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2007/08/23(木)
大物・フィリップ・モル氏
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昨日、フィリップ・モル氏に初めて身近でお会いしました! ぱっと見た瞬間、すぐには氏だと気づかないくらい、気さくで親切で普通の人、のような印象でした。大柄ですが、、。 でも、一流の大物って、あったときには全く人を畏怖させない、感じのいい人って事がよくありますよね。
レッスンに入っても、出してるオーラや言葉使いは、彼のピアノと同じように、暖かい、人柄のよい、心地いいものでした。 ただ、言ってる内容は、全く無駄のない、シンプルでいて厳しい、本当に頭の切れる人しか言えない内容でした。
”これは、試験pのレッスンだから、僕の解釈を与えるレッスンとは違う”と明記しておいて、 ”僕の経験から言って、試験に通る人は、まずリズムがこれ以上ないほど正確な人。どんなフレーズも、リタルダンドも、一貫性がなくちゃいけない。人にわからないルバートや一貫性のない間はご法度”
イベールの2楽章の再現部前のリタルダンドも、最後の最後までしっかり遅くしていって、一緒に息をとって新たにテーマに入ると、それまでそこで感じられなかった感動が、その曲に生まれました。 こういう風に、ちゃんと音楽的規則を守ることでかえって深い感動が生まれるんだな、、と実感した瞬間でした。
これはピアノのレッスンでしたが、色々試験やってる私には、こんなレッスン、フルートではありそうで、なかなかない、と思いました。
プロコフィエフではモル氏がピアノ弾いて私がそれに合わせる、というおいしい思いもたくさんさせていただきました。 そのフレーズがどこに行くのか常に見えてて、指は寸分の隙なくコントロールされてるので、彼と合わせるのは初めてでも、テンポ感が違ってもとっても楽。 世界の一流の演奏家が彼とアンサンブルしたがる理由がよくわかりました。
レッスンは3時間以上になりましたが、モル氏は疲れた様子もなく、でてるオーラも全く持続したまま。常に大事なことだけに集中していて、安定しきってる、大物だからでの余裕を感じました。そして、自分のことより、私にさりげなく ”こんなに長くつきあってくれてありがとう。とても助かったよ。”と言ってくださる心遣いも、”やはり人間できてる”と感心させられました。
とにかく凄く感じのいい方だったので、”この人が、私が子供のころからレコード聴きまくって、演奏会で聴いていたその本人なんだ”と言う実感もかえってさせない方でした。
彼の信条のひとつは”リズムの一貫性”という基本で、徹底してるが為に全く硬さもこだわりも感じさせない、安定しきってるからこそ周りが安心して聴ける、というのを目の前にしたのはこの先勉強していくのに大きなプラスです。
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