分が個人的に抱えてる曲も、ことごとく「心洗ってくれる、明るい曲」「太陽がいっぱい」系の曲、なので、太陽がほとんど拝めないドイツの冬中にそのイメージするのが、時々難しいような。。。

気分をポジティフに、人生の喜びをかみしめてないと出来ないのがモーツァルトのようです。このJ.シュトラウスの「こうもり」もそういう意味ではモーツァルトの精神が生きてる曲と思ってます。

2011/02/17(木) 生きる目的の違い
朝はウェストサイドストーリーの合わせ、昼は26日のデュオコンサートの合わせ、夜、シュトラウスの「こうもり」ゲネプロです。

コンサート依頼していただいたポペスク氏は、元彼のクリストフと親しいので、クリストフから、
「そんなに突然のコンサート依頼なのに、そんな払いで、僕なら絶対やらない。好きだね〜。相変わらず病的な。。」
と嫌味いただきましたが。。。

”だから、あなたと気が合わなくなって、どんな状況でも、本番でも音楽の喜びに燃えられる人たちと仲良くなるんだよ!”とは、言いたいけど言いませんでした。

ドイツ人って、「これだけの払いなら、これだけやる。」と言うような現実的な人が、音楽家にも多いな、と思うのですが、事務的な仕事ならいいけど、音楽にその考え方が出てる演奏ってごめんです。かえって、芸術家は多少夢見る馬鹿でも、病的でもいいんじゃないかな、と、自己フォローしてます。

2011/02/15(火) おいおい。。。。。
今朝、歌劇場で、ポペスク氏から、
「急だけど、来週の土曜日にデュオでコンサートやってくれないか。」と話が来て、丁度、練習が煮詰まってて、本番が欲しい気持ちだったので喜んで引き受けました。これが、ジョラとの初コンサートになります。

ジョラも、喜んでやる気になってるみたいですが。。。。。

やっぱり、この人変!!!!!

彼の本名は「ゲオルギー・ロマコフ」なんですが、皆がゲオルギーと呼んでるところ、「ジョラと呼んでくれ!!」と言うから、呼んでます。それは、ロシア系の愛称らしいから、いいんです。

でも、このコンサートのポスターとプログラムに載せる名前、
「ジョージ・アレシュケヴィッツにしてくれ。」って。全然違う名前じゃない!!

苗字はお母さんの旧姓だそうですが、「本気?!」と何回訊いても、取り繕ったすまし顔で、「本気さ!」と何度も言いながら、時々ニヤっと素顔が漏れて、慌ててまたすまし顔して、「本気だから!」と。
「あなたってどこまで本気でどこまで冗談なのかわからない!!」と言っても、すまし顔で、「そう?」

もう、今、メール出さなくちゃいけないので、「彼の本名はこれこれで、こっちは望みの芸名です。」と送りました。

何度も訊いたんだから、後で泣いても知りませんよ〜。もう。。。

2011/02/13(日) 再び雪国
このとこ良い天気続きだったけれど、今朝起きたら、辺りはまた雪国になってました。

マルコ氏に、今年やるフルート協奏曲、ヴィヴァルディ「ごしきひわ」の楽譜を用意しておくように言われ、日程も送る、と。話が決まってくると安心します。

「数日休みがあるから、ベルリンに合わせにいけるよ。」とイータイに連絡すると、「僕まだその曲練習が出来てないから、2月の後半までにさらっておく!」と慌てた反応がありました。

でも、2月の後半って、もう、なるんじゃないのか?

イータイとの合わせが始まらないまま、今週、同じプログラムで、ジョラと合わせを始めてしまいます。
元々はヴィラ・ロボスの曲想に助言してもらう話、だったのだけど、4月に小さな本番の話が来て、ジョラは「せっかくやるんだから、3月にもコンサート作ろう。」と、なんだかチェリスト二股、見たいな感じになってきました。

おまけに、歌劇場でヴィラ・ロボスを個人練習していたら、ガバッとドアが開いて、やはりチェロのマルセル君が、
「その曲、誰とやるんだ!?僕以外のチェリストとやる気か?!浮気もの!」と言って来ました。

私生活で彼氏も色っぽい事もないから、せめてチェロ三角関係を楽しむか。。。

2月絵日記の続き


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