ドイツの空の音楽日記
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2010年10月
前の月 次の月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新の絵日記ダイジェスト
2016/10/24 パリでのリサイタルにて
2016/04/10 2016年は困難の年?
2015/09/28 ハルバーシュタットでのソロ演奏
2015/09/02 信じよう!!
2015/08/18 2015年日本公演を終えて

直接移動: 201610 4 月  20159 8 3 2 1 月  201412 5 4 3 2 1 月  201312 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201212 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201112 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201012 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200912 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200812 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200712 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 月 

2010/10/31(日) ドキドキのチェロ
今日はまだドイツは土曜で、明日の日曜、オスターヴィエクで、今年最後のヴィヴァルディのフルート協奏曲の本番です。

ところが、今日は凄く動揺の大きい日でした。。。動揺させられてる原因はみなチェリスト!
私ってチェロ因縁強いんでしょうか。。。

ひとつは、10年前に命がけの恋してたアルボ(チェリスト)と、10年ぶり近くで話した事。

内容は、今アルボの働いてるオーケストラから、うちのオーケストラに移ってきた、ジョラ君(チェロ)の事です。

前のオケで嫌われてしまった様子でしたが、アルボはジョラを、公平で、人間愛に満ちた目で見ていた様子でした。
だから、「時間はないんだけど、凄く大事な事だから電話した。」と。
アルボがジョラに対して言った言葉は、すべて、ジョラの励みにもこれからの忠告にもなる、大切な言葉に思えました。そして、命がけで好きでいた人が、こういう言葉を言える人であった事も、嬉しく思いました。

「またきっと電話して話そう」と言ってはくれましたが、また、多分長い事話す事はないと思ってます。

そしたら、その後、偶然、ジョラとカンティーネ(歌劇場の食堂)で二人きりで会いました。
それで、アルボの言葉を伝えてあげると、
「そんなにポジティフに見ててくれたなんて。。」とジョラはとても喜び、励ましも忠告もしっかり心に受け止めた様子でした。

アルボと電話して、10年ぶりに彼の元気な声が聴けた事自体が震えるほど嬉しく、涙出そうで、
また、このジョラとの会話で、実はドキドキしてた私。
同じ職場にいたせいか、ジョラに対して、アルボに抱いてたような気持ちを持ちそうで、毎日懸命に水かけてます。

何なの私、こんな年下の子に。。。頭では、「クリストフほど私を思ってくれる人はいない!!」と繰り返しています。



合間に、クリストフにヴィヴァルディをチェロで伴奏してもらって通し、最近、危機感を感じてるせいか、私の演奏のこと、前はけなすだけだったのに、「敦子は吹くたび、上手くなってる!!」とやたら褒めてくれる此の頃です。

その合間に、イータイ(チェロ)から電話あって、CD録音の具体的な話し合い。

こっちの2人にはドキドキがないのがかえって凄くホッとしてます。いや、これって、クリストフに対して問題発言かしら。。。


一番大事なのは、すべての想いも動揺も、演奏に深くこめる。その基礎精神を失わない事。明日は落ち着いていられる事!
「演奏家が演奏に込められなかったら意味がない!」

2010/10/30(土) 軌道修正
このとこ自転車日和が続き、自転車通勤で汗びっしょりになるのいが唯一のスポーツで、結構気持ちいいです。

クリストフに、「敦子は上手い人が来ると、見え見えに近づいていく。それってオーケストラの中では嫌われる行為だ。」と注意されました。

確かに、ジャッキーにも、ジョラ君にも、ハープのアンナにも、試験でちょっと気になった人にまで、すぐ近づいちゃいましたが、そういうことでもないと、オケに染まってたら枯れてしまいそうなんですけど。。。

今日は、急に目からうろこ、という事があって、心忙しい一日でしたが、一つ成長できたのかも。。。

2010/10/29(金) 数々の出遭い
ちょっと面白いことがあって、少しワクワクしてます。

今朝、先導ヴィオラの入団試験があり、私は今、今後共演できるヴィオラ奏者を探してるので、そういう耳で聴いていました。

1次と2次で、「この人がダントツ!」と思う、音楽の温かい流れを持つヴィオラ奏者が、しかし、2次で全然評価されなかった、全くつまらない演奏をした他の2人が本選に行く、とわかった瞬間、急きたてられる想いにかられ、

