ドイツの空の音楽日記
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2008/03/30(日) ほ〜そんな規則あるんですね〜
職場でのストレス、このままにしておけない状態なので、昨夜本番の途中、休憩時間にオーケストラの職員協議会シェフに初めて相談しました。職員協議会をやってるのがたまたま今共演してるゲルト・ベッカー氏で、つたないドイツ語でも親身に聞いてもらえたのはラッキーでした。

私の知らない事が色々とありました。
例えば、私は自分のコンサートに出かけるたび、フルートのグループと血みどろの戦いになってますが、オーケストラは誰かがソロや室内楽のコンサートをする場合、行かせてあげなければいけない規則になってるのだそうです。
他にも色々ありましたが、規則としては私の立場には有利なものが多い事に驚きました。
それを知ってて邪魔をしてくる方が規則違反であり、私はちゃんと権利を主張して戦わないといけない、という事でした。

向こうが規則違反だとわかれば、これからは弱気になってないで頑として権利主張しなくては、、なんですが、、悪意で向かってくるものに対抗するのって私には異常に勇気の居る事です。
どうも、事なかれ主義ですからね、私、、、。

まだまだ解決には程遠いですが、コンサートが出来ないからオーケストラ辞めるなんて今言ってたら負け犬です。
ストレス解消しながらもうちょっと勇気持たなきゃかな、、。

2008/03/29(土) 賢く強くなりたいけど、、
昨日、おとといとシベリウス一番交響曲、その他知られてない曲2曲の本番でした。私はどーも悪気ある邪魔攻撃に強くなく、今週も本番のせいでなく、フルートのグループからの攻撃で疲れてしまいました。

こんなのはもう何年も経験してなれてるはずですが、何かと私に音楽的チャンスが来ると、それを嗅ぎ付けてなんとか邪魔しようとしてくるので、無視だけもできず、常に何か対策を練ったりきっぱり言い返したり、が必要なんです。
でないとせっかくのチャンスが壊されますから、、、。

最近前よりもチャンスが増えてきたので、邪魔も念入りになって来ました。今もいくつも対策を練らないといけない状態ですが、頭が空回りしています、、、。

誰でも、自分の仕事に集中できるだけってわけには行かず、賢く色んなやりくりしてるもんなんでしょうけどね。
でも、クリストフはこういういやがらせを経験したあげく、オーケストラでない、自分の音楽活動を断念しています。

私は生きがいはオーケストラではなく自分の音楽活動なので、断念するとしたらオーケストラですが、定収入がなくなること、コンサートの半分がオーケストラの人間関係から来てる事、ちょっと悩んでいます。

2008/03/27(木) ストレスの日々って贅沢かな、、、
シンフォニー・コンサートの週は朝晩長い練習があるので、それに加え他の団員とのストレスもあってちょっと疲れ気味です。

昨日ピアノのグリンベルグ氏とボッザの合わせをしながら、一人で吹いてると気にならないのですが、ピアノとあわせると、フルートの音質、もっと深い重い音が欲しくなるなあと思ってました。
鈴木氏の新曲もやっと止まらず通せる状態になり、4月の室内楽コンサートのめどはつきました。

最近オーケストラの仕事やってると、音楽の喜びより余計なストレスのほうが大きくて、”辞めたい”と思うこともしばしばです。
でも、オーケストラの収入があるからお金を気にしないで自分のソロや室内楽の活動も出来るのであり、今のドイツの状態では若い人がオーケストラの席を得る事そのものが困難になってる時、私の考えは贅沢なのかも、、とも思ってます。

2008/03/26(水) 素晴らしき代理指揮者
今週はシンフォニー・コンサート、ゲスト指揮者が急病になり、急遽キールから代理の指揮者が来ました。
この指揮者がいい指導してくれるんです!

シベリウスの一番交響曲も、実に音楽のラインが明確で雰囲気を大切にした構成をしてくれるし、オーケストラに注意する言葉も的を得ていて無駄がありません。
その上、今回プフィッツナーの序曲やら、あまり知られてない曲も多いのですが、急に代理をやってるとは思えない落ち着きようでオーケストラを引っ張ってくれています。

今日は昼間、何なのと思うほどの大雪で吹雪になってました。
今ゥら冬なのか春なのか混乱しそうなこの頃です。

2008/03/24(月) も一度冬
昨日は朝起きるとあたり一面雪が積もってました。
このとこコンスタントに自転車通勤出来てたのですが昨日は断念して電車にしました。前にそれでも自転車に乗っててすべって車に轢かれそうになったことがあったので。
それにしても今また雪の季節になるなんて変な感じです。

昨日今日とドイツは復活祭の祝日で静かです。
それでも昨夜のオペラ”リゴレット”は大入りで賑わってました。

個人練習のほうも、このとこ数曲暗譜が進んで乗ってます。
テレマンの協奏曲をやる前にもう少しテレマンを勉強しておこうと、学生時代以来やらなかった12のファンタジーの数曲、5月のリサイタルにやってみる事にしました。
学生時代は退屈な曲と思っていたんですが、今見てみるとなかなか心込めて書かれてるのがわかります。

2008/03/21(金) タマゴとウサギのオースター
今日は”カール・フライターク”と言って、キリストが十字架にかけられた事をしのんでの休日です。宗教嫌いのクリストフも、”今日は聖書に基づいて魚を食べよう”と言ってます。
3日後がキリストが復活した、”オースター(復活祭)”です。
オースターはなぜかタマゴとウサギがシンボルになってて、スーパーもこの形のお菓子でいっぱい。
ドイツのキリスト教精神の生活が伺えます。

私はドイツ人でないけれど、生まれはキリスト教なので違和感なくこの精神に入っていけますが、ドイツでも実は若い世代になると、なんでこの辺が休日なのか知らない人も多くなってるそう。

音楽活動も、この時期マタイ受難曲、ヨハン受難曲などキリストの受難に基づいた物が多くなります。
想い出すのは映画”ベン・ハー”での最後の方のシーンとか、グリューネバルトの十字架の絵ですが、今日ある”ジーザス・クライスト・スーパースター”のミュージカルって気分じゃないなあ、、。

2008/03/19(水) ドイツ人のスーパー体力
いったん春になったかと思ったぐらい暖かくなりましたが、この数日再び雪が降っています。地面は温まってるので積もりはしませんが。

ベッカー氏と合わせの時間を決めるのがなかなか難しく、昨日は夜のオーケストラの仕事の後しか時間がない、という事で、結局みんなが帰った後、夜中に歌劇場に残って一緒に練習しました。
し〜んと静まり返った夜中の歌劇場、一人だったらなんだか怖いでしょうけど合わせするのには半分夢みたいな不思議な空間で集中できました。
私も朝から吹きっぱなしだったし、へとへとで練習にならないかと思ったのですが、意外とその場になったらエネルギーが残ってるものです。

それにしてもドイツ人って体力が違うなあ、と思わせられることがよくあります。
前の日、12時間以上働いて、その後朝方まで飲んでる友人でも、次の朝さわやかに”おはよう!!”とやってくるし、家には小さい子を何人も抱えたりするのに、どこで休んでるんだろう??

2008/03/16(日) ここはディスコ?
このとこ続けて鈴木氏の新曲も合わせをし、ボザ”アグレスティード”も昨日初めて合わせて見て、歌劇場の室内楽コンサートのメドが付きました。あさってファゴットのベッカー氏とも合わせます。

オーケストラは今ミュージカルの練習。狭いオーケストラボックスで凄い音量のエレキやドラムが入るので耳栓が欠かせません。
皆ちょっと”なんでうちのオケがこんな事を?”と戸惑い気味ですが、ドイツ人ってなかなか我慢強くて結局しぶしぶやってます。雰囲気として、高校生のころ、リズム感を付けたくて通っていたディスコを想い出します。
最初は本当にリズム感を付けたくて行って見たのですが、そのうちリズムに乗って体を動かす楽しさにはまり、ディスコは音量が大きすぎるので自宅で色々CDかけて踊るようになりました。

”ジーザスクライスト・スーパースター”をやる理由は、もうすぐキリスト教の復活祭だからです。
本来なら聖書に基づいた曲でも、バッハの”マタイ受難曲”やオラトリオをやってるのですが、歌劇場の新社長はあまりクラシックがお好きでないようで、、、ちょっとこの先が心配です。
うち、オペラ座なんだけどなあ、、、。

2008/03/15(土) トン・コープマン
この街から数年に一度出る”テレマン賞”、今年の受賞者はトン・コープマンだそうで、それで彼がゲスト演奏にここに来ていたのだそうです。

昨日は下らないミュージカルの練習の為、コープマンの演奏会は聞き逃しましたが、歌劇場で練習してたら4時ごろに”アムステルダム・バロックオーケストラの皆さんは舞台練習に集まってください”というアナウンスが流れたました。
”しめた!練習は聞けるぞ!”と舞台裏に周りました。

コープマンは英語で指示しながら練習を進めていました。
思ったよりずっと感じの良さそうな指示ぶりです。指揮ぶりはフレーズの大事なポイントを伝える、音楽の流れを示す指揮で、体全体からやりたい事が伝わってきます。
オーケストラはすべてバロック楽器でヴィブラートなしですがフレーズがすっきり伝わってきて清々しい演奏。
バロックだったらノン・ビブラート、というのもナンセンスな話で、ヴィブラートを使うバロック奏者も多数そうです。
大事なのはフレージングが生きてるかどうかですが、コープマンの音楽は生き生きして清浄な空気に満ちていました。
残念ながら練習なので途切れ途切れで、通して演奏はしないのですが雰囲気は充分伝わってきました。

私は舞台裏から立ちっぱなしで聴いてたのでアムステルダム・オーケストラの人達には係りの人かと思われ、時々
”椅子が足りないんですが”とか”自分の座るところに釘が出てて危ないんですが”という言葉をかけられ、私もどうしていいのかわからないので、近くにいたテクニカーにそのまま伝えました。
不思議だったのは、”うちのオーケストラの人、こんないいアンサンブルが来てるって言うのに誰も聴きに来こないのかな?”
と思ったらゲルト・ベッカー氏がちょこっと覗きに来てました。

いい物に触れる機会をなるべく増やしたいものです。

2008/03/13(木) 馬鹿だよなあ、、、
今夜はうちの歌劇場にアムステルダムからトン・コープマン(バロックスペシャリスト)が楽団を引き連れてゲスト演奏します。
”わあ!絶対聴きたい!”と思ってたらオーケストラは”ジーザス・クライスト・スーパースター”と言うミュージカルの練習が重なってる!普段ミュージカルなんてやらないのにこの日に限って、、です。
こんなくだらない(といっては失礼ですが)練習、時間変更して、なぜオーケストラの連中に一流の演奏会を聴かせないのか、、。

こういうところにも歌劇場そのものとオーケストラが敵対していく一因があります。
この数年、この敵対関係が悪化してて色々大変になってます。
残念なのは、それによってオーケストラが一致団結する方向に行くのではなく、かえって嫌がらせをしあうようになってしまってる事。
なるべく嫌な事から目をそむけて自分のやりたい音楽に集中するようにしてますが、やはり毎日の事なので難しいですね、、、。

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