「ちょっとトイレに行ってきます!」「どうぞ」

そして、そのヴィオラ奏者の元に走りました。落とされたら、みな即帰ってしまうので、連絡先をもらっておきたかったのです。

たまたま、その彼がドアのすぐ近くにいて、「これは審査に関係ないから、オーケストラの評価は期待しないで。私はあなたが抜群だと思った。連絡先を教えてほしい。」と、短いやり取りをして、すぐ審査に帰りました。

そしたら、その彼は、なんと、違う街に住む私の親友の、「最も心おけると思ってた、凄くいい仕事仲間だった。」と言う事でした。今は離れて連絡途絶えてるそうですが、「彼なら人格者で、凄くいい仕事する人。しかも謙虚で感じがいいよ。」と手放しで褒めてて、なんだか嬉しくなりました。

音楽の世界も狭いものです。
今、私は結構これから重要になる人たちに出遭えてる気がします。だから、今日のヴィオラ奏者も、ひょっとして今後大事な共演者になるかも?!

しかし、失敗に懲りてるので、もちろん、用心深く事を進めるつもりです。。。

2010/10/28(木) 耳にタコできるまで。。。
このとこ、家ではプロコフィエフの「ヴァイオリン協奏曲1番」聴きまくってて、オイストラフのとP.F.ツィメルマンのにベタ惚れ。朝出る前と帰ってからと、何度も聴きまくってても、このとこクリストフは文句を言いません。

終わりなき愚痴を言うのが癖になってるけど、最近、私はもう聞いてないで、友達と電話するとか、音楽聴くとか始めてしまう。それに対しても、何も言いません。それに対して、急に新しいコンピューターを買ってくれ、今日はスープ作ってくれて。。。

ちょっとこのとこ危機にあったので、彼なりに合わせようと努力してくれてるみたいです。。。

今朝はバレエ曲の録音の後、もうすぐ違うオケに移るヴィオラのジャッキー達と一緒に食事し、明日が彼の席の為の試験なので、「いよいよ居なくなってしまうんだね。」と別れを惜しんでました。凄い実力、天真爛漫で明るい人格、容姿も端麗、こんな3拍子そろった仲間が行ってしまうのは本当に残念です!

やっと精神的に落ち着いて、今日からちゃんと地に足つけて演奏できる状態に戻れました。
本当に、昨日、ボリッシュ女史に憑き物を取っていただいたようです。
親友に、「昨日と顔が変わった。いつもの敦子ちゃんに戻った。こっちがいい。」と言ってもらえました。

2010/10/27(水) 芸術家交流
今日は夕方から画家のご夫婦、ボリッシュ家に呼ばれて、先日のコンサート以来、ゆっくり語り合ってました。

今の私の状態を、彼らの熟して、また、客観的な目から分析してもらって、精神的に揺れてた迷いを随分正してもらえました。

私の親より年上ですが、彼らはもっと全然若くて、活動的で、芸術家としての立場からアドバイスいただけるので、本当に助かります。

途中、ロスドイチャー氏からも電話あり、この前のコンサートでの後悔も正直に話せ、「いやいや、すごく皆喜んでたよ。またやろうな。」と言っていただけ、「この次は後悔ない、エネルギーのある演奏します。」と意思表示でき、ホッとしました。
ゆっくり会って、宇部との芸術交流の話もしよう、と約束しました。

明日からかなりすっきりして、また励めそうです。

2010/10/25(月) 良いこと
昨日は「くるみ割り人形」好きな曲なので、うちのオケのひどい演奏でもどこか楽しく仕事してました。

最近、新しく入ってきた、まだオーケストラに毒されてない新人の方々のおかげで、音楽を聴く喜びを取り戻してます。毎日オケでひどい演奏ばっかりやってると、ソロや室内楽で音楽する喜びは余計出るけれど、もう、それ以上他の演奏を聴くエネルギーがなくなっていたのです。

今朝も、急にプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲1番が懐かしくなって、レーピンのとヒラリーハーンのを見つけて聴いてます。私の好みはレーピンだな。。。

久しぶりに、学生時代のように胸ときめかして音楽聴ける状態になってる今を大切にしたいです〜。

2010/10/23(土) これも自然
昨日は2回目のシンフォニーコンサート、飽きてるチャイコフスキーの5番も、なぜか新鮮な気持ちで楽しめました。

今、精神状態がグラグラしてるので、練習に余計時間がかかります。どんな精神状態でも、それを音にするだけのしっかりした地盤を築きたいものです。

今までは、自分が演奏すること、成長することに必死だったけれど、気がつくと、私を頼ってくる、若い才能が数名、回りにいる。次の世代の音楽性を育ててあげる、手伝いをする年になったんだなあ。。。

そして、音楽に情熱かけてる人には自然と愛情のような、責任感のようなものが湧くので、自然ってうまく出来てますね。

2010/10/22(金) 流れが変わってる?
久しぶりにイータイと電話し、CDプロジェクトの話は進んでる、と、5月から7月の間に録音になりそうで、オーケストラとの兼ね合いを見なくちゃです。

「鉄は熱いうちにうて!」今ならいい録音ができる!と思ってます。

夜はシンフォニーコンサートで、その前にずっと協奏曲と11月のブレーメン・リサイタルの曲を練習していました。

今、ひょっとして、人生の流れが変わってる?と思う出来事も起こってて、明日何があるかわからない物だな、、と実感してます。冷静さを失っちゃいけない時。だけど、天が与える流れにすべてを任せます。

2010/10/20(水) 悩殺されそう
新しく来たハープ奏者のアンナとも仲良くなり、「(彼女の)試用期間が終わったら、ドビュッシーのトリオ始め、色々室内楽やろうね!」とお互い楽しみにしています。

それにしても、音楽友達の「アンナ」何十人目だろう、と思うぐらい、アンナって名が多いです。

今朝は、チェロの、やはり新しく来たジョラ君が、クリストフの持ってきた庭用チェロ(壊れても惜しくないチェロ)を弾いて見てて、私も、「へえ、いい音するんだね!」と一緒に聴いてたら、突然モーツァルトのフルート協奏曲ニ長調の出だしを演奏しだしました。

これがビックリ!!フルートで聴くより、なんて感じがよく、なんて深い音楽になってるのか!!
思わず金縛り状態になって聞き惚れました。

それぞれの楽章の出だしのさわりだけ弾いて、ジョラ君は「これ以上はちゃんと練習しないと弾けない。。」と言い、「チェロでこんなに美しくなると思わなかった。」とビックリしてる私に、
「じゃあ、今年の終わりまでに練習して、君の前で全曲弾くよ。」と。

「え!本当?!」
「じゃあ、約束だよ」
と長い握手をして、気がつくとクリストフのヘソが曲がりかかってたので急いでその場を離れました。


その後、歌劇場の食堂でまたジョラ君と偶然隣になり、

「あの曲、フルート的な華麗さを見せる曲と思ってた。あなたがチェロで弾くと、急に曲の本質の音楽性が見えて、ああいう風になるとは思ってなかった。」と話すと、

「僕、君だけの為に準備して弾くんだよ。」と、顔真っ赤にしながら言ってくれました。

思わず頭が真っ白。。。。。

女たらしは回りに数名いるので、たらし言葉には慣れてるのですが、純粋に目を輝かしながらこう言われると、思わず悩殺されそうでした。。。

だって、本当に弾いてくれるかは別としても、2ヶ月も、私のためだけに練習する気でいてくれてるわけで、私、誰かにそんな事したことあったっけ?いや、ないですよ。

しかし、ジョラ君、残念ながら10以上も年下です。
同年だったら、絶対落ちてます。。。

2010/10/19(火) 掘っ立て小屋での楽しみ方
昨日、久しぶりにゆっくり休養して、今日からシンフォニーコンサートと31日の協奏曲の準備です。

オーケストラの仕事は、またまた街外れの掘っ立て小屋にされてて、幻滅、ですが、最近新しく入ってきた団員数名と仲良くなって、意外と新しい人からってエネルギーもらえます。

まだオケに染まってない、これからへの期待と喜びに満ちてるので。

特に、音楽の話になると目を輝かしながら嬉しそうに興奮するジョラ君。クリストフもファンになってますが、悲しいもので、そういう人ってオケでは嫉妬されて嫌われがちです。クリストフとともに、「何とか守ってあげたいね。」と言ってます。

10月絵日記の続き


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.